No.451667

インフィニット・ストラトス~覇王~

ウィンドさん

ISとバトスピの覇王とクロスした作品です、リリなののキャラも出ますがバトスピのキャラは出ません。

2012-07-12 19:49:43 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:253   閲覧ユーザー数:243

ここはイタリアにあるIS関連で一番大きな会社『テスタロッサ社』のある部屋

 

カタカタ・・・カチカチ・・・

 

キーボードを打つ音とマウスをクリックする音しか聞こえなかった

 

「ん~・・・こうすると((拡張領域|パススロット))の容量が減っちゃうな・・・でもこうした方が扱い易くなるんだけど」

 

 

コンコン

 

 

「どうぞ」

 

ドアが開くとそこには金髪の女性『フェイト・テスタロッサ』が立っていた

 

「ん?如何したのお母さん?」

 

「そろそろ時間だよ、準備出来てる?」

 

「うん・・・」

 

少年の顔はいきなり憂鬱だと言う顔をしていた

 

「どうかしたの?」

 

「いや、ちょっと・・・男一人だと耐えられるかどうか」

 

「あれ?ニュース見てないの?」

 

「ニュース?」

 

近くに有ったリモコンでテレビの電源をオンにする

 

《こんにちわ、ニュースの時間です》

 

《それでは今日の話題は世界初の男性IS操縦者についてです》

 

「あれ、これ僕の事だよね?」

 

そう、少年『ライト・テスタロッサ』は研究中にISを動かしてしまい世界初の男性IS操縦者になったのだ

 

「そうだけど、見て」

 

再びテレビに視線を戻す

 

《イタリアに現れたって子でしょう?だったらもうみんな知ってるんじゃないの?》

 

《そうなんですけど、実は日本にも現れたって言うんですよ》

 

「マジで!やった!僕一人じゃなかったんだ!」

 

「よかったね」

 

「うん、これで心置きなく学園n《名前は確か、織斑一夏君だったね?》・・・はい?」

 

画面をよく観ると一人の少年の顔写真が映し出され、下の方には『織斑一夏』と書かれていた

 

「・・・・・・一夏!!?」

 

こうして少年はIS学園に入学することになった

IS学園、それは日本に設立されたIS操縦者を育てるための学校であり、何処にも所属しない国とも言われている。

 

「みなさん入学おめでとう、私は副担任の山田真耶です」

 

みんな先生の方には見向きもせずにライトと一夏を見ている

 

「えっ、えぇ・・・じゃっ、じゃあ自己紹介をお願いします、出席番号順で・・・織斑君?」

 

一夏の名前を呼ぶが一夏は反応しておらず、呼ばれている事自体にに気付いていなかった

 

「一夏、呼ばれてるよ(小声)」

 

「は、はいっ!」

 

ライトが一夏に声をかけると一夏は慌てて立ち上がった、周りから笑い声が聞こえる

 

「あの、大声出しちゃってごめんなさい、でも『あ』から始まって今『お』の織斑くんなんだよね、自己紹介をしてもらってもいいかな?だめかな?」

 

「あっいえ、そんなに謝らなくても・・・えぇ・・・織斑一夏です、よろしくお願いします」

 

(・・・えっ、あれだけ?)

 

一夏の自己紹介に首をかしげるライト、すると女子たちの視線が一夏の方に向く

 

(やばい、ここで黙ったままだと、暗い奴のレッテルを貼られてしまう!)

 

一夏は呼吸を整えると

 

「以上です!」

 

すると周りの女子たちがこけ始めた

 

「えっ、あれ?ダメでした・・・グゥ!?」

 

突然一夏の姉『織斑千冬』が現れ、一夏の頭を殴った

 

(あれ?千冬さん?)

 

「げっ、千冬姉!?」

 

再び頭を殴られた

 

「学校では織斑先生だ」

 

「先生、もう会議は終わられたんですか?」

 

「ああ、山田君クラスの挨拶を押し付けてすまなかったな」

 

(何で千冬姉がいるんだ、職業不詳で、月に一、ニ回しか家に帰ってこない俺の実の姉が・・・)

 

一夏がそんな事を考えていると、千冬は教壇に立ち

 

「諸君、私が担任の織斑千冬だ、君たち新人を1年で使い物にするのが仕事だ」

 

静まり返った教室が忽ち黄色い声が響き渡った

 

「千冬様、本物の千冬様よ!」

 

「私、お姉さまに憧れてこの学園に来たんです!北九州から!」

 

「私、お姉さまのためなら死ねます!」

 

「毎年よくもこれだけの馬鹿者が集まるものだ、私のクラスだけに集中させているのか?」

 

(うわ~、人気だな千冬さん・・・みんな千冬さんに憧れて来たんだ、あれかな?憧れがそばに有ると伸びやすくなるって事なのかな?みんなやっぱり真剣にISの事を・・・)

 

ライトがそう感心していると

 

「お姉さま!もっと叱って罵ってぇ!」

 

「そして、つけ上がらないように躾をして~!」

 

(・・・前言撤回します)

 

「おい、テスタロッサ」

 

「はっはい!」

 

突然千冬に名前を呼ばれ、少し慌てる

 

「時間がないから、早く自己紹介をしろ」

 

(あれ?順番って出席番号順じゃなかったっけ?まあいいや)

 

ライトは机から立ち上がる

 

「僕はライト・テスタロッサです、皆さんと仲良くやれたらいいなと思っていますので、よろしくお願いします」

 

自己紹介が終わると、「僕っ娘!?可愛い!」という声があちこちから聞こえる

 

「あっ、えっと・・・勘違いされてるみたいですけど、僕は男です」

 

その後教室の空気が凍りついた

 

「あっ、あれ?」

 

「「「「「男の娘キターーーーー!!!」」」」」

 

「カッコイイ織斑君と可愛いライトきゅん!もう私死んでもいい!」

 

(きゅん!?君じゃなくて!?)

 

「お持ち帰りしたい!!」

 

(どこに!?そして持ち帰った後どうする気!?)

