厚生労働省は18日開いた造血幹細胞移植に関する専門委員会で、体の様々な細胞に育つｉＰＳ細胞のバンクを作るために、臍帯（さいたい）血バンクに提供された新生児のへその緒の血液を条件付きで使ってもよいとの意見をまとめた。ｉＰＳ細胞バンクは、再生医療による病気治療のために京都大学の山中伸弥教授が設置を目指している。
臍帯血バンクは日本赤十字社が管理するもののほか、大学病院や特定非営利活動法人（ＮＰＯ法人）などが運営するものもある。本来は臍帯血の移植で病気を治すのが目的だが、法律上の規制はなく、厚労省も一部を使ってｉＰＳ細胞を作ることを容認した形だ。
管理された臍帯血バンクは衛生面での問題も少なく、ｉＰＳ細胞の臨床応用が進むと期待される。ただ、臍帯血バンクの血液は移植用に保存されているため、提供者の同意が改めて必要になる。
ｉＰＳ細胞を患者本人の皮膚細胞などから作れば免疫反応による拒絶なども無いが、個別に作れば時間も費用もかかる。山中教授らは、血液型でいえばＯ型のように誰にでも輸血可能な白血球のタイプを持つ人からｉＰＳ細胞を作り、備蓄することを検討している。
臍帯血バンクは白血球のタイプも登録されており、適した人を容易に探し出せる。
厚生労働省、山中伸弥、臍帯血バンク、厚労省、iPS細胞
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