グラフィックカードRadeonシリーズの最新情報をまとめています。
ATI Stream(AMDのCUDA)は業界標準のOpenCLに対応しています。ATI Stream対応モデル(HD4000以降)では動画変換がGPU機能により高速に行えるAvivo Video Converterが無償提供されています(ただし、市販ソフトと比べて画質が悪いです)。ドライバのダウンロードページでダウンロードした後、Catalystの基本モードから起動して使うことができます。
・Radeonの最新ドライバの入手はこちらから
GeForceではなくRadeonを選ぶ理由は、3モニター出力対応と、Windows7 64bitでの安定と、ビデオ等の高画質にあります。少し前まではWindows7で使うならばRadeon!でしたが、GeForce GTX460以降はまともになりましたので、ゲームやアプリケーションの対応度で選んでしまって良いでしょう。ATI StreamはNVIDIA CUDAと比べて対応ソフトが少ないです。価格・電力・性能のバランスはRadeonの方が優れたモデルが多いです。3D立体視は複数メーカー共通のOpen Stereo 3D規格よりも、NVIDIAが独占的に推し進める3D VISIONの方がメジャーになりつつあります。
性能 | Radeon DX10.1対応 |
Radeon DX11対応 |
Mobility Radeon | (GeForce) | 価格帯 |
---|---|---|---|---|---|
高い | HD6990 | GTX590 | 10~6万円 | ||
↑ | HD5970 | ||||
GTX295 | |||||
HD4870X2 | HD7970 HD7950 HD6970 HD6950 HD7870 HD7850 HD5870 HD6870 |
GTX680 GTX580 GTX570 GTX480 |
6~3万円 | ||
HD5850 HD6850 HD7770 |
GTX470 GTX560Ti GTX560 |
4~1.5万円 | |||
HD5830 | GTX460 GTX285 GTX275 |
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HD4890 | HD6770 HD5770 HD7750 |
M-HD5870 | GTX260 GTX550Ti |
2~1万円 | |
HD4870 | |||||
HD4850 |
HD6750 HD5750 |
GTS450 GTS250 |
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HD4770 | HD6670 | 1万~6000円 | |||
HD5670 HD6570 |
9800GT GT440 9600GT GT240 |
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HD4670 | M-HD5650 | ||||
HD5570 | GT430 | ||||
HD5550 | GT520 GT220 |
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HD4650 | |||||
HD6450 | 7000~4000円 | ||||
↓ | HD4550 | HD5450 | |||
低い | HD4350 |
オレンジ色が現在人気のモデルです。
GeForceに最適化されているゲームでは、性能が下のGeForceに劣る場合があります。また、処理速度とは別に高画質機能が無効になり画質が悪くなるなど制限が生じる場合があります。
Mobility RadeonはノートPCに搭載されるビデオカードであり、単体販売はありません。
Radeon HD5000シリーズ以降では、ATI Eyefinityに対応しています。
Windows 7とVistaで3画面出力に対応していますが、クロックジェネレータが2基しかないため、3台目にはクロックジェネレータが不要なDisplayPort(DP)を使う必要があります。
○ DVI + DVI + DP
○ DVI + HDMI + DP
× DVI + DV I + HDMI
Direct X11の高画質ゲームにはHD7970やHD7950、一般的な3DゲームにはHD6870やHD6850、低い解像度にはHD7750、動画再生のみにはHD6450(UVD3対応の一番性能が低いモデル)。
オンラインゲームには、最新の高画質ゲームにHD7950(高解像度+高画質+大人数)やHD6850(一般向き)、設計が古いゲームや画質を重視していないゲームにはHD7770/7750やHD6770/5770。 ブラウザゲームなど軽いゲームにはHD6670。
生産プロセスが28nm世代となり、同じ性能ならば大幅に消費電力が少なくなります。
インターフェースはPCI-Express 3.0対応、現在の性能では未だPCI-E2.0に接続しても性能低下などの問題はありません。
Windows8に採用される予定のDirect X11.1に対応。
内部制御の実用性がとても向上しました。これまではクロックの変動が大きく変わり、ゲームによっては極端なクロックの切り替わりが頻繁に繰り返されて動作が重くなる場合がありましたが、HD7000シリーズでは細かく制御されて動作します。
Direct X11のテッセレータを強化して、消費電力は低下させています。
そのため、同じランクの製品であればDirect X11の性能は向上してX10/X9の性能はHD5000シリーズよりも少し低下しています。
動画再生を支援するUVDがUVD3になり機能向上しました。Blu-ray 3DとMPEG-4のDivX/Xvidのデコードに対応しました。対応したアプリケーションでは、CPUの処理をほとんど必要とせずに再生することができます。また、UVD2では対応していないMPEG-2のプロファイルにも対応しました。
Open Stereo 3Dを基にした3D立体視のAMD HD3Dに対応しました。
ミドルレンジ以上は徐々にHD7000シリーズに置き換わりつつあります。
ローエンドモデルはCPU内蔵が主流になりつつあります。
★★★☆☆ デュアルGPU搭載で最高性能のビデオカード
シングルビデオカードの中で最高の性能を誇ります。Direct X11のFPSゲームを高解像度・高画質で快適にプレイしたい方に。