 

「・・・」

 

一夏はライトの顔をじーっっと見ている

 

「ライト?お前ライトか!」

 

「って遅っ!今気付いたの!?」

 

「なんだよお前、全然変わってないじゃないか、特に身長が・・・」

 

「そりゃあ、僕は昔から一夏よりちっちゃいし・・・ってちっちゃくないよ!こう見えても150行ったんだからね!」

 

「俺170行ったぞ?」

 

「・・・」

 

ライトは今にも泣きそうな顔をしていた

 

「「「「「グハッ!」」」」」

 

女子達の鼻から赤い液体が溢れだした

 

「かっ、可愛い・・・」

 

「これが萌えという奴なのですか・・・」

 

 

 

 

 

 

それから時は過ぎ、SHRが終わり、休み時間

 

「にしても久しぶりだなライト」

 

「うん、何年ぶりになるんだろう?」

 

「中学になる前だったから・・・丁度三年ぶりになるのかな?」

 

「長いようで短いね、所で鈴は如何してるの?」

 

「あっ、そうかお前知らなかったな?鈴の奴、中二の始めあたりで転校しちまったんだ」

 

「そうなの!・・・ん?」

 

ライトは一夏の後ろを見た、それにつられて一夏も振り向くと『篠ノ之箒』が立っていた

 

「箒?」

 

「ちょっといいか?」

 

「おう、悪いライト、ちょっと行って来るな」

 

「待って、僕も行っていいかな?二人の邪魔ならしないから」

 

「・・・別に構わん」

 

「ありがとう、えっと・・・」

 

「篠ノ之箒だ」

 

「えっと、ライト・テスタロッサです」

 

 

 

 

 

 

 

場所が変わり、今三人は屋上に来ている(ライトは二人より少し離れた場所に居る)

 

(ふ~、危なかった・・・あのまま一人であそこにいたら、僕如何なってたか・・・)

 

「「・・・・・・」」

 

(何も喋らないな、話があったんじゃないのかな?)

 

「六年ぶりに会ったんだ、なんか話があるんだろ?」

 

「うっ、うん・・・」

 

(もしかして篠ノ之さん、一夏の事・・・)

 

「あっそう言えば、剣道の大会、優勝おめでとう」

 

「なっ、何で知ってるんだ!」

 

「何でって、新聞で見たから」

 

「何で新聞なんてみているんだ・・・」

 

「ああそれと、六年ぶりだったけど、箒だってすぐ分かったぜ」

 

「えっ・・・」

 

「ほら、髪型一緒だし」

 

「よっ、よく覚えていたな」

 

「忘れるわけねえよ、幼馴染だからな」

 

「そっ、そうか」

 

キーンーコーン カーンーコーン

 

「そろそろ戻るか」

 

「あっ、ああ・・・」

 

(あっ、終わったのかな?)

 

三人は教室に戻った

現在一夏達はISの基礎を勉強中である、そんな中一夏は・・・

 

(このアクティブなんちゃらとか、広域うんたらとかどう言う意味なんだ、まさか全部覚えないといけないのか・・・)

 

この様に頭を抱えていた

 

「織斑君どうかしました?」

 

真耶が頭を抱えている一夏に話しかける

 

「質問があったら聞いて下さいね?なにせ私は先生ですから」

 

真耶がそう言うと一夏は手を挙げる

 

「先生・・・」

 

「はい、織斑君!」

 

「殆ど全然分かりません・・・(汗)」

 

「ぜっ、全部ですか!?テスタロッサ君は・・・」

 

織斑はライトの方を向く

 

「大丈夫です、一応理解はしてますので」

 

「なっ!お前分かるのか!?」

 

「うん、IS関連の会社で働いてたから」

 

そんなやり取りをしていると千冬が一夏の近くに寄ってきた

 

「織斑、入学前の参考書は読んだか?」

 

「え~、あっ!あの分厚いやつですか?」

 

「そうだ、必読と書いてあっただろ?」

 

「・・・間違えて捨てまs」

 

ドゴッ!

 

一夏のこめかみに千冬の出席簿が放たれた

 

(今の、出席簿じゃ鳴らない音だよね・・・)

 

ライトは心の中でそんなツッコミをしていた

 

「後で再発行してやるから、一週間以内に覚えろ、いいな?」

 

「いや!一週間であの厚さはちょっと・・・」

 

「やれと言っている」

 

「はい、やります・・・」

 

「では、授業を続けますね?テキストの・・・」

 

そうして授業は終わり、現在休み時間

 

「大丈夫一夏?僕で良かったら勉強手伝うよ?」

 

「マジか!それは助かる!」

 

「ちょっとよろしくて?」

 

二人は突然話しかけられる

 

「「んあ?(はい、何ですか?)」」

 

「まぁ!なんですのそのお返事!私に話し掛けられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるのではないかしら?」

 

ブロンドの髪をした少女は一夏に向かって言う

 

「悪いな、君が誰だか知らないし・・・」

 

「私を知らない!セシリア・オルコットを!?」

 

少女は怒りが混じった声を上げる

 

「僕は知ってるよ、セシリア・オルコットさん、イギリスの代表候補生でしょ?」

 

「そう!そして入試主席ですわ!」

 

「あっ、質問いいか?」

 

「ふんっ、下々の者の要求を聞くのも貴族の務めですわ、よろしくてよ!」

 

「・・・・・・代表候補生って、何?」

 

その言葉にライトとセシリアを除くクラスメイト全員がこけた、セシリアに関しては硬直していた

 

「一夏、代表候補生って言うのはその国のIS操縦者を代表する候補生、つまりエリートだね」

 

「そう、エリートですわ!本来なら、私達の様な選ばれた者と同じクラスになる事だけでも奇跡!幸運なのよ、その現実をもう少し理解していただける?」

 

「そうか、そいつはラッキーだな・・・達?」

 

一夏はセシリアが言った『私達』の部分に注目した

 

「あら?ご存知でないのかしら、そちらの方も代表候補生ですわよ?」

 

セシリアはライトを指差す

 

「何!そうなのか!?」

 

「うん、一応イタリアの代表候補生って事になっているけど」

 

二人を話をしているのにも関わらず、セシリアは話を続ける

 

「大体、何も知らないくせによくこの学園に入れましたわね?唯一男でISを操縦ができると聞いていましたが、期待外れですわね」

 

「ライトは兎も角、俺に何かを期待されても困るんだが・・・」

 

「まあでも、私は優秀ですからあなたの様な人間にも優しくしてあげますわよ?分からない事があれば、まあ泣いて頼まれたら教えてあげてもよくってよ?」

 

「別にいい、ライトに教えてもらうからな」

 

「なっ!私は入試で唯一教官を倒したんですよ!」

 

「教官?なら俺も倒したぞ」

 

「僕も倒したよ?」

 

「ハアッ!?」

 

「倒したって言うか、いきなり突っ込んで来たのを躱したら、壁にぶつかって動かなくなったんだけど・・・」

 

「私だけと聞きましたが・・・」

 

セシリアは余りの事に物凄く動揺していた

 

「女子ではってオチじゃないのか?」

 

そこに一夏が止めを刺した

 

「あなた!あなたも教官を倒したというの!」

 

「まっまあ、落ち着けって!」

 

「これが落ち着いていられm・・・」

 

キーンーコーン カーンーコーン

 

「話の続きはまた改めて、よろしいですわね!」

 

そう言ってその場を去った

 

「所でお前はどうやって倒したんだ?」

 

「僕はカウンターをした後、ラッシュを数発で止めに・・・」

 

「まさかアレを使ったのか!?」

 

「えっ、不味かった?」

 

「不味いも何も、お前のそれは・・・あ~、ご愁傷様だ・・・良くて病院、悪くて・・・アーメン」

 

一夏は目の前で十字架を作る

 

(((((一体何なのアレって!)))))

