甲状腺被ばく量:弘前大チームが最高値下方修正
毎日新聞 2012年07月13日 02時05分
東京電力福島第1原発事故で放出された放射性ヨウ素の甲状腺被ばくを調べている弘前大被ばく医療総合研究所の調査チームは12日、福島県の住民62人の調査データを再解析した結果、内部被ばく線量が最高で87ミリシーベルトだったとする今年3月の発表を下方修正し、成人で33ミリシーベルト、未成年(17歳)で23ミリシーベルトだったと発表した。
同研究所の床次眞司(とこなみしんじ)教授らが記者会見した。住民が放射性ヨウ素を吸ったとみられる時間帯を、放射性物質の塊(プルーム)が同県飯舘村に到来した昨年3月15日午後1時から雨が降り始めた同5時までに限って再解析し、数値を修正した。調査は同県浪江町の住民と同町経由で福島市に避難した人の計62人が対象。
一方で、調査チームは成人の最大値を基に調査対象外の同県浪江町の子供の被ばく線量を推定すると40〜60ミリシーベルトになるとし「甲状腺がんを防ぐヨウ素剤の服用基準(50ミリシーベルト)を超える子供がいた可能性も否定できない」とした。【松山彦蔵】