Radeon HD6970の動作クロックを下げて、1枚に2つを繋げた内部CrossFire構成です。CrossFireに対応していないアプリケーションでは、HD6970に劣ります。HD6970を2枚接続するよりも大幅に消費電力が少なく済みます。2枚接続する場合は、CrossFire-Xに対応したシステムが必要です。
最大消費電力は375W。PCI-E補助電源は8ピンが2つ接続が必要です。アイドル時の消費電量は37Wで過去の2GPU搭載Radeon HD5970の42Wよりも低下しています。
Radeon HD6990 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
1536/96 + 1536/96 | 830~880MHz | 5.0GHz相当 | 256bit + 256bit | 375W |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
★★★★★ 単体GPUで最高性能のグラフィックボード
意外に早くGeForce GTX680に追い越されました。Radeon HD7970はメモリバス幅が384bitと広いため、高解像度などビデオメモリが多用される場合はHD7970の方が性能の落ち込みが少なく有利です。Direct X11の負荷の高いテッセレータ処理はGTX680が大幅に性能が上です。
どの製品にも共通する問題ですが、設計が大きく変わった初期のドライバはトラブルが多い可能性があるため、安定性を求めるならば3ヶ月ぐらい様子を見る(HD7970は2012年1月発売)のがよいです。ドライバが安定する頃には価格も買いやすくなります。
Radeon HD7970の性能はHD6970やGeForce GTX580よりも全体が高くなっています。それでいて、消費電力は低くなっています。VRAMが384bitの接続で5.5GHz(1375MHzのGDDR5)の3GB搭載と、高速で大容量になっているためビデオメモリをたくさん使う(たくさんやりとりされる)ゲームでは性能の向上が大きく反映されます。
フルHDの解像度であれば、高画質なゲームでもHD7970を1枚で十分な性能です。
最大消費電力は250W。PCI-E補助電源は8ピンと6ピンの接続が必要です。アイドル時の消費電力は15W以下(デスクトップを表示中)で、全く動作が必要ないときの消費電力も3W以下(モニターオフ時)と大幅に低下しました。
Radeon HD7970 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
2048/128 | 925MHz | 5.5GHz相当 | 384bit | 250W |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
★★★★☆ 高性能ながら消費電力が大幅減
価格差を考えると最高性能を誇るHD7970がイチオシですが、GeForce GTX580相当以上の性能ながらも消費電力が100W以上も少なくなるRadeon HD7950は今の日本の電力事情には最適。
HD7970は電力効率が悪化しようともできるだけ高い性能を追い求めたモデル、HD7950は高い電力効率を維持しながら性能を追い求めたモデルと捉えることができます。
高解像度での最高画質で高いフレームレートを維持したままゲームを堪能できるCrossFire(2枚差し)には電力効率の高いHD7950で決めてしまいましょう。
ゲームとアイドル時以外での一般的なアプリの描画では、消費電力はRadeon HD6900シリーズと同等です。負荷の高いゲームを最高画質で楽しみたいという用途以外ではHD7800シリーズの登場が待たれます。
最大消費電力は200W。PCI-E補助電源は6ピンが2つの接続が必要です。アイドル時の消費電力は15W以下(デスクトップを表示中)で、全く動作が必要ないときの消費電力も3W以下(モニターオフ時)と大幅に低下しました。メーカー公称値では50Wの違いですが、HD7970との実際の消費電力差はかなり大きいです。
Radeon HD7950 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
1792/112 | 800MHz | 5.0GHz相当 | 384bit | 200W |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
★★☆☆☆ HD7950との価格差次第
HD6870の正統な進化。GeForce GTX570と同程度の性能で消費電力は低い。
最大消費電力は175W。PCI-E補助電源は6ピンが2つの接続が必要です。
Radeon HD7870 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
1280/80 | 1000MHz | 4.8GHz相当 | 256bit | 175W |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
★★★★★ 目的次第では最適な性能と消費電力に
性能で妥協したくないという場合はHD7900シリーズですが、価格も消費電力も高いです。HD7700シリーズ以下ではゲーム性能が厳しくなります。
Direct X10/X9ゲームでは高画質設定でも快適、X11ゲームでは標準設定にすれば快適に。そんなクラスのグラフィックボードです。
GTX560Tiよりも性能が高く消費電力は大幅に低くなります。
最大消費電力は130W。PCI-E補助電源は6ピンが1つの接続が必要です。
Radeon HD7850 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
1024/64 | 860MHz | 4.8GHz相当 | 256bit | 130W |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
★★☆☆☆ バランスが良いが微妙な位置
Direct X11の性能がHD5870よりも高く、X10/X9の性能がHD5870よりも低いモデルです。それでもHD5850よりも性能が高いためほとんど問題にはなりません。
HD6950の登場で魅力は大きく下がりましたが、大きさはRadeon HD5850程度になり、PCケースでの干渉の心配が少なくなりました。消費電力が大幅に低いのがポイントです。
消費電力が低いHD6850と全体の性能がHD5870よりも高くなったHD6950に挟まれて目的で選ぶには難しい位置です。予算次第で、HD6950が辛い場合にはHD6870で妥協といったところ。
