闇サイト殺人:最後の被告、無期確定へ…最高裁、上告棄却
毎日新聞 2012年07月13日 19時39分(最終更新 07月14日 00時58分)
富美子さんは事件後から3人の極刑を求める署名を集め、今月6日現在で33万2608人に達した。「多くの人が3人を許せないと思ってくれた」と、署名を寄せた人たちへの感謝の気持ちを述べた。【沢田勇】
◇解説…死刑選択「被害者数」重視強まる
犯罪のため闇サイトで集まった男3人による殺人事件は、控訴取り下げで自ら死刑を確定させた1人を除く2人の無期懲役が決定した。殺害の被害者が1人の場合、特殊な事情がない限り、事件が残虐であっても極刑を避けようとする司法判断の傾向が背景にある。
「犠牲者1人」の被告の死刑確定は、重大な前科がある場合や、身代金目的誘拐などのケースに限られてきた。今回の事件で1審は「この種の犯罪は凶悪化、巧妙化しやすい。発覚しにくく模倣の恐れも高く、社会の安全に重大な脅威」と闇サイトで生まれた共謀の特殊な事情を厳しくみたが、2審は評価を覆した。小法廷も「動機に酌量の余地はなく極めて残虐で無慈悲」と指弾しつつ、特殊事情を認めなかった。