大津・中2自殺:市教委 調査を3週間で打ち切る
毎日新聞 2012年07月08日 01時25分(最終更新 07月08日 14時12分)
大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、複数の在校生がいじめと自殺との関連性を指摘しながら、市教委が調査を約3週間で打ち切っていた。在校生の情報からは、生徒の自殺前に学校側がいじめに気づく“シグナル”を見逃していた可能性も判明。真相究明や公表を巡る市教委の消極的対応が厳しい批判を浴びており、いじめ情報に慎重に向き合う姿勢が改めて問われている。【千葉紀和、加藤明子、村山豪】
いじめは一見「仲良しグループ」とみられる中で起きた。自殺した生徒と加害者とされる同級生らが、互いの家に泊まるなど急速に関係を深めたのは昨年7月ごろ。2学期が始まった9月以降、周囲は彼らの「変化」に気づいた。トイレでの暴行が目撃され、自殺した生徒は買ったばかりの眼鏡を「なくした」り、腹痛を訴えて学校を休んだりするようになった。
昨秋の体育祭では鉢巻きで手足を縛られ、蜂を食べさせられそうになる姿が多くの生徒や教諭に確認されている。見ていた生徒は「可哀そう」と漏らし、「そんなことして楽しいんかよ。人の気持ちを知れ」と注意もしたという。約2週間後、男子生徒は自殺した。