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2012年7月17日22時52分

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いじめられている君へ

《いじめられている君へ》白石昌則さん

写真:白石昌則さん拡大白石昌則さん

■話せば味方増えますよ

 いじめを受けた経験は、人をやさしくさせます。少なくとも、痛みを知るあなたが誰かをいじめることはないでしょう。もし誰かがいじめられていたら、どんな偉人の名言よりも説得力のある、救いの言葉をかけてあげることができるでしょう。あなたは世の中に必要とされているんです。

 独りで考え込んでいる場合ではございません。ましてや死のうとしている場合では全くございません。

 と言ってはみたものの、いじめられている本人は本当につらいのだし、「いじめを乗り越えればやさしくなれる」と言われても、簡単にはいきませんよね。

 どうでしょう。その悩みを誰かに打ち明けてみては。いじめられることは恥ずかしいことじゃありませんよ。ささいなきっかけで誰にでも起きうるんです。

 あなたが受けたいじめを知れば、世の中のほとんどはあなたの味方をします。話せばどんどん味方は増えます。いじめが解消され、あなたが他の子を助ける側に回ってくれたら、どんなに心強いことでしょう。

 2005年、大学生の相談に私が答える問答集「生協の白石さん」が出版されました。その中に「もういやだ 死にたい」という学生の相談があります。私はこんな回答を載せました。

 「人間は他人の生死に関し、呆(あき)れる程(ほど)、無力で無関心なものです。本人にとっては深刻な問題なのに、何だか悔しいじゃないですか。生き続けて、見返しましょう!」

 これが学生の心にどれだけ響いたか、私には分かりません。あなたなら「死にたい」という学生にどんな回答をしますか。きっと、もっともっと温かい言葉になるような気がします。(「生協の白石さん」著者)

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