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時代遅れの大マスコミ報道 ネット上では加害者も担任も素性バレバレ- ゲンダイネット(2012年7月20日10時00分)

  新聞テレビを連日にぎわせている大津市・皇子山中学の「いじめ自殺」事件。だが、どのニュースも、いじめた生徒の素性に触れないから、隔靴掻痒(かっかそうよう)のチンプンカンプン報道になっている。校長の釈明会見を聞いていても、要領を得ず、何がなんだかサッパリだ。

  最大の理由は、当事者が未成年ということ。メディアは少年法に配慮し、加害者の氏名はもちろん、素性や学校生活の詳しい様子も一切伝えられない。それで、仕方ないから市教委や学校の対応のまずさばかり強調する報道になるのだが、ネット上ではすごいことになっている。

 「ネット上には今、この事件に関するありとあらゆる情報が書き込まれています。例えば、被害者に双子の姉がおり、弟のいじめを先生に相談していたことや、加害者とされる3人の生徒のうち、2人は京都へ転校し、転校先で名字を変えたこと。主犯格の父親は京都市内でデザイン会社を経営し、母親はPTA会長だった――など、新聞テレビには載っていない情報ばかりです。被害者から相談を受けながら放置した担任の男性教員も“共犯者”として実名が顔写真付きで掲載され、指名手配犯を真似たポスターまで作られています」(ITジャーナリスト)

  書き込まれている情報の中にはガセも少なくないが、加害者生徒や担任教師の個人情報は丸裸なのである。皇子山中学の同級生はもちろん、父兄や学校関係者はこのネットからの情報に頼りきっている状態だ。ネットが新聞テレビに代わって“調査報道”の役割を果たしているといっていい。そんなネット社会では、今回の事件を「殺人事件」と呼んでいて、加害者が断罪されるまで収拾がつきそうにない。

 

 <17日、2回目の口頭弁論>

 

  この事件では自殺した少年の遺族が、市や加害者とされる同級生3人に総額約7700万円の損害賠償を求めた訴訟を起こしているが、17日、大津地裁で第2回口頭弁論が開かれた。前回の口頭弁論で、3人のうち2人は「遊びであり、いじめではない」といじめを全否定。17日の口頭弁論では、残る1人も同様の証言をした。校長や教育委員会が頑としていじめが自殺原因だと認めなかったのも、この裁判があったためだが、とてもシラを切り通せる状況ではなくなっている。

 「裁判では市側もさすがに『過失はない』という主張を撤回し、和解の考えを示したが、たぶん、口頭弁論の様子もあっという間にネットに流されるでしょうし、いじめを否認し続けている加害者家族はさらに袋だたきですよ。警察はこうした世論の厳しい目が自分たちに向けられるのを怖がっている。強制捜査に入ったのも、そこに理由があるでしょう。警察は今、被害者が下ろした現金の流れを調べています。もし、加害者に渡っていたとすれば、恐喝で立件する方針です」(地元記者)

  これだけネットが発達してしまった時代。隠せることと隠せないことがある。そこに担任や学校が早く気づけば、ここまで大騒動になることもなかったのである。

 (日刊ゲンダイ2012年7月17日掲載)

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