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  東方愛妹悪魔 作者:ミネ
サブタイトルから分かるように、タイトルの読み方は「東方シスコン悪魔」です。
シスコン悪魔、居候初日で
俺は急に自分を呼ぶ声が聞こえた気がしてベッドから飛び起きた。

「・・・なんだ今の夢は・・・」

俺は「まったく嫌な夢を見たものだ。葵のいない世界なんて・・・」と言おうとしたが、顔を上げたら

「夢じゃないや・・・」

部屋の色が真っ赤であったこと、さらに真っ赤な部屋でも特に目立つアルビノの翼が右を向いたときに目に入ってしまい、頭を抱えた

そういえばあのあとの記憶がないな・・・後でレミィに・・・朝だから寝てるかな?じゃあ散歩ついでに美鈴さんに聞いてみるか

「ふぁー・・・」

俺は伸びを一つして脳の回転を促し、はっきりと目が覚めたところで自分の寝ていたこの部屋の扉を開け、玄関に向かおうとしたが

「・・・そういえば玄関は何処だろう?」

俺はどうやって玄関まで行こうかと悩んで廊下を往き来していたところ、

「・・・お?」

廊下の奥の方でさっきまでなかった話し声が聞こえたので、そこへ向かった。するとメイド服を着た妖精が飛びながらなにかを話していた。これはちょうど良いと思い、玄関までの道を教えてもらおうかと思ったが、怯えられたのでなんとかなだめ、玄関の場所を教えてもらった。

・・・それにしても怯えかたが尋常じゃなかったぞ?一体なにをしたんだ、フランは?

「・・・あったあった」

そしてメイド妖精に教えられた通りに結構広い館を、鼻歌を歌いながら進んで5分、玄関に到着した。そこには立ったままでうたた寝をしている美鈴さんがいた。・・・門番が寝てて良いのか?というか器用だな

「こういうのを見てると悪戯したくなるものだ。うん」

と、一人でなにを納得したのか、俺は美鈴さんにごっそり近付き、渾身の力を込めて
デコピンを放った。きゅうしょにあたったようだ

最強の吸血鬼の放った渾身の一撃を受けて、立ったまま寝ていた美鈴さんは倒れてしまった

「・・・やべ、やりすぎた?」

まだ自分で自分の力のコントロールが出来ていないことを知った俺であった。なので、昨日レミィが言っていたように少し俺の力のコントロールを美鈴さんに手伝って貰うことにした

そして、しばらくは塀にもたれかかって美鈴さんが起きるのを待っていたが、起きそうにもないので、自分で練習をすることにした

「ええっと、まずは・・・」

俺は近くにあった木に落ちていた石を軽く投げた。すると、軽く投げたつもりが木を貫通して空高く飛んでいってしまった

「ぬおぃ・・・どうしようか・・・」

俺はそのあとも20回くらい、めげずに木を貫通させないように頑張ってみたが、全て木を貫通してしまうのだ。

「なんでだろ?・・・この石のせいか?」

俺は苦笑いしながらなんの変哲もない石を拾って見てみた、すると

「・・・なんだ?」

よく見ると石から陽炎が出ていた。それに若干震えている気がした。・・・まさか

「・・・『止まれ』」

俺は石に片方の手を置き、念じた。すると、陽炎が消え、振動もやんだ

「なんだ、そういうことか!」

小さい振幅で、さらに高い振動数で物資が振動すると他の物資を弾くようになる。まだ前の世界に居たときに、あるゲームで「振動させることによって切れ味を何十倍にもした刀」というものがあった。今回の石は、無意識に使っていた能力を石に使ってしまい、その「振動させた刀」と同じようなことになって木を貫通したのである

「ていやっ・・・おお!!」

俺はその石をもう一度木に投げた。すると今度は貫通せずに木を凹ませただけであった。やった!お兄ちゃんはやったよ!・・・虚しい・・・

「ていうことは・・・」

美鈴さんはおそらく能力で、こんなにも長くのびているということなのだろうか?・・・死んでないよね?

「・・・ツンツン」

「・・・」

はんのうがない。ただのしかばねのようだ。

「・・・ユサユサ」

「・・・んぅ・・・」

ん?なんだって?

「ユッサユッサ」

俺は強く揺さぶってみた

「・・・もう・・・食べれない・・・」

寝ているようだ。さらに、なにか食べているようである。

「良い夢を見てるみたいだし、起こすのも悪いからそっとしておこうかな・・・」

と、門を離れ、昨日は多少混乱気味で庭をゆっくり眺めれる状態ではなかったため、庭を少しの間眺め、館に入った。すると

「あの・・・」

「ん?なにかな?」

さっきのメイド妖精が話し掛けてきた。さっきは怯えさせないように満面の笑みで対応したが今では普通に話せるようになった

「パチュリー様がお呼びです」

「パチュリー?ああ、あの人か・・・そうだった・・・」

俺は昨日の会話を思い出し、項垂れた。そういえば倒れた本棚を立て直したり、本を片付ける約束をしていたのを思い出した。

「図書館へ案内します。付いてきてください」

「・・・分かった」

俺は多少ブルーな気分になりながらも、自業自得なんだ、自業自得なんだ、と繰り返していた。・・・どれくらいの広さなんだろう?

