日本代表選手団が続々とシドニー入りする中、オリンピック開始まであと7日と迫った9月9日に、オリンピック選手村で、日本代表選手団のウェルカムセレモニー(入村式)が行なわれた。また、それに先立ちJOCの第一回公式記者会見が行なわれ、八木祐四郎団長を初めとする役員たちが、シドニーオリンピックにかける意気込みを語った。
日本代表選手団ウェルカムセレモニー
9月9日、午後5時から、選手村国際ゾーンで日本選手団の入村式が行なわれ、柔道、
ボクシング、ソフトボールをはじめとする69人の日本代表選手団が参列し、暖かい歓 迎を受けた。まず、豪州原住民アボリジニの伝統舞踊が演じられたあと、オリンピッ
ク村村長でNSW州政府の政治家であるグラハム・リチャードソン氏が歓迎の挨拶。 国旗掲揚を経て、「この村を、家から遠く離れた第二の我が家だと思って下さい」の言葉を合図に、地元キャンベルタウン公立小学校の児童達が、「君が代」及びオース
トラリアの典型的な友好的挨拶をモチーフにした歌"GOOD DAY(グッダイ)"を歌い、なごやかな式典を締めくくった。シドニーが誇る、すべての選手を収容できる選手村の評判は、「なかなか快適。場所も近くて、シャトルバスが多く出ていているので交通の便もよい」(柔道66キロ級の中村行成選手)、「まだ入ったばかりでよく見ていないけど、部屋も前回より広い」(60キロ級の野村忠広選手)と上々。国際ゾーンには、ゲーム・センターやインターネット・ルーム、コンビニエンス・ストア、映画館など多くの娯楽施設や店が集まり、すでに世界各国からの選手達で賑わっている。
日本代表選手団第一回公式記者会見。
「アトランタ以上の成績を!」
9月9日、入村式に先立って日本代表選手団第一回公式記者会見が開かれ、八木団長、笹原副団長、佐藤総監督、医務担当川原本部役員が出席。広報担当竹田本部役員の進行のもと、"いよいよ本番"となったシドニーオリンピックへの意気込みなどを語った。まず八木団長は「今日空港についてさわやかな空気にふれ、いよいよ本番、と身が引き締まる思いがした。アトランタでは願ったほどの成績を挙げられなかったので、このシドニーを雪辱戦と考え、臨んでいきた
い」と、その決意のほどを吐露。また佐藤総監督は「村を廻って、"いよいよオリンピックが始る"という実感を得た」と選手村入りの第一印象を述べた上で、「ここまで皆、練習を積んで来たが、あとは"天の時"をどう呼び込むか。少なくともアトランタを上回る成績は出していきたい」と八木団長に同調した。シドニーの天気は良好なものの、5日から、一般に風の強いこの町にしても珍しい、時に風速70キロを超す強風が吹き荒れていたが、メルボルンオリンピックの金メダリスト、笹原副団長はこの点を逃さず「風が強く、風とも戦いがあるのか、という印象を受けた」と指摘した。実際数日前には、強風のため、オリンピック・パークに向かう電車が5時間も立ち往生する、というアクシデントも起きている。
|