 

「まあいいや、それじゃあなライト」

 

「えっ、一緒に帰らないの?ウチの学校全寮制だよ?」

 

「いや、俺は暫く家からの通学することになってんだ」

 

「あっ、織斑君!その事なんですけど」

 

真耶は一夏に鍵を渡す

 

「織斑君の入学が余りにも突然すぎでしたので、部屋が用意できなかったんですが・・・」

 

「政府からの命令でな、すぐにお前を寮に入れろとな」

 

真耶の言葉に千冬が続く

 

「荷物なら心配するな、私が持って来てやった、着替えと携帯があれば充分だろ?」

 

「あっ、はい・・・」

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで一夏は今、寮の廊下にいた

 

「えっと、1205号室か・・・でも何でライトと違う部屋なんだろうな?」

 

「僕の方がIS動かしたのが早かったから、多分すぐに用意できたんだと思う」

 

「そうか・・・ん?」

 

一夏はドアノブを握って立っていた

 

「如何したの?」

 

「ドアが、開いてる・・・」

 

「・・・一夏、心配しなくても骨は拾ってあげるよ」

 

「俺死ぬの前提なのか!?」

 

「運が悪ければね・・・」

 

「ちっくしょう!こうなったらやってやる!」

 

そう言いながら部屋に入って行った

 

「まっ、何かあったら匿ってあげようかな?1024号室か」

 

ライトも自分の部屋に入った

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、よかった一人部屋だ」

 

ライトの部屋にはベットが一つしか置かれてない為、一人部屋だと言う事が分かる

 

「でも一人だと何だか寂しいな・・・」

 

『うわっ!待て箒、話せば分かる!』

 

『うるさい!』

 

『ぎゃあああ!』

 

「・・・やっぱり一人部屋でいいや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

 

「これより、再来週行われるクラス対抗戦に出場する代表者を決めて思う、クラス代表とは対抗戦だけでなく生徒会の会議や委員会の出席などに参加してもらう、まあクラス長と考えてもらっていい、自薦他薦は問わない、誰か居ないか?」

 

「はい、織斑君を推薦します!」

 

「私はテスタロッサ君を!」

 

「他にはいないか、いないならこの二人から決めるぞ?」

 

「ちょっと待った!俺はそんなy「納得がいきませんわ!」ハッ?」

 

「男がクラス代表なんて言い恥晒しですわ、このセシリア・オルコットにそんな屈辱を1年も私に味わえと言うんですの!大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないだけでも私に耐え難い苦痛で・・・」

 

「イギリスだって大してお国自慢ないんじゃないか?世界一まずい料理で何年覇者だよ」

 

「なっ、おいしい料理は沢山ありますわ!そうですわよねえ!?」

 

ライトの方を向くセシリア

 

(何で僕に振るかな~・・・)

 

「お隣とは行きませんが、ご近所なんですから分かりますよね?」

 

(確かにそうだね~、地図的にはフランスやドイツとかの方が近いけど・・・)

 

「ライト、2年間だけだが日本にいたんだ、イギリスよりいい所あるよな!」

 

(いっ、一夏まで・・・)

 

遂には一夏までライトに話を振り始めた

 

「こうなったら決闘ですわ!」

 

「おう、四の五の言うより分かりやすい!」

 

そして話し合いの結果、一週間後にクラス代表を決めるための戦いをすることになった

 

(ハァ・・・何でこうなったんだろう?)

試合は一週間後に第3アリーナで『織斑一夏&ライト・テスタロッサVSセシリア・オルコット』で行う事になった、ライト自身は二対一に反対をしたが、一夏とセシリアが賛成してしまい今に至る

 

「もう!僕を巻き込まないでよ!」

 

一夏の前に立ち腕を上下にパタパタと振るライト、周りの女子数名は鼻を抑えている

 

「悪かったよ・・・だけど、このままじゃセシリアに負けそうだな」

 

「相手は代表候補生だからね、つい最近ISを動かした男子がとてもじゃないけど・・・」

 

「ライト、俺にISの事を教えてくれないか?IS関連の会社で働いてたんならそれなりに知識はあるだろう?」

 

ライトに助けを求める一夏

 

「ごめんね一夏、教えてあげたいけど僕も人に教えてもらう予定だから」

 

「あれ、お前この学園に知り合いがいたのか?」

 

「大体ああいう話は噂になって学校中に広まるから、知り合いがいたら・・・」

 

ドドドドドドッ!

 

「ん?」

 

「こんな風に・・・」

 

「ライト!」

 

教室のドアの前には青紫色の髪をした少女が立っていた

 

「聞いたよライト!代表候補生の人と戦う事になったんだって!」

 

「うん、成り行きでね」

 

「何でそんな事になっちゃったの!ライトはこんなにちっちゃくて可愛い子なのに、もしかして虐め!」

 

「あのスゥちゃん、さっき聞き捨てならない単語が聞こえたよ?それに違うし・・・」

 

「任せてライト、私がその虐めっ子を懲らしめて・・・痛っ!」

 

少女の頭をオレンジ色の髪をした少女が殴った

 

「痛~い!酷いよティア!」

 

「少し落ち着きなさい、バカスバル」

 

「えっと、誰?」

 

一夏は突然現れた二人の少女に問いかける

 

「織斑一夏君よね?私はティアナ・ランスター、二年三組よ」

 

「私はスバル・ナカジマ!一年五組だよ!」

 

「あっどうも、織斑一夏です」

 

「所で、なんでまたクラス代表を掛けた戦いなんて・・・」

 

二人はこれまでの経緯をティアナ達に話す

 

「成る程、女子達があんた達を代表に推薦したら、イギリスの代表候補生と揉めて決闘する事になった・・・でいいわけ?」

 

二人はコクリと頷く

 

「それでライトは私達に助けを求めたい訳だ」

 

