ホーム > インターネット知事室 > 知事の会見録 > 知事定例記者会見(2012年7月17日)
平成24年7月17日
(県政記者クラブ主催)
[京都新聞]
2点お伺いしたいのですけど、節電から昨日で2週間ということで、これまでの状況、県民の節電対策を、どういうふうにご覧になっているかということと、これからいよいよ暑い時期を迎えるが、改めて県民への協力をどのように呼びかけていくのか、さらに乗り切れるのかどうか、どういうふうに見通しをお持ちかどうかを改めてお聞きしたい。
それと、2点目ですけれども、この前の議会で、丹生ダムについて自民党の方から意見書の動きもありましたけれども、基本的なことですけれども、水力発電の目的を改めて付加しようという事だったと思いますけど、その点について、知事はどのようにお考えか、お聞かせ下さい。
まず一点目の節電ですけど、7月2日から15%、また三号機がフル稼働して7月10日からは10%ということで、県民の皆様に節電の努力をしていただいておりますことを改めて感謝申し上げます。ありがとうございます。
結果的に見ますと、去年と比べて、まぁその日の気温にもよるんですけれども、19%から9%位の節電ができているということです。特に気温の低い日は節電率は高くなるわけですけれども、去年より気温の高い日でも9%下がっているというデータがございますので、これなどはかなり節電効果は出ているんだと思います。
ただ、関西電力さんの方が、その辺の分析データを出していただいておりません。この後は、できるだけマメに関西電力さんも分析をしていただいて、そして、節電効果が出るような、効率的な形での情報提供をお願いしたいと思っております。
電気予報については、今結果として、今日辺りでもこれだけ暑い日ですから、心配をしたんですが、まぁ9割いかない、88%とかいう数字が出ています。電気予報を見ながら、県民の皆さんには熱中症に注意をして、無理のない節電をお願いしたいと思っております。
見通しとしては、この後一番怖い週が7月23日からの週です。夏休みに入ります。そして、梅雨明けで気温も高くなると思いますので、23日の週、それから8月に入ってロンドンオリンピックがヒートアップしてくる、ここも怖い週かなと。あとはお盆明けの甲子園がどうなるかということで、夏休みの直後、それとロンドンオリンピック、甲子園、この辺りはですね是非とも電気予報を見ながら、また、大変危ないときには、県も「しらしがメール」などで直接県民の皆さんにもお知らせさせていただきますし、何よりマスコミの皆様が「95%越えました。」とか、あるいは「97%越えました。」ということで警報も出していただける思います。どうにか絶対に計画停電にならないように、この夏、皆の力で乗り切らせていただきたいと思っております。
それから、議会の方で丹生ダムの意見書を出していただいた自民党さんの方から緊急に取り下げということになりました。取り下げの理由は、伺うところによりますと、丹生ダムは利水ダムなので、水を1億5千万トン貯めると。「その貯めた水を水力発電に使ったら」という御提案だったと思います。それに対して実は平成21年の3月に淀川水系河川整備計画が決まりまして、そこから丹生ダムの治水ダムとしての可能性はまだ残されております。これはダム議論の中に入っておりますけれども、利水は撤退ということは、明らかに整備計画で決め、そしてその後、利水の基になるフルプランというものがあります。そのフルプランの中からも利水は撤退しておりますので、利水ダムではないというのを事実として押さえていただき、そして事実が違うからということで、撤回をなさったということです。
その一連の動きについて、私は外から見るだけですので、撤回なさって、そして九月に改めて出し直しをなさるということです。もちろん今、この時代に水力発電というのは大変期待をされる訳ですけども、水力発電の中でマイクロ発電といわれる小水力、あるいは中水力ですね、100kw位まで。ここは今回の買取制度に載りますけれども、それ以上の大きいものは事業化しないといけないんです。買取制度に載らないんです。そうすると事業化というのは、関西電力さん、あるいは新しい企業が、その丹生ダムのところに万一できたとしても、入り込むのか、企業として経営的に成り立つのかということを考えないといけないと思います。
