大津・中2自殺:市教委、回答8割確認せず 全校生徒いじめアンケで
毎日新聞 2012年07月07日 大阪朝刊
大津市で昨年10月、いじめを受けた市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、学校が全校生徒に実施したアンケートの回答を、内容別にA〜Dの4段階にランク分けし、市教委が全体の約8割にあたるA以外の回答の真偽を、加害者とされる同級生らにほとんど確認していなかったことが6日、市教委への取材で分かった。
B以下の回答の中には、市教委が公表しなかった「(男子生徒が)自殺の練習をさせられていた」とする生徒16人の回答や、「おどして銀行の口座番号を教えさせ、お金をとっていた」など金品要求に関する13人の回答も含まれていた。
ランクは、回答した生徒が記名か無記名か▽実際に見聞きしたか伝聞か−−で分類し、Aは記名で実際に見聞きした内容。アンケートは無記名を認めた上で行ったが、全体の6割弱にあたる無記名回答をその後の調査に活用していなかった。
いじめたとされる同級生や家族らへの聞き取りは一度だけで、その際も多くの情報を確認していなかった。市教委は「時間が限られており、まず確度の高い情報だけ聞いた。その後は聞き取りを拒否された」と理由を説明している。