シスコン、紅い悪魔の妹と仲良くなる
「ぬおってなに?」
そこには金髪で変な帽子をかぶり・・・背中に七色の宝石を垂らした棒をつけた・・・なんなんだあれ?少女がいて、こっちを見ていた
「誰だ?」
「・・・まぁ知らないのも無理はないね・・・」
少女はそういって少し俯いてから
「それよりさっきの地震は君の仕業?君じゃないなら心当たりはある?」
こっちを睨み、言葉に力を込めて、いかにもあなたがやりましたよね?と言わんばかりに、しかし半信半疑のような口調でそう言ってきた。
ちなみに、挨拶は大切だぞ?たとえばな、こんにちはって言うとこんにちはって言う。こんばんはって言うとこんにばんはって言う。さようならって言うとまた会おうって言う。こだまでし(ry・・・なんでもない
「はい・・・まぁ・・・俺がやりました。迷惑かけたのならすみませんでした・・・」
ここは正直に答えた。少女相手に敬語とは・・・葵といい、俺は少女に弱いのか?だが断じてロリコンではない。シスコン(ハァハァ野郎)だがな。
「迷惑も迷惑よ!!おかげでパチェの本棚が全部倒れたのよ!大量の本の片付けの手伝いをさせられる身にもなってみなさいよ!」
「ぬおっ」
と、少女が顔を真っ赤にして凄い剣幕で、しかも若干殺気と思われる雰囲気も出ている。
「はぁ、それで俺にどうしろと?」
だが若干緩い雰囲気で対応する俺。これが大人の対応だ
「・・・まずは私の家に来てもらうわよ?そこでお姉さまと考えるわ」
と、やはり殺気を出しながらそう言ってきた。・・・殺される前に名前を聞いておこうかな。ギャグ入れて。
「ゴホッ、ゴホッ。ああ持病の結核が悪化してきた・・・死ぬ前に君の名前を教えてくれないか?」
と、倒れこみながら迫真の演技でそう言ってみる
「ああそう。じゃあ教えあげる。私はフランドールスカーレット。紅魔館に住む吸血鬼の一人よ」
が、見破られたのか、それとも吸血鬼だからなのか、俺の事は気にせず自分の名前を言った。・・・もうびっくりできない・・・
「君はフランドールというのか。僕は、成田高峰って名前だよ。よろしくフランドール。高峰と呼んでくれていいよ」
「演技だったの!?」
おお、なんと!見破られていなかった!劇の役の取り合いの時に落ちに落ちてナレーターに成り下がった俺の演技が通じた!
「・・・面白い人ね。私が吸血鬼って知っててやったの?」
「いや、知らなかったよ。でも、知っててもやってたかもね?」
と、冗談混じりの返事を返す。・・・俺はこんなに肝が据わっていただろうか?
「ふふっ。本当に面白いわね。・・・何でだろ?この人は敵ではないって頭が言ってる・・・」
言葉の最後の方になにか呟いたようだったが俺には聞こえなかった
「ん?なにか言った?」
「いや?何も?・・・ねぇ、君の事は高峰君って言っていいんだよね?じゃあ、私の事もフランって呼んでいいよ」
「分かった」
そして、フランと少し話したあと、フランの家に行くことになった
「それじゃあ着いてきて」
とフランが・・・飛んだ。いやいやいや、俺の飛べないから・・・背中の棒と宝石ってあれは翼なのか?
