相場英雄の時事日想:“やらせライター”に困っている……とあるラーメン店の話 (2/3)
グルメ志向の高まりとともに、週刊誌やその他媒体がこだわりの店や行列のできる店を特集するニーズが上昇傾向をたどっていることも、こうした輩を助長させている側面もある。
「以前なら、怒鳴ってお引き取り願えれば良かったのだが」とは先の二代目店主。しかし最近はこうしたやり方が思わぬ副作用となっているというのだ。
無視できない口コミ
思わぬ副作用とは、インターネット上の口コミだ。
こうしたライター陣のあまりにも非礼な振る舞いに対し、店主は怒鳴った。しかし「あることないことをネット上でさらされてしまった」というのだ。ライターの多くはTwitterやFacebookなどのアカウントを持ち、かつ多くのフォロワーを有しているので、ネット上でその“ウソ”が広がった
ちなみに筆者が某ライターのTwitterをチェックしたところ、やはり“ネガティブ”な発言が並び、これに呼応した向きがリツイートを繰り返していた。
当該のライターとは会ったことはないが、以前から「やらせ」の評判を聞いていたこともあり、どちらの言い分を信じるかと言われれば、即座に店主を取る、という次第。
当然のことながら、店主は新規のお客さんには気を遣っている。丹誠込めて作ったラーメンを多くの人に食べて欲しい、というごくごく当たり前の感情を持っているからだ。
だが、こうしたライターたちの影響力は、インターネット上では存外に大きい。中には、「店に法外なカネを要求して紹介記事を書いている」ことを知らない読者もある。純粋な気持ちでラーメン店を探す向きに対し、こうした輩がネガティブな情報を流している、という側面も確実に存在するのだ。
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