「二人以外に知り合いはいないから・・・」

 

「しょうがないわね、仕方がないから手伝ってあげるわよ」

 

「またまた~、ライトに頼まれて嬉しい癖nへぶっ!」

 

スバルはティアナに殴られた後、首を絞められていた

 

「あんたね・・・余計な事を言ってんじゃないわよ」

 

「ギブギブ!ギブだってティア!」

 

「相変わらず仲良いな二人とも」

 

「どこがだよ・・・」

 

「全く、なんだったら織斑君も一緒に特訓する?一人で練習するよりはいいと思うわよ?」

 

「マジっすか!だったらお言葉に甘え「不要です!」箒?」

 

一夏達が振り向くと仁王立ちした箒が立っていた

 

「一夏には私が教える予定ですので」

 

「あら、ならしょうがないわね、それじゃあ行きましょうアリーナの使用許可を貰いに行かなきゃいけないし」

 

「うん、じゃあ一夏、また後で」

 

「おう・・・箒、本当に教えてくれるのか?」

 

「おっ、お前がどうしてもと言うのなら・・・教えてやってもいいぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

「ハァ、ハァ・・・」

 

「如何いう事だ・・・」

 

ここは剣道場、そこには床に寝転がって息を上がらせている一夏の姿があった

 

「分かんねえ、受験で忙しかったからかな・・・」

 

「中学には何部に所属していた?」

 

「帰宅部だ!三年連続皆勤賞だ!」

 

「・・・鍛え直す!これはIS以前の問題だ!」

 

ここから、一夏の地獄の特訓が始まったのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、今日はここまで」

 

こちらも特訓を終えていた

 

「ライト~疲れたよ~・・・」

 

「スゥちゃん殆ど何もしてないでしょ!」

 

「それより如何するの?」

 

「え?」

 

「試合よ、今はこうやって訓練機でやってるけど、相手は専用機を持ってるのよ?」

 

「そうだよ、訓練機で歯が立たないと思うよ?」

 

今三人が身に纏っているのは、イタリアの訓練機『ガジェットtypeβ』だった

 

「大丈夫だよ、お母さん達が専用機を送ってくれるって」

 

「本当!いつ着くの?」

 

「えっと、早くて三日後、遅くて試合ギリギリ」

 

「なら、機体が着くまでこれで練習ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、同時刻イタリア

 

「よし、あと少しで完成だ・・・」

 

「フェイトちゃん、急いでね?日本時刻で日曜までに届いてないといけないんだって」

 

フェイトの隣には栗色で髪をサイドアップに結んでいる『ナノハ・テスタロッサ』がいた

 

「うん、成るべく急ぐよ」

 

二人の目の前には銀色のISが置かれていた

現在授業中

 

「あぁそう言えば、織斑」

 

「はっはい!」

 

突然千冬に呼ばれ慌てて返事をする一夏

 

「お前のISだが、準備までに時間がかかるそうだから、学園で専用機を用意する事になった」

 

「専用機!一年のこの時期に!?」

 

「つまりそれって、政府からの支援が出るって事?」

 

「凄いな~、私も早く専用機欲しいな~」

 

などとクラスメート達が声を上げている

 

「なあライト、専用機があるってそんなにすごい事なのか?」

 

「そうだね、専用機は全部で467機しかなくて、代表候補生の人でも持ってない人がいるから、それを持ってるって事はかなり凄い事だと思うよ」

 

すると隣の席の女子が話しかけてきた

 

「付け加えるなら、ISのコアは篠ノ之束博士しか作れないの」

 

(篠ノ之?それって箒の・・・)

 

一夏は箒を見るが、箒は窓の外を見つめていた

 

「だから国家や企業、組織機関では割り振られたコアしか使えないから、開発訓練をしなきゃいけない状況なの」

 

「多分、一夏の場合はデータ収集を目的として用意されるんだと思う」

 

「成る程な・・・あれ?俺は兎も角、ライトのはないのか?」

 

「テスタロッサは、母親から直々に用意されるそうだ」

 

周りはそうなんだ、という顔をしている

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから五日経ち、遂にクラス代表決定戦の日がやってきた

 

一夏達は、第3アリーナのピットに来ていた

 

「なあ、箒・・・」

 

「何だ?」

 

「ISの事を教えてくれるって話だったよな?」

 

「・・・・・・」

 

「目を逸らすな!」

 

「それで?結局、剣道の練習しかしなかった訳?」

 

箒はティアナに痛い所を突かれたのか黙りこんでいる

 

「しっ、仕方がないだろう、お前のISはまだ届いていないのだからな」

 

「それでも、知識とか基本的な事があるだろう?」

 

「・・・・・・」

 

「だから目を逸らすな!」

 

「結局、ライトのISも届かなかったね」

 

「さっきお母さん達に確認したら、今朝送ったって」

 

「随分と、ギリギリね・・・」

 

『織斑君!テスタロッサ君!二人とも聞こえますか!?来ましたよ、二人の専用機が!』

 

するとピットの扉が開き、二機の白が現れた

 

『織斑君の専用IS『白式』とテスタロッサ君の専用IS『覇王』です』

 

「白式・・・」

 

「覇王・・・」

 

「早く装着しろ、アリーナの使用時間は限られているんだ、初期化フォーマットと適正化フィッティングは実戦でやれ」

 

千冬に言われ、急いでISを装着する

 

[[ACCESS]]

 

「よし、それでは行って来い」

 

「箒、行ってきます」

 

「ああ、勝って来い」

 

「頑張ってねライト!」

 

「特訓でやった事を思い出してやるのよ」

 

「うん、それじゃあ行くよ!」

 

そう言って二人はアリーナへと出て行った

 

 

 

 

 

 

 

アリーナへ出ると、セシリアは自分の専用機『((蒼雫|ブルー・ティアーズ))』を装着していた

 

「チャンスを上げますわ」

 

「チャンスって?」

 

「私が一方的な勝利を得るのは自明の理、今ここで謝ると言うのなら許してあげないことも無くってよ?」

 

<警告:敵IS操縦者が射撃モードに移行 セーフティロックの解除を確認>

 

モニターに表示された文字を見て、ライトは一夏の方を向く

 

「一夏・・・」

 

「ああ・・・そう言うのはチャンスとは言わないな!」

 

「そう、それなら・・・・」

 

<警告:敵IS射撃体勢に移行>

 

「お別れですわね!!!」

 

セシリアの装備『スターライトmk-Ⅱ』の弾丸が放たれた、セシリアは一方的に一夏を狙っている

 

「素手じゃ埒が明かない、何か装備は・・・」

 

