大津・中2自殺:聞き取り、数人で中断 市教委「慎重に事実確認」 /滋賀
毎日新聞 2012年07月05日 地方版
大津市で昨年10月、同級生からいじめを受けていた市立中学2年の男子生徒(当時13歳)の自殺後、生徒16人が学校のアンケートで「(男子生徒が)自殺の練習をさせられていた」と回答したと市教委が認めた4日。市教委は数人への聞き取りだけで調査を打ち切った点について、「慎重に事実確認を積み重ねた」と妥当性を強調した。
市教委によると、記名回答した4人に対し、保護者の了解を得て1回ずつ補足質問。伝聞情報を元に数人に追加で聞き取りし、「情報の発信者と思われる1人の生徒にたどりついたが、現場を見た生徒はなかった」として「信ぴょう性が低い」と判断したという。実際の聞き取り人数などの詳細は「少なくとも5人以上。確認の文言など詳細は分からない」と明言しなかった。
市教委には同日、「自殺の練習」の回答を把握しながら昨年11月の記者会見で公表しなかったとの報道を受け、市民らから抗議の電話とメールが160件以上(午後6時現在)寄せられた。「本当に調査を徹底したのか」「隠そうとしたのではないか」などの内容が多かったという。【加藤明子】