孫などを装って電話し、だましてお金を口座に振り込ませる「オレオレ詐欺」。社会問題化した2004年に警察庁は「振り込め詐欺」という統一名称を発表し対策に乗り出したが、11年の被害額は前年より27億円余り多い106億2200万円と撲滅にはほど遠い…。本紙ではこの「オレオレ詐欺」を始めたグループにいた藤野明男氏(仮名=20代後半)に接触。逮捕され、すでに刑期を終え、現在は北関東に住む藤野氏を直撃した。
――オレオレ詐欺を生み出したきっかけは
藤野:当時、自分はある闇金で働いていました。ある日、営業成績の悪かった一人が、借金が焦げ付いてる人の家族の情報まで入った名簿を見ながらトバシのケータイで電話してたんです。「あ、おばあさん。お金ないから振り込んでよ」「いくらだい?」「40万円」というやりとりをして、その一人が僕らに「明日振り込むって」と。本人は遊びみたいな感じで電話したらしく、みんなも「本当かよ!」と笑ってたけど、翌日本当に40万円が振り込まれたんです。
――そこから広まった
藤野:本当に遊びだと思ってたし、こっちは融資の新規客を取るのに必死で気にしてなかったけど、ある日、別の一人がマネしだした。それからその闇金みんなでやるようになったんです。最初は10件かけて1~2件は振り込まれました。名簿の客はすぐにかけきり、ランダムにかけ、おばあさんっぽい人が出たら「もしもし、わかる?」。自分たちは「オレオレ」とは言わなかった。
――当時はどんな心境
藤野:相手の顔を見ないし、接触もない。被害に遭われた方は「ふざけるな」と思うでしょうが、本当にゲームというか遊びというか…そんな感覚でした。自分たちでも何やっているかよくわかってなかったんです。「これ、詐欺じゃない?」「詐欺だったらヤバイよ」という話になったけど、うまくいっていたのでやめられなかった。
――刑事から「架空口座に振り込ませたのはお前たちが初めて」と言われたそうだが
藤野:闇金だから架空口座があったんです。そのうち、闇金の上のつながりからか、他のグループもやるようになり、逮捕者が出た。そこで一度やめ、闇金も解散しました。しかし最初に始めた一人に誘われ、また始めた。半年後にその一人が逮捕され、自分も自首しました。
――取り調べは
藤野:何十件もあったから厳しかったです。その中で被害者の方の手紙を見せられ、本当に、心から反省しました。怒るんじゃなくて「そんな若い人がやっていたのですか。長い人生だから…」とこっちを気遣ってくれたんです。泣きそうになりました。それから被害にあった方すべてにお金を返そうと決めたんですが、一人、「私は息子に出したんだから」と受け取ってくれない方がいた。20~30年、息子さんに会ってなかったそうです。それを聞いて本当に悪いことをした、申し訳ないと思いました。
――返金したのか
藤野:自分はバカみたいに使わなかったので、親が用意してくれたお金と合わせてお返ししました。今から考えると、お年寄りから金取って最低なことをしてました。
――現在は
藤野:実家に帰って家業を手伝っています。これからは人のためになることをしなければいけないと思ってます。担当してくれた刑事さんと対策マニュアルを作ったり、自分のやったことを本(「悪魔のささやき オレオレ、オレ」=光文社)にして、経緯と拘置所や刑務所でどれだけみじめな思いをしたかを書きました。これ以上被害が出ないためと、詐欺をやってる連中に「捕まったらこんなみじめな思いをする」と伝えるためです。もう絶対に、あの頃の自分には戻りません。
30年以上、世の中高年の人々に元気を注入し続けているタフマン。そんなベストセラー商品にミス東スポ候補の美女が突撃取材!愛され続ける理由や、気になるタフマンマークの由来に迫った。
「ミス東スポ2013」を目指し、ライブチャット、撮影会、ブログアクセス数、電子写真集の獲得ポイントによるサバイバルレースを展開します。第1クールの5人が決勝クール進出。