一科は白式の装備を探すが、接近型ブレードしか見当たらなかった

 

「これだけか!?くっ、素手よりマシか!」

 

一夏はブレードを展開し、セシリアの下に向かった

                 

(一夏の武器はあれだけ・・・いや、((僕達の武器|・・・・・))はだね)

 

ライトは覇王の装備を探しているが、モニターにはエラーの文字しか出なかった

 

「装備がないなんて聞いてないよ、素手でやれって言ってるようなもんだよこれ・・・ってうわ!?」

 

突然ライトの方に弾丸が飛んできたと思ったら、ブルー・ティアーズの一部が外れ、浮遊していた

 

「何をしていますの、あなたの勝負でもありましてよ!」

 

(正確に言えば、二人の巻き沿いを食らったんだけどね・・・)

 

「ライト、無事か!」

 

「うん、何とかね・・・それにしてもあれ、オールレンジでの攻撃が可能な上に遠距離型のIS、明らかに一対複数向けの機体だね」

 

「複数側のこっちは不利ってか・・・しょうがない、ライト、アレ使ってもいいぞ」

 

「あれ使っちゃダメって言ってなかった?」

 

「今回はいいんだよ、俺が注意を引き付けてるうちに頼むぞ」

 

「ハァ、分かったよ・・・」

 

ライトがそう言うと一夏はセシリアに突っ込んで行った、ライトは何やら構えを取っている

 

 

 

 

 

 

「ねえティア、ライトのあれってもしかして・・・」

 

先程から構えているライトを見てスバルはティアナに話しかける

 

「出すんでしょうね、帝王一閃脚を」

 

「帝王一閃脚?」

 

「ライトの禁断の必殺技と言っても過言ではありません、アレを使うと、良くて病院行きですね」

 

「えっ!じゃあ今直ぐ止めないと危ないじゃないですか!」

 

「危ないだろうね、オルコットさんが・・・」

 

 

 

 

 

「もう一人は戦意喪失ですか?ならそろそろ終幕フィナーレと参りましょう!」

 

セシリアはビットを一斉に一夏に向かって放つ

 

「よし、今だライト!」

 

「了解!」

 

ライトはセシリア目掛けて突撃して行ったが、セシリアは驚く素振りをするどころか不敵な笑みを浮かべていた

 

「掛かりましたわね、私の武器はブルー・ティアーズだけではありませんわよ!」

 

セシリアはブルー・ティアーズからミサイル型のビットを放った

 

「しまった!」

 

一夏とライトはそれぞれのビットに直撃してしまった

 

「一夏!」

 

「ライト!」

 

「ふっ、機体に救われたな、馬鹿者が」

 

 

 

 

 

 

 

煙が晴れて行くと、そこにはさっきまでとは別のISを装着した一夏が立っていた、セシリアもこの事には驚きを隠せない様だ

 

「まさか、一次形態移行ファーストシフト・・・貴方達、今まで初期設定の機体で戦っていたと言うの!?」

 

「そう言えば、ライトは!」

 

一夏がライトの方を向くと未だに煙は張れておらず、それどころか徐々に緑色の光を放ち始めた

 

「なっ、何ですの!?」

 

「駆け抜けろ嵐、轟け疾風!風の覇王ドルクス・ウシワカ、バーストアップ!」

 

ライトの叫び声と共に、煙は吹き飛ばされ、ライトは緑と白でカラーリングされた牛若丸の姿をしたISを身に纏っていた

「あれ、ここは・・・」

 

ライトは周りが白い空間の中に立っていた、何故かISが解除され、ISスーツだけを身に纏った状態だった

 

「確か僕、オルコットさんの攻撃を受けて・・・うわっ!」

 

ライトの目の前が緑色に輝きだし、光が収まるとそこに白と緑の体をした鳥?が立っていた

 

(鳥?いや、違う・・・虫?)

 

鳥?は大きな翼を持っており、姿からして鳥に見えるが、翼の中には昆虫などにみられる羽があるため虫にも見える

 

『お前は、力が欲しいか?』

 

「えっ?」

 

頭の中に声が響いた

 

『力が欲しいか?』

 

「・・・はい、欲しいです」

 

『力に溺れ、他人を傷付けるかもしれんぞ?』

 

「確かにそうだけど、僕はそんな力は要りません・・・僕は、友達を守る力が欲しいです」

 

『ほう、何故だ?』

 

鳥?はライトを試すかのように問い掛ける

 

「僕はいつも、みんなに守られてばかりでした、だから・・・もう守られるのは嫌なんです、今度は僕がみんなを守るんです!」

 

『・・・フッ、気にいったぞ、我は『風の覇王 ドルクス・ウシワカ』だ』

 

「ドルクス・・・ウシワカ?」

 

『さあ、我が名を叫べ!我が風を、その身に纏え!』

 

「何だかよく分からないけど・・・叫ぶんだったら決め台詞があったらいいよね」

 

ライトはそんな事を考えていると、頭の中に言葉が出てきた

 

「駆け抜けろ嵐、轟け疾風!風の覇王ドルクス・ウシワカ、バーストアップ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが、ウシワカの姿・・・」

 

「ライト、無事か?」

 

ライトの所に一夏がやってきた

 

「うん、大丈夫だよ一夏・・・ん?」

 

〈ウシワカ・ウィング 使用可能〉

 

「ウシワカ・ウィング?これって、この浮いてる・・・」

 

ライトは背中に浮いている翼を見ると、翼が腕に装着された

 

(えっ、これが武器?)

 

一夏は手に持っているブレードを見た

 

〈雪片弐型 使用可能〉

 

「雪片弐型?」

 

「雪片って、千冬さんが使ってた武器だよね?」

 

「そう言えば・・・ハハッ、俺は世界で最高の姉さんを持ったよ」

 

一夏は雪片弐型を展開した

 

「でもそろそろ、守られるだけの関係は終わりにしないとな、これからは俺も・・・いや」

 

一夏はライトの方を向くと、ライトは笑顔で返した

 

「「俺(僕)達も、俺(僕)達の家族を守る」」

 

「ハァ?あなた達何を言って・・・」

 

「取り敢えずは千冬姉の名は守るさ、弟が不出来じゃ、格好がつかないからな」

 

「じゃあ僕は、そろそろスゥちゃん達を頼るのはやめにしようかな?いつまでも甘えてられないしね」

 

「だから何を言って・・・もう面倒ですわ!」

 

セシリアは二人にミサイルを放った

 

〈神速 使用〉

 

