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【サッカー】【目撃者】OA麻也が進化のスパイス2012年7月18日 紙面から
【パッキントン(英国)松岡祐司】ロンドン五輪に出場するサッカー男子代表はきょう18日、英国・ノッティンガムで行われる国際親善試合でベラルーシ五輪代表と対戦する。オーバーエージ(OA)枠で選出された故障明けのDF吉田麻也(23)=VVVフェンロ=にとっては待望の初陣。守備の要は「結果もそうだが、(重要なのは)内容を伴ってやっていくこと。たとえ(チームづくりが)後退しても、大会前に膿(うみ)を出し切りたい」と決意を明かした。チームは17日午前、午後の2部練習で最終調整。 故障を負った右膝は順調に回復曲線を描き、「8割5分から9割」で完調まで秒読み段階となった。「(出場)時間は分からないが、ベラルーシ戦に出ることは間違いない」。そう宣言すると、吉田は表情をキリッと引き締めた。 試合形式の戦術練習では、動きの量が増えるとともにキレと厳しさが出てきた。降雨で滑るピッチに体を投げ出すようなダイナミックなプレーも披露した。患部への不安感を払拭(ふっしょく)、もうワンステップ上がったことを意味する。 「大会が始まったら細かい修正は難しくなる。大会前に今は少しでも密にやっていきたい」 4年前、19歳で出場した北京五輪では「何もできなかった…」。力を出すことさえできすに散った。そんな後悔にも似た辛苦があるからこそ、最終調整の意義を強調した。 初陣前にあって、吉田の存在感は増している。OAという難しい役目に合致する希少な人材。「麻也は適任者。関塚監督は良いところに目をつけたと思う」。そう指摘するのは、名古屋ユース在籍時に吉田を指導した朴才絃(現J2千葉アカデミーダイレクター)だ。 当時、吉田の1学年上には世代別代表の青山(現J2徳島)がいた。プレーで群を抜く先輩相手にも、「青山がダメだと、麻也は平気で怒った」という。その一方で、「下の学年の選手にはからかわれたり。年齢に関係なく、真面目でしっかりした面と仲間と楽しくやれる面、その両面を持ち合わせた選手はいない。そういう人間性は他の選手とは明らかに違った」 五輪切符をもぎ取った若い集団。そこに入っていくのは周囲が考える以上に難しい作業だが、吉田はいとも簡単に溶け込んでいる。ピッチ上では鈴木、扇原らに厳しい指示を送りながら、練習の合間には永井にいじられ、チームには笑いが起こる。これぞ、唯一無二の「吉田流」だろう。 「初戦のスペイン戦がすべて。初戦にすべてを出し切れるように準備する」。吉田の存在そのものが、チーム進化のスパイスになるはずだ。 PR情報
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