大学教授ビジネスの推進事業で講演

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北陸大学名誉教授で元学長をしていた越浦良三先生が先頭に立って推進している大学教授ビジネスの推進事業の説明会が、10月23日、金沢市で開催され、筆者は「大学教授の社会貢献と新しい栄養学の潮流」と題して講演を行った。

 この事業は、越浦先生のほかに早稲田大学の並木秀男教授、福岡秀興教授、早稲田大学教授から東京女子医大教授に転出した東中川徹教授、横浜市立大学医学部の栃久保修教授らが、学問に裏付けられた新しい栄養学「アトム・バランス栄養学」を創設し、その考えを啓発しようとする活動である。

 従来の栄養学の主流派は、たんぱく質、炭水化物、脂肪、ミネラル、ビタミンなど栄養素から語られることが多かった。これを原子や分子レベルで生体内の栄養分の分解から代謝までを解き明かし、その理論に沿った食生活や生活活動を提唱しようとする試みである。

 越浦先生は、腸内細菌の役割を解明して健康な食生活や生体内活動の活性化などで業績をあげた研究者であり、栃久保先生は各種アトム栄養素の「桶の理論」という独特の理論を提唱して大きな反響を与えた研究者である。

 越浦先生は、このような新しい学問に裏付けられた栄養を考える食生活の普及が必要であると考え、そのアトム、つまり原子レベルで栄養素を供給するサプリメントが重要であるとして自ら事業活動に乗り出した。越浦先生は、このような学問に裏付けられた事業には、大学の教授が積極的に関与し、社会貢献という視点でビジネスに参加することが必要だとしており、筆者も先生の訓導でこのプロジェクトに参加した。

 この日の講演会では、約60人の参加者を前に、まず越浦先生が「新しい学問と大学教授ビジネス」のテーマで、最新の栄養学の動向を講演し、なぜこのような学問が創造されてきたかその背景を説明した。

 続いて福岡教授が「未来の子どもたちを救おう」とのタイトルで、近年、大きな問題になっている低体重出産児が増えている現状を報告し、妊婦の栄養学、若年層の栄養学から中高年になったときの代謝病に至るまでの医学的な研究成果を解説しながら、若い女性の正しい栄養取得について提言をした。

 さらに筆者は、いまなぜ大学の教授が社会貢献を迫られているのか。その時代背景と2000年から世界的に急速に変革してきた第3次産業革命を解説し、新しい学問に裏付けられた事業の意義などについて講演した。