旦那様に出会った夜、
それは私はとある人と何回も会えない日々が続き
さよならをした夜だった。
私とおなじヨーロッパ系のクォーターで
大企業に勤め、
ハードスペックでは、非の打ち所がない美青年。
ただ、性格は良いのに愛情の示し方が不器用で
何しろ、彼は忙しすぎた。
耐えられなかった私が、 強引に別れを切り出した。
お付き合い半ばで、転勤も決まってしまったのが
より距離に拍車をかけたと思う。
そして、その後、10分もしないうちに
私は旦那様という運命と出会った。
私は、もう半年以上経ったし
きっと向こうも整理がついているだろうと
『お返事はいらないから、安心してね。
お誕生日おめでとう』と送った。
すぐに返事が戻ってきてびっくり。
あんなにメールしない人だったのに。
そこから、以前では考えられないほどのスピードで
メールのやり取りが続いた。
辛い半年間だったみたい…
私は正直に言った。
もちろん旦那様が1番よ、それは変わらない。
でも
あなたが愛しい気持ちも変わりないと。
彼は喜んで、愛しいなんて嬉しいと。
『まりちゃん、ずっと俺だけのものでいて欲しい。
でも、彼もあなたほど心身の美しい子を知って
そのあとの恋愛といっても、簡単に相手は見つからんと思う。
イケメンで大企業勤めてたら
屑が山ほど寄り付いてきて、女には飽き飽きしとるやろ。
そして何より
あなたは親族がひとりもおらん、
俺がもしいなくなったら
それか、あなたが俺を見限った時
来ないとはいいきれん、
その時に、もうひとりあなたを助ける男がいて欲しい。
だから、彼なら適任だと思ってる、
結婚に夢がないというなら尚のこと、
俺からも彼に言いたい。だから連絡先教えてくれ。
俺があかんようになったら
彼女助けてください、支えてください。
それ約束してくれるんやったら
あなたにも会わせます、と
あ、最後はアカンけどなww』って笑。
だから、それを伝えた。
そうしたら、
解った。あの時、俺ができなかったぶん
遠慮しないで、どんなワガママも自分勝手も言って欲しい。
彼にそう簡単には敵わないだろうし、
俺の出番は少ないだろうけど…と。
理知的で冷静、美しい彼
ふたりに支えられての再出発。
今度、彼が東京に来る時には
あの時できなかったワガママ、
旦那様とも色々予定してるし
なんて鮮やかな幸せ。
この美しき世界。