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放課後のお話
4月20日 (弐)
百代も二時間目に登校してきて、なんか知らないけども落ち込んでいた。

私は特に慰めることもなく平和な時間を楽しんでいた。

そして、昼休みになった

「開幕ダッシュ!」

不覚ながらも私はお昼ご飯を忘れてしまい、今日は食堂だ。

食堂―――つまりは戦場への一番槍は渡さない!!

階段を一気に飛び下りる、すると食堂近くで走っている男の子が居た

確か、ガクト君だっけか? とりあえずその子をこの目で捉えた

「おっさき~」

でも昔から勝負やなんやらでほとんど毎日、全速力で走ってきた私には死角はないっ!

「な! アキさんが食堂に!?」

ガクト君の叫びを背中で受けつつ私は風になり、そして――――――――――

「一番槍は貰ったぁ!」

私は誰よりも先に食堂に着くのであった




「いや~、まさかアキさんがやってくるとは思わなかったっす」

「ははは、私としたことが今日のお昼ご飯を忘れちゃっててさ」

昼食を仕入れた私とガクト君は一緒のテーブルでご飯を食べることにした。

一応、四人席である

「しっかし、本当にみんなよりも先に来てよかった」

チラリと食売場の方に視線を向けると、そこでは乱闘紛いの順番争いが勃発していた。

「アキさんは食堂初めてですか?」

「初めてって訳ではないんだけども、いつも買ったら一子ちゃんと一緒に違うところで食べるから」

「あぁ……ワン子の奴はアキさんに懐いてますもんね」

うん、すっごく可愛いよね一子ちゃん

「だからこういう風景は、初めてに近いかな」

だから新鮮に感じられるね、こんな風景

「あ、美味しい」

「それ自分のオススメです」

へぇ、ガクト君は良い味覚をしてるね~。流石はナイスガイ

そんなことを言ってみたら、顔を赤くして照れてた。




大和side

「ってなことがあったわけよ」

俺とモロとガクトは一緒に帰っている途中、ガクトが今日の食堂でのことを話してきた

「いや、いつもお綺麗だとは思うけども近くで見たらマジで惚れるぜ。あれで男とか神様はきっと性別を間違えてアキさんを産んじまったんだ」

「ははは、珍しく女の子以外のことも語るねガクト」

「アキさんやモモ先輩みたいな美人の彼女が欲しいな。そう思わないか大和?」

「そりゃあ若者としては欲しいさ」

別に美人以外にも可愛い系とかも良いと俺は思う。

まぁ、ガクトみたいにそこまでガッツいてはないけ

「ガクトは一子とかどうなんだ」

「俺様は犬を愛でる趣味はねぇ」

「すごい言い草だね」

その後もガクト達との女性について語らいは続く

side out

放課後、私は一人でのんびりと帰宅する

あぁ、風が気持ちいい

最悪なのは隣に百代が居ること

「………………」

「………………」

会話は特にない、でも気まずい沈黙ってわけでもない

私は視界に百代が入るのが嫌だから少し早めに歩く

するとそれに合わせて百代も歩くスピードを上げてきた

「………………」

「………………」

なんなのさ、一体

とりあえずこいつよりも後ろに居るのが嫌だからもう少しスピードを上げる

百代よりも前になった

でもすぐに百代が私の前に出てきた

「………………」

「………………」

何度か同じことを繰り返す、そしてついには

「なんで百代まで走り出すの、大人しく歩いてなさい!!」

「うるさいぞアキ! 今の台詞、そっくりそのまま返してやる!!」

あぁ、うざい

なんでこんな全速力で走らなきゃいけないの

「あ、姉さんにアキさん」

ビュンッ!

なにか今、百代の弟君みたいのが居た気がするけどもそれどころじゃない

「「うぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」

今こそ風になれ、私!!

語りside

「なんだったんだ今のは」

大和は走り去っていく二人の後ろ姿を見つめながらそう呟いた

「あぁ、行っちゃったわ」

百代たちと入れ替わりになるような形でやってきたのはワン子であった

「ちょうど良いところに。ワン子、状況説明よろしく」

モロに言われた通り、ワン子は事の経緯を話し始める

「ははは、そういうことか」

納得する三人

「ところでよ、気になったけどもモモ先輩ってもっと速くなかったか?」

「うん、でもそれは気で強化しているからよ。今のお姉様は身体を気で強化なんてしてないもの」

「そりゃまたなんで?」

「お姉様曰く『アキは気で強化してないんだ、私だけがしていたら私が勝っても勝った気にならない』かららしいわ」

あくまでも同じ土俵で、同じ条件で勝負する

それが百代のアキとの勝負する時の鉄則であった。

「あ、私はあの二人を追いかけるからじゃあね!!」

二人が走り去った方向にワン子も走って行き、再び男三人でムサ苦しく帰ることになった大和たちである。

side out

「くっ、私としたことが引き分けだなんて……まだまだね」

お互いに気で強化していない身体能力は同じぐらい

体力では少しあちらが勝っているかな?

「これでも鍛えているつもりなんだけどね」

こっちと違って向こうは武道の総本山で毎日修行しているんだものな、むしろここまで喰らいつけている私を褒めるべきか。

「あぁ、でも悔しいな~」

次こそは勝ってやるんだから。

「ア~キさん!」

後ろから抱きつかれる

「わわわ! な、なんだ一子ちゃんか」

私がそう言うと一子ちゃんは頬を膨らませる

「もう、アキさん! 『ちゃん』なんて付けないでください。一子かワン子でも良いんでもっと気軽に呼んでくださいよ!!」

「あはは、ごめんね。ちゃんと一子って呼ぶから許して、ね?」

少し屈んで顔の高さを合わせて、一子へ私は微笑みかける

「あ~、うん! これからはちゃんと呼んでくださいね///」

なんか顔を赤くして言う一子

本当、愛でたくなる子だな~

「ところで一子はなにしにきたの?」

「今日はアキさんの家にお泊りして良いか聞きに来たのよ」

またか、別に構わないけども

「川神院の修行は良いの?」

「当然、終わらせてからくるわ」

「夕飯は?」

「アキさんの手作りが食べたい!!」

なら今日は頑張らなくちゃ

「分かった、じゃあまたあとでね」

「うん!」

ダダダと走り去る一子、元気な娘ね

さて私も帰りますか
ワン子ってこんな感じで良いんだっけ?

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