最大消費電力は151Wで補助電源としてPCI-E6ピンが2つ必要。HD5870よりも37W低くなっています。アイドル時の消費電力も19Wで、GeForceよりも優秀な電力効率が更に高まっています。
Radeon HD6870 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
1120/56 | 900MHz | 4.2GHz相当 | 256bit | 151W |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
★★★★★ 電力と価格や大きさを重視する人に
Radeon HD7770より高性能、販売価格が安くなっておりお買い得。
Direct X11の性能が向上したとはいえHD5870よりも低い性能。HD6850もHD5850よりDirect X11性能が向上してX10/X9は低下しています。ベンチマークにより影響が大きく現れる場合がありますが、実際のゲームプレイでは違いはほとんど分からない範囲です。HD6790やHD5770よりも大幅に高い性能になっています。
大きさがRadeon HD5770程度になったことで、PCケースに取り付けしやすくなりました。
GeForce GTX460よりも、Direct X11の性能は低くX10/X9の性能は高い。消費電力は低い。
最大消費電力は127Wで補助電源としてPCI-E6ピンが1つ必要。HD5850よりも24W低くなっています。アイドル時の消費電力はHD6870と同じで19Wに低下しています。
Radeon HD6850 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
960/48 | 775MHz | 4.0GHz相当 | 256bit | 127W |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
★★★☆☆ HD5770/HD6770の正統進化
HD6770は性能バランスを維持するためにHD5770のリネームでしたが、HD770ではプロセスの微細化により消費電力の低減と性能向上を実現しました。
性能はRadeon HD6850に近づきました。消費電力はHD6750よりも低く抑えられています。標準画質で快適なプレイにはこのクラス以上がおすすめ。
Radeon HD7770はGeForce GTX550Ti ~ GTX560の間に位置する性能です。
最大消費電力は80W。PCI-E補助電源は6ピンが1つの接続が必要です。アイドル時の消費電力は最小で3W以下。デスクトップ表示時の消費電力は不明。
Radeon HD7770 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
640/40 | 1000MHz | 4.5GHz相当 | 128bit | 80W |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
★★★★☆ 小型PCへの搭載に
HD7770との性能差は意外と大きい。補助電源なしと大きさを優先させたい場合に選びます。低解像度のゲーム向き。
Radeon HD6770に近い性能です。2年前の高画質ゲームがそれなりに楽しめる性能です。
小型のPCケースで使うための1スロット仕様やロープロファイル仕様が必要な場合、選べるのがこのクラス以下になってしまいます。HD6670よりも大幅に性能が高く消費電力は低い。
最大消費電力は55W。PCI-E補助電源は不要。アイドル時の消費電力は最小で3W以下。デスクトップ表示時の消費電力は不明。
Radeon HD7750 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
512/32 | 800MHz | 4.5GHz相当 | 128bit | 55W |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
★★★☆☆ ロープロファイル対応では高性能
HD6850の半分以下の性能で、HD5750よりも低くHD5670よりは高い。
補助電源不要でLowprofile対応のため、省スペースPC用としては3Dゲームもそこそこ楽しめる高性能。UVD3対応でCPUが非力でもハイビジョン動画が高画質で楽しめます。
LowProfileではなく標準サイズの製品もあります。LowProfileではファンの大きさが小さく高回転になり騒音が大きくなるため、ロープロファイル専用の省スペースPC以外では標準サイズをおすすめします。
最大消費電力は66W。PCI-E補助電源の接続は不要。アイドル時の消費電力は12W。
Radeon HD6670 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
480/24 | 800MHz | 4.0GHz相当 | 128bit | 66W |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
★★★☆☆ UVD3による動画再生向き
IntelのCPUやチップセットに搭載されるグラフィック機能と性能では満足できない人向き。 消費電力がとても少なく、UVD3対応で動画再生を強化することができます。性能としてはHD4550/HD5450から大きく向上し低解像度の3Dゲームがなんとか動作するほどになり、動画等の映像機能も大きく進化しています。
ビデオメモリに高性能なDDR5搭載(最大27W)と消費電力の少ないDDR3搭載(最大18W)があります。アイドル時の消費電力は9W。動画再生用としてはDDR5を選ぶ意味はほとんどありません。
Radeon HD6450 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
160/8 | 625~750MHz | 3.2~3.6GHz相当(GDDR5) 1.006~1.6GHz相当(DDR3) |
64bit | 27W(GDDR5) 18W(DDR3) |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
古いPCの場合、グラフィックボードを交換しても映像処理以外の性能不足で快適にならない場合があります。
場合によっては、PC本体を交換するのが結果的に安く快適になることがあります。
ノートPCではグラフィックボードの交換はできませんのでご注意ください。