一体改革:野党「公共事業」巡り攻勢 参院本格論戦へ
毎日新聞 2012年07月16日 21時50分(最終更新 07月16日 22時54分)
消費増税を柱とする税と社会保障の一体改革関連8法案は18日、参院特別委員会で実質審議が始まる。法案は民主、自民、公明3党が修正合意しており衆院を8割近い賛成で通過したが、参院審議は野田佳彦首相にとって気の抜けない対応が求められる。民主党は参院で少数与党のうえ、法案の衆院採決をきっかけに分裂。共産、社民、みんなの党などは増税分を公共事業に回すのではないかと攻勢を強めているためだ。
「消費税を防災に名を借りた大型公共事業に重点配分する。庶民増税を打ち出の小づちにした、新たな無駄づかい宣言だ」
共産党の市田忠義書記局長は13日の参院本会議で、消費増税法案が新たなバラマキの財源になると真っ向から批判した。
市田氏がやり玉に挙げたのは3党合意で法案に盛り込んだ付則18条2項。この条項は「事前防災や減災などに資する分野に資金を重点的に配分する」とあるためだ。
首相は「引き上げ分は全額社会保障財源化し、公共事業を含めた他の目的に使用されない」と答えたが、苦しいのは、参院で民主党が少数与党であるため、公共事業の必要性を唱える自民党や公明党に一定の配慮をにじませざるを得ない点だ。