実は、水力発電のパワーというのは、ダムに貯めるかどうかより、それではなくて、落差と水量を掛けるところで決まってくるんです。ですから別にダムに貯めなくても、今流れている川の中で少し堰を造って、そして下流に流したら、水力発電の潜在的パワーは発揮できます。明治の既に23年に日本の最初の水力発電が琵琶湖疏水ですけれども、その後も明治44年には、例えば大戸川では大鳥居の水力発電所、あるいは大正3年にも大戸川発電所ということで、水を流したまま、一部堰き止めをして、そして川に平行してパイプで水を流して水力発電のモーターを回すというようなことは、既に県内で沢山なされております。今一番大きいのが姉川でしょうか。姉川の伊吹のところに、伊吹発電所というのがあります。それから安曇川にもあります。ですから水力発電が必要だったら、わざわざダムを造らなくても、今ある河川に堰を造って、パイプを造ったら発電効果は出ます。
県の担当が試算をしたところ、丹生ダムの発電の潜在力は姉川ほどではなくて、数千キロワットだろうと。ですから大戸川で大鳥居と大戸川発電所でやっているのと、それくらいの発電潜在力しかありません。そこにビジネスとして入ってくるのかどうか、そういうところもチェックしてもらいながら、意見書は出していただくのが望ましいのかなと思います。
ただ、意見は自由に言える時代ですから、より具体性のある意見書を出していただくことが必要ではないでしょうか。
少し、くどくどと技術的に長くなりましたけれども、水力発電という名前の中にも、潜在的なパワー、それからそれを受け止める全量買い取り制度、それから事業としてやらなければいけないその辺りの基礎的な知識を持っていただく必要があると思っております。
[中日新聞]
政府が将来の発電量に占める原発比率ということについて、先日3回目が名古屋で行われましたけれども、この議論自体を知事はどう捉えていらっしゃるのかなというところをお伺いしたいと思います。
一部では公平性を欠くというか、電力会社の社員が発言をするという機会が続いておりまして、透明性の確保というのが課題にあがっているところでございますけれども、知事は、この全体の意見聴取会の有効性、そして将来への期待というのを、どう持っておられるかというのがお伺いしたいところです。
2点目ですけれども、今週にも大飯原発4号機が起動される見通しですけれども、それにあたって、県の現地オフサイトセンターに行っている職員の、これまでの成果というか、うまく機能しているのかどうか、その辺りの実感を聞かせてください。
まず、エネルギー・環境会議の意見聴取会が各地で始まっているとマスコミさんの報道で伺っております。さいたま市から仙台、そして名古屋ということですけれども、そのやり方ですね、それぞれ意見希望者の中から、3つの0%、15%、20から25%、それぞれに賛成する人を三人ずつ選んで意見を求めることの手続き、こういうやり方も無いわけではないですけど、国民的議論という時に、どういう人がそこで選ばれるのか、細野大臣は完全に抽選だから、電力会社の人が入ってしまうのは避けられないというコメントをしておられましたけれども、今これだけ今回の原子力発電所問題から、これだけエネルギー不足になってしまったのは、やはり東電さんの福島第一原子力発電所の事故ですから、しかも事故責任に対しては、人災の側面が強いという報告書も出ています。いわば保安院も経産省も電力事業者のいわば虜になって意見を言えない構造であったというような世論がある時に、電力会社の社員が、「私は一国民ですから」と言って、社を代表して意見陳述をするというのは、なんとも倫理観、正義感を欠いているのではないでしょうか、これははっきり言わせていただきます。国民としてではないですよね、電力会社の社員として、それは他のところでやってください。今回は国民的議論ですから、少なくとも、もちろん様々な企業、立場、生業がありますから、多様な方が入るのは当然だと思いますけど、電力会社の方が入って、会社を代表して意見を言いますというのは、本来の目的から反しているのではないでしょうか。
で、それは東北だけではなくて、名古屋でもあったということで、ちょっとびっくりしております。つまりそこに、この国民的議論を運営する側の毅然とした、ここから何を取ろうとしているのかとの本質、方針に関わる問題だと思っております。
