水俣病:救済対象外の8割以上に症状
毎日新聞 2012年07月18日 19時50分(最終更新 07月18日 20時00分)
国の基準で水俣病と認められない被害者を救済する「水俣病被害者救済特別措置法(特措法)」の申請締め切りが今月末に迫る中、熊本、鹿児島両県で実施した一斉検診の実行委員会は18日、分析結果を公表した。両県の救済対象として定められた地域外の人や年齢が該当しない人のそれぞれ8割以上に、手足の感覚障害など水俣病と思われる症状がみられた。
検診は6月24日、患者団体「水俣病不知火患者会」や医師団などでつくる実行委が両県の6会場で実施した。32〜94歳の1396人が受診し、87%の1213人に痛みや触った時の感覚が低下する水俣病と思われる症状がみられた。受診者には、対象地域外の573人、対象年齢に入らない1969年12月以降生まれの41人がおり、感覚障害は対象地域外の88%(504人)、対象年齢外の85%(35人)にみられた。
さらに、医師の診断では、対象地域内・外、対象年齢外を問わず、痛覚や触覚の表れる場所などにほぼ同じ傾向が出た。