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厚労省が“熱中症対策のポイント”
7月19日 15時26分

猛烈な暑さが続き、熱中症で死亡する人が出るなか、厚生労働省は、これから来月中旬にかけて熱中症への注意が特に必要だとして、熱がこもりやすい集合住宅などでは夜も適切に冷房を使うなど、日常生活でできる対策のポイントをまとめました。

これは、19日に開かれた医師や専門家などで作る熱中症対策についての検討会で決まったものです。
それによりますと、梅雨明けのこの時期は、気温の急速な上昇に体が慣れないため熱中症に最もなりやすく、これから来月中旬にかけては熱中症への注意が特に必要だとして、日常生活でできる対策のポイントをまとめました。
まず、夜間も熱中症になりやすいとして、寝ている間に脱水状態にならないよう水分補給を十分に行ってから寝ることや、熱がこもりやすい集合住宅などでは、外の気温が下がっても室内の温度が30度ほどと高いままのケースもあるとして、夜も適切に冷房を使って室温を28度程度に保つことが重要だとしています。
また、日中の室内の対策としては遮光カーテンを活用したり、使用していない電化製品の電源を切ったりして室温を上げないようにすることや、タンクトップや短パンなど、通気性のよい服を着るよう呼びかけています。
さらに屋外では、皮膚の露出を抑えた服装をして日傘を使うなど直射日光を避けるほか、運動をする時は30分に1度は休憩をとって冷たい水分の補給を行うとともに、気温が31度を超えた場合は激しい運動を控えることが重要だとしています。
厚生労働省はこうした対策について、全国の自治体に通知して住民への周知を求めることにしています。

専門家“夜も熱中症に注意を”

集合住宅や断熱効果の高くない住宅では、外の気温が下がる夜間になっても、天井にたまった熱の影響で室内の温度が下がらないため、専門家は、夜も熱中症に注意するよう呼びかけています。
慶應義塾大学の伊香賀俊治教授のチームは、去年7月、千葉県松戸市の鉄筋コンクリート建ての集合住宅の最上階で、ベランダの外と部屋の中の温度を、熱を感知するカメラで撮影し比較しました。
午前9時に計測すると外の気温は33度で、天井の裏側の温度は32.4度、部屋の温度は28度でした。
夜9時、再び計測すると、外の温度は26度と日中より7度下がっていました。
しかし、天井の裏側の温度は下がらず、逆に1度上がって33点4度。
部屋の中も29.4度と1度以上、上がっていました。
伊香賀教授によりますと、集合住宅では天井の鉄筋コンクリートが熱をため込むため、夜になっても部屋の温度は下がらないということです。
また、おととし、家の中で熱中症になって救急車で運ばれた高齢者のうち、寝室で寝ていたケースが32%に上ったということで、伊香賀教授は、「高齢者は、暑さやのどの渇きを感じにくく、寝ている間に気付かず脱水症状が進む場合も多いので、適切に冷房を使うなどして夜間も油断せずに室内の温度管理に気を配ってほしい」と話しています。

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