ですから、2点目ですね、これをどう有効で期待を持つのかということですけれども、賛否両論ある中で結果を政府はどう生かすのか言っておられません。この後討論型世論調査、このあいだ、うちでは日曜日に対話型アンケートをやりましたけれども、それの親玉というような討論型世論調査を戦略会議の方でやるということですけれども、それもどう最終判断に生かすのか、単に聞き置くだけなのか、それともそこで出た意見をできるだけ尊重するのか、尊重しない場合はなぜなのかという事の、意見の使い方を事前に出すのが、意見を聴く側の礼儀ですね、その礼儀が政府の方は欠けていると思います。
国民に散々議論をさせて、「いや、もう答えは決まっているんです。」ということかもしれないし、「いや、議論していただいた結果はちゃんと反映するようにします。事業者なり経済界からいかに反対があっても反映するようにします。」というのかが見えませんね。そこは政府の意見を聴く際の基本的なスタンスは明らかにして欲しいと思いますね。それは責任ある政治判断をする大前提だと思います。
2点目ですけれども、4号機の稼働ですけれども、オフサイトの方は、4号機稼働の本体プラントの方には、いわば監視チームに入れていただいておりません。それで、オフサイトセンターに職員を継続的に派遣しているわけですけれども、二つの意味がありまして、一つは職員自身に今まで本当に遠い遠い存在であった原子力発電所の情報がどうなっているのか、現場でどういうふうに警報が出るのかということを見ながら学んでもらっています。ここについては、報告を受けておりまして、段々に慣れてきているということですね。
それから二つ目はやはり、日常的に危機管理体制というものは、人間関係ができていないと、いざという時に機能しませんので、その人間関係というところでも、地元特に福井県とかであるとか、あるいは保安院の人達とやりとりをして、きちんとこちらの意見も言えるようなパイプを作るということもやっていただいております。
ただ、京都が今回専門家を監視チームの方に派遣をしておりますけれども、こちらもちょっと専門家の皆さんとの相談が少し出遅れておりますので、5月1日に始めました専門家委員会の方にも、今後ご意見を頂きながら、監視チームの経験をどう具体的に生かしていくかということは進めていきたいと思っております。
[中日新聞]
実際に専門家委員会の会議を開く時期とかは、決まっているのでしょうか。
まぁできるだけ早くと伝えておりますが、なかなか御存知のように原子力対策チーム、三人であれだけの仕事ですので、このチーム員の強化も含めてですね、できるだけ、夏の間には、つまり夏の次をこちらはアクション起こさないといけないですから、夏の間には専門家委員会を、次の意見を伺う場を準備したいと思います。そこでどういう事をということですが、今回の規制庁の法案の中に、附帯決議で地元自治体の関与の仕方ということも入れていただいておりますので、今まで安全協定は法的位置付けなしに紳士協定だったところを、どうやって法的位置付けを担保していくかというようなところなどは、次に是非専門家委員会から聞きたいテーマではあります。具体的にまた決まりましたら、お知らせさせていただきます。
[滋賀報知]
大津のいじめ自殺事件について伺います。知事は県警に対して、適切な対応を呼びかけていらっしゃいましたが、捜査が始まったということで感想を伺いたいのと、2点目は11日に緊急対策チーム会議と対策会議が開かれましたけれども、若干意見が出なかったように聞いておりますが、知事はこの1回目についてどういう具合に受け止められて、2回目に開かれるものに対して、これからどのように進めていくべきとお考えになっているか。
それから、情報を共有して、問題を出して、それからどう煮詰めるという出口がわからないのですが、別の体制なんかをお考えなのか、その辺がありましたら伺いたい。
まず、警察が今回捜査に入りました。本来、学校の問題は学校の中でという学校自治というのがある中で、今回警察が入ったということは、残念ではありますが、しかし、犯罪性ということを警察が考えながら捜査に入ったということだと思います。是非ともここは警察でなければできない真相究明をしていただきたいと思っております。大津市の越市長も市として協力したいと言っておられますし、警察の方で、特に8月中に立件できるかどうか方向を出すということなので、そちらに真相究明の期待をしたいと思います。