そうモニターに出るとライトの姿が消え、それと同時にミサイルが真っ二つになり爆発した

 

「なっ!?」

 

「決めろ一夏!」

 

「うおおおおおおおおおお!!!」

 

一夏がセシリアに向かって突っ込んで行った、これで勝てると思ったその時、突然ブザーが鳴りだした

 

『試合終了、勝者 セシリア・オルコット』

 

「えっ!?」

 

「はい!?」

 

セシリアや客席で観ていたクラスメイト達も、その場にいた者の殆どは訳が分からないと言う顔をしていた

 

 

 

 

 

 

そしてピットに戻っていた

 

「ライト、さっき言ってた事本当!?別にもっと甘えていいんだよ!ねえティア!」

 

「落ち着きなさいよアンタ、まあ確かに・・・甘えて貰えなくなるのはちょっと・・・///」

 

(最後の方が聞こえなかったな・・・)

 

「て言うか、俺達、何で負けたんだ?」

 

一夏は未だに自分達が負けた理由が分からないらしい

 

「バリア無効化攻撃を使ったからだ」

 

「バリア無効化?」

 

「確か、ISの絶対防御を強制的に発動させるって言う・・・」

 

「そうだ、雪片の特殊能力だ、これは自分のシールドエネルギーをも攻撃に添加する能力だ、私が第一回モンド・グロッソで優勝できたのも、これのおかげだ」

 

「そうか、それで白式の・・・あれ?俺はともかく、ライトのシールドエネルギーは如何なんだ?」

 

ライトはセシリアの攻撃を全く受けていなかった、つまり一夏よりシールドエネルギーがあるはずだ

 

「この戦いは、お前等二人のどちらかのシールドエネルギーが尽きた瞬間に終了というルールだ」

 

「つまり、織斑君のシールドエネルギーがゼロになったので、セシリアさんの勝ちって事なんです」

 

「二人で戦うんだもんね、それくらいのハンデはね」

 

「マジですか・・・」

 

そしてその後、一夏は真耶にISの参考書を渡され、あまりの厚さに溜め息を吐いた

 

 

 

 

 

 

その日の夜

 

セシリアはベットに潜っていた

 

(何故、こんな気持ちになるのかしら・・・勝ったのは私なのに・・・)

 

セシリアは今日の試合の事を思い出していた

 

(あの強くて、迷いのないあの瞳・・・織斑一夏・・・)

雨が降り注ぐ夜、そこに傘を差さずに病院できるような服を着た少年が立っていた

 

「・・・・・・」

 

少年は雨宿りが出来そうな場所にも行こうともせずただ佇んでいるだけだった、暫くすると少年の目には涙が浮かび上がった

 

「グスッ、うぅ・・・」

 

「如何したの?」

 

少年が泣いていると、少年の目の前に高校生ぐらいの少女が立ち止り、少年と自分に雨がかからないように傘を持ってきた

 

「如何して泣いてるの?」

 

少年は何も喋らず黙り込んでいると、少女はしゃがみ込み少年に微笑んだ

 

「こんな所にいたら風邪引いちゃうから、家においで」

 

 

 

ライトは目を覚まし体をゆっくりと起こした

 

「・・・懐かしい夢だったな」

 

 

 

 

 

 

 

 

一組の生徒達全員はアリーナのグラウンドに来ていた

 

「ではこれより、ISの基本的な飛行操縦を実践してもらう、織斑、テスタロッサ、オルコット試しに飛んでみろ」

 

「はい」

 

「分かりましたわ」

 

ライトとセシリアは返事をするとISを展開した、するとクラスメイト達や千冬達もライトの方を見た

 

「ん?どうかしました?」

 

ライトは視線を向けられているのに気付き、千冬に問いかける

 

「テスタロッサ、何故ISが初期化に戻っている?」

 

「初期化?・・・え!?」

 

ライトは自分の体を見下ろすと確かにISは初期化の状態、つまりクラス代表決定戦の時に届いたままの姿になっていた

 

「えっ、何で!」

 

「如何なってんだ、ライトのISは確かに一次形態移行したはずだぜ!」

 

一夏ISを展開してライトに近づいた、何時展開したのだろう?

 

「あの時の緑の姿ではないんですの?」

 

「うん、ウシワカの力は一回限りなのかな?」

 

「確かお前、あの時何か叫んでいなかったか?」

 

「そう言えば、駆け抜けろ何とかって叫んでたな」

 

クラスメイト達はあの時の事を思い出しながら話だした

 

「テスタロッサ、試しに叫んでみろ」

 

「はい」

 

ライトは緑の着物を着て、五条橋の上に立ち横笛を吹いていた

 

「駆け抜けろ嵐、轟け疾風!風の覇王ドルクス・ウシワカ、バーストアップ!」

 

ライトがいた場所には緑の竜巻が巻き起こり、風が消えると中からウシワカの姿をしたライトが地上に降り立った

 

「・・・叫ばないとダメなのかな?」

 

「叫ばないと力を発揮しないISか・・・まあいい、授業を続けるぞ?それじゃあ飛べ!」

 

一夏達は空へと飛び立った

 

『何をしている織斑、スペック上の出力では今の覇王は兎も角、白式の方が上だぞ』

 

「そう言われてもな、自分の前方に角錐を展開させるイメージだっけ?よく分かんねんだよな」

 

「イメージは所詮イメージ、自分がやり易い方法を模索する方がよろしいですわよ?」

 

「そう言われてもな、にしてもライトのIS速いな」

 

一夏とセシリアは前方にいるライトを見る

 

「ええ、私も先程から出力を上げてるんですが追いつけなくて」

 

「そりゃそうだよ」

 

二人が話している所にライトが下がってきた

 

「さっき調べてみたら、どうやらウシワカはスピード型みたいだね、特殊能力に神速があるし」

 

「ていうか、空を飛ぶ感覚自体がまだあやふやなんだよ、何で浮いていられるんだこれ」

 

「教えてあげてもいいけど、長くなるよ?反重力力翼にその他諸々」

 

「うぅ、やっぱりいいや・・・」

 

『お前達!何時までそこにいる!早く下りて来い!』

 

三人が下を見ると、真耶のインカムを持った箒がいた、隣では真耶がオロオロとしている

 

「スゲェな、こんなに離れてるのに箒のまつ毛まで見えるぞ」

 

「ISは元々、宇宙での活動のために作られたものですから、この位は余裕で見えますわよ?」

 

『三人共、急降下と急停止をやってみせろ』

 

「分かりましたわ、ではお先に」

 

セシリアは急降下し、地表から十センチの所で急停止した

 