俺が呆然と立ち尽くしていると、フランが気がつき
「?どうしたの?」
「俺、飛べない・・・」
「うそっ!?」
飛べないと言うとフランは目を見開き、本当に驚いているようだった
「あんな地震を起こしたのに?」
まぁ、ごもっともであるが、実際、手に入った能力は振動を操るだけで、どう応用しようとしても空を飛ぶことは出来ない
「まぁ・・・飛ぶのは出来ないんだよ・・・すまないね」
「そうなの・・・」
そう言ってフランは地面に降りた、が
「・・・って、え!?」
フランはまたまた驚いた。その見開かれた目の目線の先は俺、否、俺の少し後ろに向かっていた
「ん?俺の後ろがどうした・・・!?」
ここでようやく自分がもう人でないことを悟った。なぜなら背中に
「君・・・翼あるじゃん・・・」
そう、翼が俺の背中からはえてきたからだ。にょきっと。その翼は真っ黒で、例えるならばカラスの翼のようだった。俺が少し動くとはえたばかりの翼からハラハラと羽が落ちてきて、いかにもダークな雰囲気が漂っていた。
「いや、今さっきはえてきた」
「翼ってはえてくるものなの!?」
フランは目を丸くして俺の翼を見ていた。・・・フランはさっきから驚いてばかりだ
「・・・ねぇフラン、この翼、どうやって使うの?」
「へ?」
俺がはえたばかりの翼の使い方をフランに聞いたところ変な声をあげられた
「・・・高峰君、自分のからだの一部の使い方も分からないの?」
まぁ、その通りだが、もともと人間だからね。
「ちょっと練習していいかね?」
俺はコツを掴むためにフランに練習をする時間をもらい、10分くらい翼をバサバサしていた
「・・・よし、もういいかな?フラン、行こう。」
「分かった!着いてきて!」
フランは待ちくたびれたように大喜びで空へ舞い上がり、俺も続いて空に向かっていった
「・・・結構怖いな・・・」
俺はフランに着いていくので精一杯で、下の景色など見れるはずもなく、それどころか、高度が思った以上に高かったので恐怖心を抱いていた。
一方フランは
「♪~」
鼻歌を歌っていた。風の音のせいでよく聞こえないが、綺麗な歌声だった。・・・やべぇ、気分が落ち着いてきたせいで下見ちゃった・・・こえぇ・・・
そうして5分くらい経ち、
「着いたよ~」
フランが降下していったので
俺もそれに着いていく。そして目の前に湖と血で濡れたように真っ赤な館が見えた
「なんだあれ?」
「あそこが私の言ってた紅魔館だよ。ほら、言った通りに真っ赤でしょ?」
フランはそう言って館へ歩いていった。
俺も勿論ついていき、門と思われる場所に着いた。そこには緑色のチャイナドレスを着た女の人がいて、歩いてくる俺とフランに気づいたようだった
そのチャイナドレスの女性はフランを見て驚き、次にフランと歩いてる俺を見てまた驚いた
「やぁ美鈴」
フランがチャイナドレスの女性に声をかけた
「・・・いつ外へお出掛けになられました?レミリア様が大変怒ってられましたよ?」
美鈴と呼ばれた女性はフランに丁寧な口調でそう話した
「えー・・・っと、そうだ。30分くらい前に塀を壊して外に出たよ」
フランの言葉を聞いてチャイナドレスの女性は、また呆れたように溜め息を吐いた。壊しちゃだめだ、壊しちゃ。
「・・・分かりました。後で妖精に修理させておきます」
「うん、頼んだよ~。じゃあ高峰君、行こう。」
フランはチャイナド・・・美鈴さんにそう言って、中に入っていった
「あ、お嬢様!」
美鈴さんはフランに声をかけて呼び止めた
「なにかしら?」
「その男の人は誰ですか?」
美鈴さんはその男・・・つまり俺を指差しフランに尋ねた
「ああ、ちょうどいいわ。先にお姉さまのところに行ってるから、パチェを呼んできてくれる?みんなに紹介するから」
と、フランは美鈴さんに指示を出す。・・・紹介ってつまり『犯人です』って言うわけだろ?俺どうなる?
「分かりました」
美鈴さんは先に小走りで館の中へ入っていった
「ねぇ、フラン。あの人は誰かな?」
フランに美鈴さんの事を聞いた
「ああ、あのね、あの人は紅美鈴っていって、この館の門番をやってるよ。」
「へー・・・」
そして二人で館の中を歩き、途中すれ違う妖精と思われる者から怯えられながら、大きめなドアの前にきた
「コンコン フランドールです。」
「フランね、入っていいわよ」
「分かった」
と、フランがノックをし、中からフランの声に似た声がかえってきた。おそらくこの声の持ち主がフランの言う『お姉さま』なのであろう
そしてフランが扉を開けた
フランドールと美鈴の口調はこれで合っているのだろうか・・・
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