ただ、子ども達ですから、やはり子ども達にとって動揺のないように、丁寧に対応していただきたいなと。警察本部長からも少年安全のところで、かなり女性警官なども沢山入っていただいているようですから、そういう方達も柔らかく対応していただくということを警察からも伺っております。それから、7月11日の対策チームですが、11日は1回目で緊急ということで、まずは場をつくるという場面でした。県の中では県の教育委員会と人権と、それから子ども・青少年局ということで、顔合わせのようなところでございました。ですから、市町の教育委員会の方達も顔合わせということで場を作ったところでございます。
2回目以降はどう進めるかということは、最終は教育委員会の役目だと思っておりますが、知事としての希望としてはですね、今、実は既に、「ストップいじめアクションプラン」というのが県の方で作っております。これ平成18年に作り、かつ24年の1月に改訂をしております。これは具体的に、いじめのようなものがあったら友達はどうするのか、そして先生はどうするのかということをですね、かなりきっちりと現場に即して状況を聞き取り、そして状況を聞き取る中に子ども達も入ってもらったという、オープンな会議をしてきました、なかなか子どもが委員に入るというのは無いんですけれども、私はそこで期待をしておりましたので、このプランは既にあるのに、今回逆にあまり生かされなかったのかなぁというのが反省でございます。
このプランを是非とも生かせるような形にしていただきたいのと、今回、プラス2点必要だと思います。これをまたご覧頂けたら良いんですけれども、どちらかというと臨床的な対応です。こういう事案があったらどうするかというHOW(ハウ)の臨床的な対応です。医学でいえば臨床医学のようなものですね、精神的な問題も含めて。それにプラスして、なぜこれだけ子ども達が追い詰められているのか、学校で問題があったときに、じゃあ家庭はどうなのかとか、地域社会はどうなのかとか、今孤立化して核家族どころか、核家族でさえ、かつては拡大家族であったものが核家族、核家族さえ分裂してしまって、そしてかなり片親家族も増え、場合によっては子どももどんどん孤立化している。そういう社会背景をきちんと押さえないと中長期的な対応ができません。そこを家族社会学であるとか、教育社会学であるとか、教育心理であるとか、場合によっては社会変動論のような人達に入っていただいて、かなり基礎理論のところをプラスしていただきたいと思います。
それからもう一つが、今回の学校運営というところで、やはり学校には様々なリスクがあるわけですね。それこそ池田小のような、ああいう暴力沙汰があったり、それから学校の外でも犯罪に遭うとか、そういうときに学校が本当に子どもの命を守るためには、どういうガバナンスを強化をして、リスク管理をどうするのかという、行政でもやっておりますリスク管理をプラスしていただきたいなと思います。これは知事としての願望ですので、教育長にもその辺は伝えておりますので、また教育委員会から具体的に聞いていただきたいんですけれども、2回目以降はその辺を、基礎理論の方と、それからガバナンス、リスク管理の方に拡げていただいて、柱は既にできている、こういうアクションプランを一層強めていただき、そしてこれは作るだけではなくて、まさに現場12,000人の教職員の皆さんの感度を上げて、そして、二度と今回のような事件が起こらないようにしていただきたいと思います。それとあわせて社会も家庭も子ども達に目を注ぐという、そこもこれは県の行政として必要な部分だと思いますので、子ども・青少年局に入ってもらっています。
本当に思い起こすだけでも辛い事件ですけれども、これは県全体で、何よりも県民の皆さんが大変不安に思っている。全国から、たぶんいっぱい、県民の皆さんにも非難なり批判が来ていると思います。それは県に来ているだけではなくて、その県民の皆さんの不安、「うち、本当に良いんだろうか。今度中学生になるんだけれども。」とか、その親御さん達なり社会の不安に対してリスク管理をして、希望を持っていただくためにも、この出口は報告書などで纏めていただき、研修などで生かしていただきたいと思います。
あわせて、言い方があれですけれども、ここまでイメージダウンを滋賀、大津がなってしまったことは、本当に辛いですね。毎日、新聞やテレビ、そしてネットで様々な有ること無いこと、様々な書き込みもあります。