「流石代表候補生だね、じゃあ次僕が行くね」

 

「おう」

 

ライトは一夏に確認を取ると、急降下して行った

 

「・・・・・・いいっ!」

 

ライトはいきなり急停止してしまった、地表から大体二十センチの所に止まった

 

「おい、何をしているテスタロッサ」

 

千冬がライトの方に歩み寄る

 

「すいません、あのまま行ったら地面に激突していたかもしれなくて・・・」

 

「スピード型だからか、まあいい、慣れる様にしておけよ?あの馬鹿みたいにならない様にな」

 

「はい・・・えっ?」

 

ライトが首を傾げると、突然背後から凄まじい衝撃音が聞こえた

 

「えっ何!?」

 

素早く後ろを振り向くと、そこには大きなクレーターが出来ており、その中心には一夏がいた

 

「馬鹿者、グランドに穴を開けるどうする!」

 

(こうなってたのかな?あのまま行ってたら・・・)

 

「大丈夫ですか一夏『さん』!お怪我はなくて?」

 

「ああ、大丈夫だ・・・って一夏さん!?」

 

一夏はセシリアが自分に対しての呼び方に驚いた

 

「それは良かったですわ、でも念のために保健室に行った方がよろしいですわね、良ければ私が!」

 

(もしかしてセシリアさんも、一夏の毒牙に・・・)

 

その中に箒が入り込み、二人が睨みあっている形になっていた

 

(一夏のあの顔、絶対『この二人、なんでこんなに仲が悪いんだ』って顔だな・・・君の性で仲が悪いんだよ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「織斑君!クラス代表就任おめでとう!」」」」」

 

クラスメート達が一夏を囲んでパーティーを開いていた

 

「何で俺がクラス代表なんだ?」

 

「それは私が辞退したからですわ」

 

「だからって何で俺なんだよ、ライトがいるだろ?」

 

一夏はライトの方に顔を向ける

 

「へぇ~、そんな事言うんだ?僕はただ二人の戦いに巻き込まれただけなのに~?それでセシリアさんが辞退したから僕が代表?それってなんか可笑しくな~い?」

 

ライトは目のハイライトを消しながら一夏を睨んだ

 

「そっそうだな、じゃあ俺がやるよ!」

 

「分かればよろしい」

 

パシャ

 

「「ん?」」

 

「はいはーい、新聞部の黛薫子でーす、あっセシリアちゃんも写真いいかな?」

 

「えっ、ふtオホン・・・三人でですか?」

 

(今明らかに僕をカウントしてなかったね・・・)

 

「注目の専用機持ちだからね、あっ三人で握手してるのもいいかもね」

 

そう言って薫子は一夏達の手を重ねる

 

「それじゃあ行くよ~、35×51÷24は~「74.375」は~い、テスタロッサ君せいか~い・・・って早!?」

 

「お前相変わらず計算得意だな」

 

「お母さん達が理系だからね~」

 

「さて、気を取り直して・・・撮るよ~」

 

パシャ

 

シャッターが切られると、そこには箒を含む他の女子達も写っていた

 

「何故全員写っていますの!」

 

「セシリアだけ抜け駆けはずるいよね~」

 

「アハハ・・・」

一夏は苦笑いを浮かべた

 

 

 

 

 

その同時刻、IS学園ゲート前

 

「ここがIS学園・・・やっと会えるね、ライト、一夏」

イタリア

 

「ISが変?」

 

『うん、第一次移行したのに展開しても初期化だし、それに詠唱みたいなのを叫ばないと力を発揮しないんだ』

 

ライトはナノハ達と通信で話していた

 

「何でだろう、フェイトちゃん何かした?」

 

「私はちゃんと作ったよ」

 

『ホントかな~、お母さんの事だから『折角ライトが乗るんだから、ああやったりこうやったり』とか言ってやってそうだもん』

 

ライトから目を逸らすフェイトとそれをジト目で見るナノハ

 

「フェイトちゃん、してたよね?」

 

「でっ、でも!本当にやってないよ!拡張領域を少し広げて色んな装備を入れたり、武装をカッコよくしただけだよ!」

 

『してたんだ・・・』

 

「にゃはは、所でさっき言ってた詠唱みたいなのって?」

 

『えっと・・・駆け抜けろ嵐、轟け疾風!風の覇王ドルクス・ウシワカ、バーストアップだよ』

 

「風の覇王?」

 

「聞いたこと無いね」

 

『二人も知らないんだ・・・あっ、もうすぐ授業始まるから切るね?』

 

そう言ってライトは通信を切った

 

「う~ん、なんか気になるな~・・・フェイトちゃん、私達の方でも調べてみよう」

 

「うん、そうだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ライト、どこ行ってたんだ?」

 

「お母さんに通信、覇王の事を聞いてみたんだけど・・・収穫は無かったよ」

 

「そうか、それよりも聞いたか?何でも2組に転校生が来るんだってよ」

 

一夏は先程クラスメイトと話していた話題をライトに持ち掛けた

 

「転校生、一年のこの時期に?」

 

「ああ、なんでも中国からみたいだぜ」

 

「中国か・・・」

 

二人が話している所に女子が割って入ってきた

 

「そんな事よりも!織斑君にはクラス対抗を頑張ってもらわきゃ!」

 

「そうだよ!織斑君が勝ったら、みんなが幸せなんだから!」

 

「みんな凄いやる気だね、優勝したら何かあるn「食堂のデザート半年間フリーパスのためにも」絶対に勝ってよ一夏!」

 

ライトは一夏に勢いよく顔を近づけた

 

「おっおう・・・」

 

「大丈夫だよテスタロッサ君、今の所専用機を持ってるのウチと3組だけだから」

 

「その情報古いよ!」

 

全員が声の下方向を向くと、肩を露出したIS学園の制服を着た茶髪でツインテールの少女が立っていた

 

「2組も専用気持ちがクラス代表になったの、そう簡単には勝たせないから!」

 

「鈴!鈴なの!?」

 

「そうよ、中国代表候補生の凰鈴音!今日は宣戦布告に来たって訳よ、それと久しぶりね一夏、ライト」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食堂

 

「何時こっちに帰ってきたんだ?」

 

「何で代表候補生になってるの!」

 

「質問多すぎよ?」

 

一夏達は食堂で昼食を取りながら話をしていた

 

「帰って来たのは昨日で代表候補生は向こう行って暇だったからよ」

 

「暇だから代表候補生になるって、相変わらず鈴は凄いよね」

 

「そうかしら?でもニュース見て驚いたわ、あんた達が映ってるんだもん」

 

