プロローグ1
小さいころから憧れの人がいた。
その人とは生まれた日と時間と病院が同じで、幼稚園からの腐り縁だった。
その人とはいつも勝負していた。
でも喧嘩をしたことは無い。
今日はどっちが早く起きたか、とか
今日はどっちが早くご飯を食べきったか、とか
本当に些細なこと。
その人の家は有名な武術の家で、その人は喧嘩が強かった。
正確には武人だから武術が強かった。
負けず嫌いな自分は、対抗して喧嘩が強くなった。
誰かになにかを習ったわけじゃなくて全部我流
なにかの武術を極めなくても、人は強くなれるんだってことの証明をしたかった
私の憧れのあの人に、負けたくなかった。
喧嘩はしたことがない、お互いに勝負を避け合っているのか分からないけども十八年間、毎日のように合っているのに一度も喧嘩がないのも珍しいだろう。
十八年経った今でも毎日のように何かで勝負しているのにねぇ
考えてみれば、勝負するのもどちらかが言い出すのではなくて自然にいつの間にかそうなってしまっている。
昔からだ、犬猿の仲とでもいうのか?
授業中に、窓の外を見ながらそんなことを考えている私―――近衛 秋―――は川神学園の三年生だ
よく女の子に間違われるけども男の子です。
ロングの紅い髪をしているのが原因か知りませんけども、なんで間違われるのでしょうかね?
「ん?」
私は隣の席に視線を向けます
そこには黒髪の女性が寝ていました。
だから思わず
「起きなさい、授業中でしょうが」
「ンガッ!?」
椅子を蹴って起こしてやりました
ついでに顔面を机にぶつけていたので良い気味です。
「なにをするんだ、アキ!!」
どうやらご立腹のようですね、川神百代
「はぁ、百代……横を見なさい」
言われた通り、百代は横を見る
そこには―――――――――――――
「川神、お前は今さっきまでなにをやっていた?」
「……こ、小島先生」
「廊下に立っとれ馬鹿者がぁぁあ!!」
ははは、愉快な光景ですね
別に百代が嫌いじゃないけども、こういう光景は新鮮で良いです。
授業も終わり、お昼休み
百代が勢いよく教室に入って、私の席目掛けて行きます
でも私はとっくのとうに百代が入ってきたのとは反対側のドアから逃げ出しましたから問題はありません。
しかし、今日はどこでご飯を食べましょうか……
「あ、アキさーん!」
廊下の向こうから手を振って走ってきたのは百代の義妹
名前を川神一子と言います。
犬を想像させるその行動と姿から親しい子達の間ではワン子と呼ばれているみたいです。
「一緒にお昼ご飯を食べましょう!」
「ええ、良いですよ」
頭を差し出してきてあげたので私は頭を撫でてあげます、すると気持ちよさそうな顔をするのでついつい続けちゃうのですよ。
「はっ! こんなことしてるよりも早く行きましょう!!」
手を繋いで引っ張て行く一子
なぜかこの子には懐かれているのですよね。
男の子も女の子も私には近寄ってきてくれないので私としても特に可愛がってしまいますからそのせいでしょうか?
屋上に着くと今日は偶然にも誰も居ないようで、私達二人の貸切です。
「ぬふふ~、私の特等席」
地面に座ると待ってましたと言わんばかりに一子が膝の間に座ってきます。
座るや否や、私の胸に頬ずりしてきますし……本当に子犬みたいですね。
私は青い空を見上げて呟きます
「あぁ、なんて心地よい日でしょうか」
この平穏な毎日が続きますに
そう願わずにはいられない今日この頃です
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