学校が実施した２回目のアンケートに、「葬式ごっこ」などの記述があったが、市教委は遺族に伝えなかった。県警は捜索の数日前から、市教委に資料の任意提出を求めたが、このアンケートの現物を含めて提出されなかったものがあった。

　男子生徒が自殺する６日前、教諭数人が男子生徒と同級生のトラブルについて協議し、「いじめではなくけんか」と結論付けたことも、１４日の会見で初めて明らかになった。

　県警の幹部は「市教委と学校は情報を隠していると疑わざるを得ない」と指摘する。

　一方、県警が捜査に本腰を入れる直前、男子生徒の遺族の被害届を受理しなかったとして、県警にも多くの批判が寄せられていた。

　◇市の和解方針に市教委も同調へ

　自殺した生徒の遺族が大津市などを訴えた損害賠償請求訴訟について、同市教委の沢村憲次教育長は１７日、市が近く設置する外部有識者による調査委員会での結論を念頭に、裁判所の和解勧告があれば、市教委が市の和解方針に歩調を合わせる考えを初めて示した。同日、大津地裁であった第２回口頭弁論後、取材に答えた。