まずは真相究明をして、その後出口を示すことで、誇りを取り戻す。名誉挽回ということも、県としての大きな方針に掲げていきたいと思います。
それから3点目の、今もう既に出口を申し上げましたけれども、これを柱にしながら、報告書のような形で纏めていただきたい。それとそれを現場の先生方の研修なり、あるいは学びの中に生かしていただきたい。それは先生だけではなくて地域社会も二度と同じような悲しい事件を起こしてはいけない。
虐待も実は類似のことがございまして、今虐待はオレンジリボンで、「関知したら、察知したらみんなで報告し合いましょう。」とあります。だから、学校の子ども達も、「学校のことだけじゃなくて、察知したら、関知したら社会で支えましょう。」というオレンジリボンプラス何か、そういう運動にまでしていきたい気持ちですね。
それが一つの出口だと思っております。
[朝日新聞]
7月20日に二期目の折り返しになると思うんですけども、これまでを振り返られて、できなかったことと、できたこと、今後これだけは成し遂げたいというふうに思ってらっしゃることを教えていただければと思います。
具体的にできたことについては、2010年のマニフェスト150項目それぞれに基本構想に入っていたり、あるいは日常の業務に入っておりますので、整理をしております。それで、A、B、C、D、項目別に4つの評価を出させていただきますので、できたことについてはそこで具体のところ見ていただきたいと思います。ただ、全体の総合評価のようなところですけれども、まさに子育てから、若者の雇用から、女性の雇用創出、そして高齢者の在宅看取りなど、ようやく社会的仕組みができつつある。そういう中で今回のいじめ事件は大変教育の中で大きな、こちらも十分できていなかったところだなと反省をしておりますが、生まれる時の産婦人科なり、あるいは医師確保とか、助産師、そして保育園、学童保育の支援、ここは直接には市町ですけれども、人数も増やし、緩和をしていると思います。また若者の就職、これ人口減少リスクの中の一番のポイントは、若い人が仕事がない、収入がない、結婚できない、子どもが産めない、それの根っこである若い人に仕事をきちんと、しかも県内の中小企業は人不足ですから、そのマッチングをというところで、若者未来サポートセンター、ようやく国のハローワークと一緒につくることができました。これも1つの仕組みだと思います。それから、女性の支援、これもマザーズジョブステーション、ここもようやくハローワークと一緒にできました。それから、高齢者の在宅看取りの仕組みも去年の8月末に創造会議というのを、これ民間でつくってもらって、県はそこで黒子となり、応援をしてきているんですが、この8月にもまた創造会議の総会があります。医師、看護師、そして介護、その異業種連携の中で在宅看取りの仕組みについても、埋め込みが始まったということですね。それから、環境のことについては何よりも琵琶湖のもちろん富栄養化防止、そして生態系の回復、それからそれを物理的な、あるいは生態的な環境を回復するためには、人々に琵琶湖に関心を持ってもらい、働きかけてもらうという、琵琶湖と人々の関わりの再生、これがマザーレイクで入れ込むことができました。たぶん環境保全計画で、人々との関わりの再生というようなことが入っているのは、日本だけではなくて、世界でも初めてではないかと、まだ十分調べてないですけど。それぐらい今までネグレクトされていた分野について、マザーレイクの柱にできたというのは、1つの大きな一歩だと思っております。ですから、これをどうやって一層食文化であるとか、遊ぶ、学ぶというところで、湖との関わりを強化する動きを強めて、びわ湖の日30周年も次の転換点に向かって走っているところです。
