林原氏採取の奇形ミヤマ

 
「採って最初メスだと思った。」林原氏談 
たしかに、全体の雰囲気はメスのような丸くコンパクトな印象だ。 
しかし、左右の大顎の長さが違う。 
また、ミヤマ独特の耳状突起が頭部左右に見られ完全なオスの個体だ。 
見た目はメスだが、良く見ると大顎や前胸には完全なオスである特徴が見られる。
 
 このアングルからだと、頭部左右にミヤマのオスに見られる耳状突起があるため、雄雌同体の個体でないことが解る。尚、大顎・頭部ともにケロイド状に表面の荒れが見られる。蛹化・羽化を行なった環境による原因と推察する。 
 
符節2本を最初から失っているが、これは羽化後の長い活動のため喪失したと思われる。
押さえていないと歩きまわり、撮影出来ないほど元気が良い
 
 
 
ようやく落ち着いたようだ。
尚、参考のため下記に採取デ−タを記す。 
 

採集場所:北海道七飯町 
採集日時:98.8.2 
 
 


筆者が飼育している2年1化最後1頭が羽化した。6頭羽化し、5頭が羽化不全。しかも、オスについては先月号で報告したような独特の歯形であった。ミヤマクワガタの歯型の変化や奇形の発生は幼虫の生息環境や蛹室の環境が大きく影響すると思われる。これについてはさらに調査したいと思う。ミヤマクワガタの幼虫掘りに行きたいけど、誰か一緒に行きません?
行ってもいいよという奇特な方はメールをこちらまで。

9月号目次へ