2012年07月19日

「人間愛」なき日本テレビの記者死亡事故の件

当時の読売新聞から
<引用開始>
県警は取材自粛要請…日テレ「判断甘かった」

 「結果として判断が甘かった」。埼玉・秩父のヘリ墜落現場を取材中の日本テレビの記者ら2人が死亡した事故で、同社幹部は反省の言葉を口にした。
 現場はベテランでも命を落としかねない危険な山で、地元県警は取材自粛要請を出していた。なぜ2人はガイドと別れて山に戻ったのか、登山装備は適正だったのか――。
 東京都港区にある日本テレビ本社ビル18階の会議室。1日午後4時からの記者会見に集まった50人以上の報道陣の前で、細川知正社長は「有能で意欲的な2人を失い、残念な思いでいっぱい。原因を究明し、再びこういう事態が起こらないようにしたい」と陳謝した。
<引用終了>

以下、2年前に書いたレポートを転載します。

<開始>
ポイントは一つです。
「日本テレビの報道局長は、取材班である部下に自分の子どもが含まれていたら、埼玉県警から出されていた死亡事故現場への現取材の自粛指導を無視してまでも、取材を強行したのか、否か」

マザー・テレサは「愛の反対は憎しみではなく、無関心」という名言を残されました。人間愛なき日本テレビは、部下の命には全く無関心であったということが分かります。

私は、講演で「ディズニーランドでは、パレードを柵の上や岩山の上で見ている人を降ろします。それは、危ない行為をしている自分の子どもに注意する実の親と同じ気持ちだからです。他人であっても同じ空間と時間を分かち合っているファミリーす。皆さんは自分の子どもや大切な人が落下して大けがをしたら自己責任と考えますか。決して『自己責任』などとは考えませんでしょう。ディズニーランドのキャストも同じなのです。このことがディズニーの『人間愛』の全ての物語っているのです」と語ります。

起きてはいけない事故が起き、二人の尊い命がまた奪われました。この事故は自然災害でも、労働災害でもありません。明らかに人災であり、遺族はこの事故に対し毅然たる態度で臨むべきであると考えます。

現在は、トラックや観光バスの運転手が重大事故を起こした場合、個人の責任以外に会社側の管理責任が問われる時代です。これは、マスコミの「営利」への厳しい追求がもたらした結果です。

そのマスコミが「取り返しのつかない」事故を生みだしたのです。犠牲者の死を無駄死にしないためにも、理性的な原因究明が行われなくてはならないと考えます。

しかし、です。天木直人氏でしたら最初に「見てるがいい」と記すでしょうが、既存の事故調査のライン上でこの事故の取り調べが行われると、結果は日本テレビ側の望むとおりになるでしょう。

恐らく、このような展開になるに違いありません。

社長が責任を取ることはない
日本テレビの細川知正社長は、会見で「お騒がせしました事を、心からお詫び申し上げます」と発言しました。また、取材を「許可した」責任者は、死亡事故に至った直接の原因を「装備の問題とは認識していない」と答えました。
これらは、決して「言質を取られたくない」という逃げの姿勢であり、同業者であるマスコミからも追求から会社や自身を守るために、周囲の関係者により周到に用意された、心のこもっていない「パフォーマンス(演技)」です。

ガイドと被害者家族の「囲い込み」が始まる
「囲い込み」という用語が正しいのか分かりませんが、読売グループの組織の総力を挙げて、ガイドと被害者家族を「敵」にしないために、あらゆる手を使って事故関係者を囲い込んでくるに違いありません。
警察に手を回し、あくまでも日本テレビ社員の「自己責任」であるかのような捜査結果を出すに違いありません。その上で、「読売グループの将来がかかっている」という脅し文句を使い、ガイドや被害者家族に大きなプレッシャーをかけてくる作戦を取ることでしょう。

かん口令と証拠隠滅の恐れも
テレビ局に対し家宅捜索が行われることはないでしょう。私は、ある大物弁護士に「最後のパレード」事件の件で相談したことがあります。しかしながら、その先生は「司法が読売を負けさせることはない」と明言されました。
読売グループの体質は「自分たちは何でもできる」とおごっていることです。普通の事故、事件と同じように捉えていると、読売グループ関係者は見えないところで暗躍し事故を矮小化するとともに、報道の舞台からこの事故を早々に消し去るに違いありません。

トカゲのしっぽ切りか、それとも・・・
取材を許可した現場責任者は、当事者として「心身ともに疲れ果てるまで」会社に利用されることでしょう。現場責任者は、被害者の49日の法要までは必要とされるでしょうが、その後はどんな運命が待っているか分かりません。周囲が気をつけないと自殺の恐れがあります。会社に反旗を翻すと・・・創造を絶する結末が待ちうけているのかもしれません。

数か月後には、誰もこの事故を覚えていない
忘れ去るまで早くて1ヶ月、遅くて3カ月でしょう。現場で何が起きたのかは推測でしかなく、二人とも死亡したことは極めて会社側に有利に働き、会社側の責任の所在もあいまいに終わると私は推察します。
管轄する総務省からの「指導」くらいに落ち着かせたいと経営陣は考えているに違いないと私は考えます。

大手企業における過去の重大事故後の警察や司法の対応を鑑みた場合、まず90%の確率でこのような展開になると私は考えます。
<転載終了>

この事件の原因究明は行われたのでしょうか。結果は公表されたのでしょうか。

6月19日に東日本大震災に伴う巨大津波で多くの人命が奪われた原因は日本テレビの報道姿勢にあると書きました。
http://dream333.seesaa.net/article/276041012.html

7月2日には、日本テレビのニュースにころっとだまされる人とは@という記事で、「埼玉県議の夜遊び事件」の日本テレビのあきれるほどひどい報道ぶりを明らかにしました。
http://dream333.seesaa.net/article/278479388.html

読売グル―プの社員は「自分たちは特別な者」として、傲慢に暴れまくっています。亡くなった記者のご家族や読者や視聴者が可哀そうでなりません。
posted by M.NAKAMURA at 10:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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