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'12/7/14

都心に大人向け自習室相次ぐ



 広島市中心部などに、大人向けの有料自習室の開設が相次いでいる。集中して勉強できる場を会社員に提供。出勤前の「朝活」や、外回り中の仕事の整理などに使われる。景気低迷が続き、資格を得たい人が増えていることや、仕事に一層の効率化が求められることも背景にある。

 本通り商店街(広島市中区)のオフィスビルの7階。ボックスで区切られた27人分の机が並ぶ部屋で、会社員が参考書に向かう。昨年12月にプレシャスサービス(同)が開いた大人用自習室「U―CAL(ユーカル)」の、午後8時ごろの風景だ。

 出勤前や仕事帰りに利用できるよう、平日は午前7時20分から午後10時まで営業。オープンと同時に訪れる出勤前の会社員もいる。平日1時間の料金は380円。簿記の勉強をしていた安佐南区の会社員男性(38)は「家に帰るとテレビなどの誘惑がある。ここは机も広く、静かで集中できる」と満足そうだ。

 「社会人が落ち着いて勉強する場所がなかった」と河菜直子社長。景気低迷や就職難から「資格取得を目指す20、30歳代を中心にニーズがある。空き時間に報告書をまとめるなど、仕事の効率化が求められる会社員も利用する」と話す。開業から半年で会員は約600人になった。

 東広島市のJR西条駅前では6月、広島大の学生が「西条駅前自習室es」を開いた。日本政策金融公庫広島支店(中区)の創業支援を受けた。学生に加え、西条駅を使う通勤客の利用を見込む。

 ブース席とカウンター席が計20席。同大総合科学部4年の上田聖矢代表は「電車の待ち時間に集中して勉強や仕事ができる」とアピールする。

 JR横川駅(西区)近くの「SO@R(ソアラ)ビジネスポート」(中区)は12席を用意。起業を目指す20〜40歳代や定年退職前の会社員、主婦などの利用が多いという。

【写真説明】プレシャスサービスが運営する自習室ユーカル。右は河菜社長(広島市中区)




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