そういう中で、今回の原子力の問題は、まさに琵琶湖にとってあってはならないものですから、私はこの原子力の安全性に対して声を上げるのは、琵琶湖政策の一環だとも思っております。あわせてエネルギー対策は、温暖化の低炭素社会づくり、ここも昨年の4月1日に条例ができましたので、1つの大きな進歩であり、そして省エネルギー、節エネルギー、蓄エネルギーというエネルギー政策も次の段階に入ったということで、かなり質的には獲得をできていると思っております。それから産業の方ですけど、産業の方もずっといわば外発型、輸出依存型製造業、これは今までの滋賀県のかなり実質法人税にしろ、経済依存してきたところです、雇用も。だけれども、リーマンショックの後、本当にこれはより経済の構造を骨太に多元化しなければいけないと思いました。アメリカがくしゃみしたら、日本が風邪をひいて、滋賀県は肺炎になるという、この構造を強化するために中小企業、それから地元の資源をうまく導き出して、内発的発展に持っていく。それが基本構想の中の「地域の魅力まるごと産業化」ですね。そこのところも食文化であるとか、第一次産業の6次産業化、おいしがうれしが、それから観光をもっと前面に出していこうという政策、それから文化も経済とつながるんだという文化・経済フォーラム。ですから、文化は決して金食い虫ではないと。文化は人々の誇りであり、地域の個性の発信であるし、それが経済につながるということで、文化・経済フォーラムなどをつくってまいりました。ここが私が常々言っている内発型発展の大きな方向が見えてきたかなと思います。それから、ココクールであるとか、びわ湖ブランド、この辺も新事業応援ファンド、小さいですけれども、芽がこう吹き出しつつある。この後、吹き出している芽をどうやって大きな潮流にしていくかというのが、このあと2年の仕事だと思っております。つまり経済は外発的発展プラス内発的発展。その内発的発展の中には、物の豊かさだけではなくて、まさに心の豊かさ、社会成長ということを基本構想で入れておりますけれども、そこも強調して見えるものにしていきたいと思っております。
これからですけれども、たちまちやはり今回、「知事は何ができるのか」ということで2006年にお約束をした新幹線の問題、ダムの問題、高コストの公共事業はやめて、福祉や教育や文化にお金を入れましょうということの1つの潮流、結果は出せたんですけど、これからについては、「知事は何ができないか」ということを切実に感じております。一つは、この原子力エネルギー政策です。本当に自治体に基盤がない、法的基盤がないだけではなくて、技術的、あるいは制度的経験もないので、この地産地消型エネルギーであるとか、地産地消型エネルギーによって地域経済の活性化、そこでいざという時の災害に強い地域社会づくりということは、必死に強化をしてやっていかなければならないと思っております。合わせて、出先機関改革。関西広域連合は実は2010年のマニフェストに入れさせていただきました。そこで地域主権型のいわば組み替えをしていくときに、府県でできないことを広域でやることによって県民サービスの増強をしていく。例えば、医療、緊急医療のドクヘリであるとか、あるいは府県を超えた防災・減災対策であるとか、あるいは府県を超えた経済振興、特にエネルギー、あるいはクリーン産業であるとか、あるいは環境政策、そして文化的発信、これなども今まで残念ながら、例えば滋賀が独自に中国に観光誘客に行っても、「えっ、滋賀ってどこ?琵琶湖ってどこ?」、ほとんど相手にされなかったんです。それを私、身にしみて感じました、最初に一人で中国に行った時に。ところが、広域連合の中で行くと、大阪、京都の個性に、滋賀はプラスして、例えば環境学習であるとか、自然とのつながりであるとか、プラスアルファ入れられますので、関西圏全体として、この観光強化というのは、広域連合があるからできることだろうと思います。合わせて、今回の節電対策もそうですね。出先機関の丸ごと移管もここまで進めてきても、最後国の与党の会議一つ通らない。だから、閣議決定にいかない。首相が先導して、そして総務大臣が引き受けると言いながらも動かない。ここに対しては、残念ながら大変無力感を感じております。ここをどういうふうに県民のための地域主権改革、そして県民のためのエネルギー政策など、原子力政策など積み上げているかということが、これもあと2年の大きな宿題だと思っております。長くなりましたけれど、以上です。
[毎日新聞]
いじめの緊急対策会議でちょっと確認なんですが、たしか今月下旬の2回目で終了予定だったような気がするんですが、今知事希望いろいろおっしゃいましたけど、ちょっと盛りだくさんすぎて、県教委の認識とズレがあるというふうに感じるんですが、その点についてちょっと認識が共有できていないのかなとも感じるんですが、その点はいかがですか。
