大津・中2自殺:越市長 因果関係認め和解の方針を表明

毎日新聞 2012年07月10日 23時49分(最終更新 07月11日 01時04分)

「遺族と和解したい」と語る越直美・大津市長=同市役所で2012年7月10日、加藤明子撮影
「遺族と和解したい」と語る越直美・大津市長=同市役所で2012年7月10日、加藤明子撮影

 大津市で昨年10月、いじめを受けていた市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自宅マンションから飛び降りて自殺し、遺族が市と加害者とされる同級生らに対し損害賠償を求めている訴訟を巡り、大津市の越直美市長は10日夜、「(男子生徒は)いじめがあったから亡くなったんだと思う。遺族の主張を受け入れ、和解したい」と述べ、いじめと自殺との因果関係を認めて和解を目指す意向を示した。因果関係を否定してきた従来の主張を撤回するとみられる。

 また、いじめの実態などを調べるため近く設置する外部の有識者による調査委員会について、「裁判で因果関係を立証できるような(新たな)証拠を探すために調査したい」とし、遺族側に配慮した運営を行う方針を示した。「(自殺後)時間がたちすぎて、関係者から十分話を聞けない事態を招いたのは学校のいいかげんな調査が原因」と述べ、一連の学校と市教委の調査の不備を批判し、「調査内容はまったく信用できない」と断じた。

 一方、遺族から同時に訴えられている加害者とされる生徒3人や保護者については、「個別に訴訟をやっており、連絡を取り合うことはない」と語った。

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