「まあ、色々あってな」

 

「入試の時にISを動かしたって聞いたわよ、なんでそんな事になったのよ?あっ、ライトは確かお母さんの手伝いをしててでしょ?」

 

「よく知ってるね、正確に言えばお母さんがISを作ってる所を横で見てて興味本位で触ってみたんだ」

 

「そしたら動いた訳か、俺は試験の会場が多目的ホールで道に迷っちまって、IS学園の入学試験の部屋に入っちゃって、色々あってこの学園に通う事になったんだ」

 

「ふ~ん、不思議な事もあるのね」

 

バンッ

 

箒とセシリアが机を叩いた

 

「一夏!そろそろ説明してもらうぞ!」

 

「そうですわ一夏さん、まさかこちらの方とつっ付き合っていらっしゃるの!?」

 

「ハァ?私と一夏が?私と一夏はただの幼馴染よ」

 

「幼馴染?」

 

「ああそっか、お前とは入れ違いで転校してきたからな・・・鈴、こいつは篠ノ之箒、前に話しただろ?俺が通ってた剣道場の娘さんで俺のファースト幼馴染だ」

 

「ファースト・・・///」

 

「あっ居た!ライト~!」

 

スバルが手を大きく振りながらライトの下に来た

 

「如何したのスゥちゃん、あれティアは?」

 

「ティアは今日用事があって来れないって・・・あれ、もしかしてその子が鈴ちゃん?」

 

「何で私の名前を?」

 

「だってライトに写真で見せてもらってたし、いつも嬉しそうにはn「わああああ!わああああ!何言ってんのスゥちゃん!///」いいじゃん減るもんでもないんだしさ」

 

「・・・」

 

「如何した鈴?」

 

「何でも無いわ・・・ねぇ一夏、あの二人・・・」

 

鈴はライトとスバルを指差す

 

「ん?ああ、あいつはライトがイタリアにいた頃の知り合いなんだよ」

 

「ふ~ん・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃ティアナはIS学園の図書室に来ていた

 

「・・・これでも無い・・・駄目だわ、どの本にも載ってないわ」

 

ティアナの側には数冊の本が積み重ねられていた

 

「ライトが使ってたISのあの姿・・・ウシワカだったかしら?何も手掛かりが無いわね・・・」

 

ティアナは読み終えた本を棚に片づけていった、だがティアナはまだ一冊だけ読んでいない本を見落としていた、その本には『覇王英雄記』と書かれていた

武道場

 

「・・・・・・」

 

ライトは武道場にある格闘技場の中央で目を閉じて立っていた

 

「すぅ~~、はぁ~・・・フッ!」

 

ライトは構えを取るとライトの周辺に風が起き、ライトはサンドバックに強烈な蹴りを打ちみサンドバックに背を向ける形になった

 

「帝王一閃脚」

 

ライトがそう呟くと吊るしていた鎖が砕け、サンドバックが吹き飛んだ

 

「アンタ相変わらず凄いわね」

 

「鈴!如何したの!」

 

不意に声をかけられ振り向くと、そこにはタオルと水筒を持った鈴が立っていた

 

「部屋に行ってもアンタが居なかったからここに来たの、はいこれ」

 

「ありがと」

 

鈴は持っていたタオルをライトに渡した

 

「それにしても、そんな小さい体でよくあんな威力が出せるわね?」

 

「小さいは余計!まあ((帝王流派|インぺル・アーツ))はそういう特徴だからね」

 

「何、そのなんちゃらアーツって」

 

「インぺル・アーツ、昔イタリアの皇帝が使っていたと言われている流派でね、ただ力任せの一撃じゃなくてもあんな威力が出せるんだよ、そしてインぺル・アーツは足技が極められた流派でね・・・」

 

そこからライトの話が始まりだした、途中で自分がやっている格闘技、ストライク・アーツの誕生の歴史など語ったりなど、色々と話が脱線していた

 

「もっもう良いわ、充分分かったから・・・ライトは、よくここで練習してるの?」

 

「うん、ここ武道系の部活が剣道しかないみたいだから使わせてもらってるんだ」

 

「ふぅん・・・じゃあ、今度から見に来てもいいかな?」

 

「え?別にいいけど・・・」

 

「本当!(やった、これでこの事を口実にライトに会う事が出来る!///)」

 

(鈴、顔が赤いけど如何したんだろう?)

 

 

 

 

 

 

 

「さてと一夏、もう一度言ってもらえないかな?」

 

ライトは背中に黒いオーラを出しながら一夏に正座をさせていた、周りの女子達はあまりの恐怖に震えており、箒ですら震えていた

 

「えっと、その・・・白式が直るまで、クラス対抗に出てください」

 

何故この状況になっているのかと言うと、昨日一夏は箒とセシリアからISの特訓を受けていた

 

 

「だらしないぞ一夏、この程度で男が音を上げるなど・・・」

 

「そうですわ、これではクラス対抗で勝つ事なんて不可能ですわ!」

 

「二対一でオールレンジからの攻撃を避けながら接近戦で戦うのは無理があるだろ・・・」

 

「何を言うか、貴様がそんなだから私がこうやって・・・ん、なんだこの臭いは?」

 

「何かが焦げてる様n「熱いいいいいい!!?」一夏さん!?」

 

突然一夏の叫び声が聞こえると一夏が腕を抑えながらその場で転がりまわっていた

 

 

 

 

「成る程、つまり白式に無駄をさせ過ぎたから熱暴走を起こして故障、おまけに外装も傷だらけであちこち破損してる部分もあるから、今は学園が修復作業を行っているけど、治るのはクラス対抗当日って事だね?」

 

「そっそうなんだよ!ギリギリでいつ治るか分かんないから、それまでお前に出てもらおうと・・・」

 

「そう言う事なら別にいいけど、二対一の特訓で息を上げるって・・・」

 

「なんだよ!そこまで言うならやってm「三対一でのロングレンジからの無数砲撃、それを避けながら剣やハンマーによる接近戦を12歳の時に経験したことがある」すいませんでした」

 

「でも、僕は白式が直るまでの代理、白式が直って戻り次第一夏に変わるよ?」

 

「ああ!それで良い!」

 

「と言う訳だから篠ノ之さん、オルコットさん「箒でいい」「私もセシリアで構いませんわ」じゃあ箒とセシリア、一夏の事ちゃんと鍛えておいてね?勿論一夏は生身で」

 

「ちょっと待った!何で笑顔でさらっと怖い事言ってんだよ!」

 

こうして一夏に死亡フラグが立ったのでした


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