県教委の方は2回目は7月末でと言って、それで終わりというニュアンスがもしかしたらあったかもしれませんが、ともかく大津の事案がまだまだ真相が見えてこないんです。ですから、今ここで県として働きかけをやめるわけにいかないので、まずは大津の真相が少しでも見えてくる。一方で、今日も裁判、口頭弁論始まっておりますけれども、警察の方からも何らかの形で出してきて、そして真相何があったのかということを見ながら、さきほどの県が今までやっているアクションプランを肉付けをするということを、これは知事として教育委員会に今朝ほどお願いしました。これは教育委員会に、今朝ほど教育長と教育次長にお願いをしました。ただ、ご存知のように教育委員会は政治からの、行政からの独立性ということがありますから、あとどう判断なさるかは教育長なり、教育委員会の判断だと思います。
[毎日新聞]
今月中2回目で、終わるという予定については、知事は。
私は終わってしまっては、さきほど言いました、県民が納得しないと思います。それから、本当に滋賀の名誉回復のための発信ができないと思います。それと、12,000人の学校の先生に、もちろん現場で本当にご苦労いただいている先生方に、先生方がたぶん今回一番不安じゃないでしょうか。大津の何があそこまで社会的批判を受けているのか、それを自覚化して、言語化して、そしてじゃあどうしたらいいのかと検証しながら、次のアクションプランをつくらないと先生方も不安でたまらないと思います。ですから、それは私はそれは7月で終われる話ではないと思います。そういうことを今朝ほどお伝えしました。研修まで含めて、場合によっては議会としての条例ということもあるかもしれません、発信するためには。それも含めて、かなり本気でそれこそ年度末ぐらいまでかけて方向出す、その覚悟を私はしなければいけないほどの、今回大きな、本当に大きな、大津市はもちろんですけれども、滋賀県にとっても大きな課題だと思っております。
[京都新聞]
ちょっと国政の話になるんですけど、先週民主党の元代表・小沢さんによる新党が立ち上がりました。1つに脱原発を掲げてるんですが、卒原発を掲げる知事と方向性はまったく逆ではないのかなと思うんですが、単なるパフォーマンスとみてらっしゃるのか、こうした動き、衆院選にそれを争点にもっていこうという動きをどうみてらっしゃるか評価をいただきたいというのが1つと、今週末に全国知事会があると思います。衆院選に向けた各党要望といいますか、そういうところも議論になると思うんですが、衆院選いつあるかわからないですけど、知事としては原発政策どういうところを各党に論じてほしいと思ってるのか、さきほどの話とちょっとかぶるかもしれませんが、その辺お願いします。
小沢さんが脱原発と言われているのがなぜなのか、「なぜ」を聞かせてほしいと思います。急に出てきましたよね。消費税反対は言ってらした。これもなぜかがよくわからない、マニフェストに書いてなかったから。でも、それこそ消費税、最初に必要と90年代言われたのは小沢さんですよね。ですから、このそれこそ歳出の半分くらい借金でまかなわなければいけない、次世代先送り型の財政構造をどうするのかという見通しなしに、単にマニフェストになかったから消費税反対ではなかなか私は納得しにくいと思います。同じように原子力も何が問題で脱原発なのかを、私が勉強不足かもしれませんけど、少なくともマスコミ、またインターネットでも毎日原子力に係る情報をフォローしてますけど、小沢さんからそれ以上のメッセージがないので、わかりません。橋下さんが脱原発と言うのは、もうはっきりと放射性廃棄物の問題なり、あるいはエネルギー供給体制独占体制に対する疑問なり、ずっと去年から発信してらっしゃいますからわかりますけど、小沢新党の脱原発はちょっと意味がわかりませんので、コメントしがたいですね。
それから、知事会ですけれども、知事会は立地道県14知事がおられて、今まで知事会の原子力の議論は立地道県中心にやってこられました。ですから、その周辺あるいは都市部で電気を使わせてもらうだけ、あえて消費地とは言わないですけれども、そういう地域の知事の意見というのはあまり出なかったので、今回私としては意見は出していきたいと思います。ただ、それが複数まとまるかというのはその場の動き次第だと思っております。
[京都新聞]
さきほどのいじめの教育長とお話されたということなんですけれども、教育長何かおっしゃられてたでしょうか。
少なくとも否定はしておられませんでした。そこは教育長に聞いていただきまして、最終主体は教育委員会ですから。