「こちらです」

妖精は一つの大きい扉の前に立った。そして、扉を開けると

「・・・やる気失せた・・・」

そこには高いドーム状の屋根に装飾の施された、丸い部屋であった。しかし部屋と言っても、その広さは小学校の体育館を10倍したような広さであった。

それに、いつもは立っているのであろう本棚が殆ど倒れており、メイド妖精がせっせと本を運んでいた

「それはあっちに・・・それはそっちね」

と、紫色の髪をした少女・・・パチュリーノーレッジが精霊メイド達に指示を出していた

「それでは失礼します」

メイド精霊は逃げるように扉を閉めて出ていった

「はー・・・とぅっ!」

俺は大きく溜め息をしてから、よく聞く掛け声とともに跳躍すると、空中で一回転してパチュリーさんの目の前にかっこよく着地した・・・前の世界じゃ絶対出来ない・・・

「ん?あら、来たの。具合は大丈夫?」

俺のキメ度全開の着地をスルーし、何故か俺の体調の事を聞いてきた。・・・なんか恥ずかしい・・・

「ああ、全然問題ないね。それで?俺はなにをすれば良いんだ?」

「そうね・・・貴方には本棚をもとの位置に戻してもらうわ」

「了解した」

俺はそう返事をし、さっきまでなかったはずのやる気が、跳んで、空中で一回転出来たので自信がついたのか、やる気が湧いてきたた。

「・・・そりゃ!」

俺はまず何百とある、倒れている本棚の中の一つを片手で持ち上げた。そして元にあったであろう場所に置いた

「・・・せいやっ!!・・・ほわたっ!!!・・・」

俺は妙な掛け声とともに本棚を一つづつ元にもどしていった。するとコツをつかみ、段々乗ってきて

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!」

「「「おおー!!!」」」

今度は前の世界でどこかで聞いた掛け声で、精霊達からの精霊達からの声援を浴びながら、アクロバティックに本棚を戻していき、昼くらいには終わっていた

「どこまで進んだかしら・・・ってええ!!??」

そして、何処に行っていたのであろうかパチュリーさんが戻ってきた。そして天井付近で腕をくみ、翼を羽ばたかせて、精霊達から尊敬の眼差しで見つめられている、そう、俺をと、その下の綺麗に片付けられた本棚を交互に見てから驚きの声をあげた

「どうですかパチュリーさん?本は妖精達から聞いて元に戻しておきましたよ。」

俺は下で開いた口が塞がらない状態のパチュリーさんにそう言った

「・・・どうやら貴方の事を見くびっていたようね・・・」

パチュリーさんは何か呟き、俺に降りてくるように手で招いた

「それで、パチュリーさん?」

「なに?」

俺は美鈴さんに聞こうとしたことをパチュリーさんに聞いた

「昨日の夜、フランがよろしくと言ったあとになにかありました?」

「ああ、あの後急に貴方が倒れたからフランが何処かの部屋に背負っていったわよ。」

それであの部屋に居たのか・・・夜になったらフランにありがとうと言っておくか。

「そうそう、これを言っておくわね。吸血鬼は普通、日光、銀、流水、で、夜行性なのだけど、αの場合は特別で、弱点がないのよ」

「ほぉー・・・つまり、俺は特殊能力と身体能力が凄いってこと以外は前の世界と同じように生活出来るってことか?」

「そうよ。あ、あと、貴方みたいな珍しい吸血鬼がこの幻想郷にいるって誰かに知れたら、たちまち噂になって、紅魔館に人やら幽霊やら妖怪やらが大勢押し寄せてくるわよ」

「幻想郷?」

「この世界の事よ。この世界は結界で囲まれていて・・・って、話したらきりがないわ。レミィ達が起きたら話すわ」

そして、この後昼食を食べ、運動ついでに美鈴さんに妖力弾なるものを教えてもらった。そして、メイド妖精にレミィ達が起きるまで館の中を案内してもらった。

そして、夜、フラン達が起きた後に夕食(フラン達にとっては朝食だが)を食べたあとにパチュリーがフランやレミィ、美鈴、それにメイド妖精に俺の事を誰にも話さないことを約束させた。また、図書館を元通りにしたと言ったら「さすがご先祖様」とからかってきた。結構恥ずかしかった。














実は、もう既に一人のメイド妖精が友人の妖精に俺が紅魔館に居るということを喋ってしまっていたのだが、それは次の話で




最後の方で略してしまって申し訳ありませんorz

僕の技量不足です。はい。


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