相談機関いじめ気付かず 大津中2自殺、2週間前に面談
大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒が自殺し、いじめとの関連が指摘されている問題で、生徒が亡くなる約2週間前に家族が異変に気付き、県の子ども・子育て応援センター=大津市=や中央子ども家庭相談センター(児童相談所)=草津市=に相談していたことが18日までに分かった。両センターともいじめには気付かず、専門家からは「異変にもっと耳を傾けていれば、自殺を防げた可能性もある」との指摘も出ている。
関係者によると、家族は昨年9月下旬、急に金遣いが荒くなった生徒の生活態度が心配になり、県子ども・子育て応援センターを訪れた。この時、相談員は生徒と面談していなかったが、家族から話を聞いただけで助言。子ども家庭相談センターに行くよう勧めたという。
その後、家族は生徒と一緒に同センターを訪れ、同様の趣旨で相談。担当者は直接、生徒から話を聞いた上で、家族が生徒に反省文を書かせる方法などをアドバイスした、という。
生徒は昨年夏から、貯金を引き出したり、親戚の店などから多額の金を持ち去っていたことが分かっている。生徒が学校でいじめられていることに家族が気付いたのは、自殺の後だった。
同センターは「学校とは連携するようにしているが、学校でいじめを把握していなければ、センターの相談でいじめを把握するのは難しい」と言う。子ども・子育て応援センターは「匿名で相談を受けているので、どういう対応だったのか確認できない」としている。
【 2012年07月19日 10時31分 】