EDや精力減退に効く?〝夢のワクチン〟
2012年07月18日 12時00分
【なつかしの健康法列伝:妊婦の尿強精法】
高度経済成長まっしぐらの1970年。事もあろうに〝妊婦の尿で精力増強〟なるブームが起きた。
男性の睾丸の中に男性ホルモンを生成する器官があり、その器官だけを刺激するホルモンが、妊婦の尿にだけ含まれているというのがその根拠だ。
もちろん、直接妊婦の尿を飲めばいいというわけではない。そのホルモンを抽出して注射で体内に取り込むことで、EDや精力減退、早漏に効くとされた。つまり、立たなくなったモノを立たせてくれた上に、おつとめまで立派に果たせるようになるという〝夢のワクチン〟だったのだ。
なんでも、当時のチェコスロバキアやユーゴスラビアなどの東欧の共産圏から入ってきた療法だそうで、その地域は妊娠から出産まで国家が管理していたため、妊婦の尿を集めるのに格好のシステムだったとか。
今では都市伝説にしか聞こえないが、60年代後半から都内住宅地で「妊婦のおしっこ買います」と製薬会社が回っていたことが確認されており、この注射を求めて病院の門を叩くサラリーマンの姿が見られるなど実在した療法なのである。
不景気が続き精力が自然となくなった〝草食系男子〟が増えるのも問題だが、しゃかりきに働いた見返りが精力減退というのも厳しすぎる。いつの時代も男はつらいよ…。
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