転生シーンになります。
坂井さんは神風特攻が嫌いだったそうです
転生
「ここは…」
目が覚めると坂井は草原に立っていた。
空は雲ひとつなく、青空が広がっている
「俺はソファで寝ていた筈…わっ若返っている!?」
何気なく手鏡を見てみると、そこに写ったのは84歳の坂井三郎ではなく20歳くらいの自分が写っていた。
「右目の視力も回復している…どういうことだ?」
訳も解らず自問自答をしていると
「目が覚めましたか、坂井三郎さん」
「あなたは?」
坂井の目の前に、今の自分と同じくらいの年齢の男性がいた。
「あなたは?…それより、ここはどこです?」
「私はいわゆる神です。
ここはあの世とこの世の境になります」
男の言葉に坂井は耳を疑った。
確かに、自分は死んだここまではいい
だが、神が何の用で自分の目の前に現れたのか分からない
「坂井さんは転生というのをご存じでしょうか?」
「死んだ人間が現世に生まれ変わること…あってますか?」
坂井の答えに男は満足した顔をする
「その通り、そして坂井さんは転生者に選ばれたのです」
「俺は…俺は選ばれるような人間じゃない、早く地獄か天国に送ってくれ」
坂井はそう思っていた。
エースパイロットと言われているが、人殺しに変わりはない
そんな自分が、転生者に選ばれるなどあってはならない
「…あなたは確かに、人殺しでしょう、しかし」
神は一旦言葉を切り坂井に近寄る
「あなたには転生に見合うだけの功績があります」
「…大型輸送機を見逃したり…ですか?」
生前、坂井は民間人が乗った大型輸送機を、命令を無視して見逃したことがあるのだ。
「その通り、いくら戦争とはいえ罪の無い民間人を、殺していい訳がありません」
「…俺の功績とは、それのことですか?」
神は大きく首を縦にふる
「…わかりました、転生の話お受けします」
これがもし、敵機を60機以上撃墜した功績だったら断るつもりだった。
「では、転生にあたりいくつか願い事があれば、どうぞおっしゃってください」
「まずは、ゼロ戦が欲しい、できればラバウルで共に戦った愛機がいい」
やはり、速いものに対する憧れは捨てられない
「それと、ユーノス・ロードスターも頼む」
「車ですか…何故、ユーノス・ロードスターなんです?」
「戦闘機のように見晴らしがいいからですよ」
少し変わっている
それが、神が坂井に抱いた印象だ。
「あとは…写真が欲しい、白黒の」
「何の写真ですか?」
「笹井中尉
金ちゃん
西沢広義
太田敏夫
高塚寅一
の写真です。
…忘れたくないので」
坂井が望んだ写真は戦死した戦友達の写真だった。
「あとは…いりません、これで全部です」
「…やはり、あなたは変わっている」
多くのものを望まずまた、大いなる力も坂井は必要としなかった。
「それでは、転生しますよ準備はよろしいですか?」
「ひとつ聞きたい、転生先はどんな世界ですか?」
「魔法が存在する世界ですよ」
神がそう言った瞬間
あたりは光に覆われた。
???side
「はぁ~すっかり遅くなった、エイミイに怒られるな」
暗い夜道を彼、クロノ・ハラオウンは車を運転しながら呟く
職業柄なかなか家に帰れないのだが、明日は休み…なので愛する妻がいる自宅へと帰る途中なのだ。
リア充チ○コもげろ!by作者
「…!何か悪寒がしたような、気のせいか」
気にせず車を走らせていると、車のライトが路上に倒れている何かを照らした。
「!危ない!」
ブレーキを踏み車を止める
「大丈夫ですか!?」
運転席から降りて倒れている何かを確認する
「…人?」
路上に倒れていたのは飛行服を着た坂井三郎だった。
本当なら伝説の三提督に見つけてもらう予定だったのですが、予定を変更してクロノに
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