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'12/7/19

ツアーバス8割超が違反 【重大・悪質な業者26社一覧】


 国土交通省は18日、高速ツアーバスを運行する全国の貸し切りバス会社298社の緊急監査で、8割を超える250社に法令違反を指摘したと発表した。このうち48社は複数の運転手の日雇いや、会社の名前を第三者に利用させる「名義貸し」などで重大、悪質な違反としている。高速ツアーバスを委託する旅行会社59社の監査でも、約半数の28社で客に旅行説明書を渡していないなどの旅行業法違反があった。

 さらに詳しく調べ、違反が確定した場合は行政処分する方針。国交省は「指導が不十分だった。監査体制の強化や厳罰化を進める」としている。

 バス会社250社の違反の内訳は、運転手の日雇い22社、名義貸し1社のほか、4時間までに制限された連続運転時間などの乗務時間違反が192社、運転手への講習を含めた適切な指導の未実施が118社、乗務前後の点呼の未実施が48社などとなっている。

 これらのうち頻度や件数、人数などが突出しているケースを重大、悪質な違反とした。

 国交省は18日、ホームページで、今後も高速ツアーバスを運行する約230社のリストを公表。重大、悪質な違反を指摘した48社のうち26社も含まれる。利用者が増える夏休みを前に、適切な安全管理のバス会社を選ぶ参考にしてもらう。

 監査は4月に群馬県の関越自動車道で乗客7人が死亡したツアーバス事故を受けて5、6月に実施し、直前約1カ月の状況を調べた。対象は国交省が把握している全国の高速ツアーバス運行会社のうち過去1年間に監査していない社で、ほかにも同様のバス運行業者が存在する可能性もある。

 旅行会社の監査では、国や都道府県に対し、法令で規定されている営業所の変更や、年間取引額の届け出を怠っていたことが判明した。

 また厚生労働省は18日、高速ツアーバス運行会社や営業所計339カ所の監督状況を公表。9割超で労働基準法などの違反があり、是正勧告した。長時間労働の違反が最も多い219カ所だった。

     ◇

 国土交通省が緊急監査で、重大、悪質な法令違反を指摘した48社のうち、今後も高速ツアーバス業務を続ける26社は次の通り。かっこ内は本社がある都県。

 ▽東北都市交通(岩手)▽翔礼交通、仙台富士交通(宮城)▽朝日観光バス、河北レンタカー(山形)▽桜交通(福島)▽総和観光、八丁タクシー(茨城)▽あさみ観光バス(栃木)▽埼玉自動車交通(埼玉)▽アルファ交通バス、東関交通、三友交通(千葉)▽ダイキカンコー(東京)▽小千谷観光バス(新潟)▽ケイ・エス(石川)▽郡上交通(岐阜)▽サンテック観光、東神観光バス、リムジオート(愛知)▽大上観光バス(兵庫)▽肱南観光バス(愛媛)▽サンマリンツアー(宮崎)▽あづま交通、霧島観光交通(鹿児島)▽翔陽(沖縄)




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