猪子寿之×安藤美冬 【第1回】 ランドセルで高校に通った伝説を持つ「異色の天才」猪子寿之はどうやってつくられたのか

2012年07月15日(日) 安藤 美冬
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安藤: 平等に教育機会を与えるために、入学する高校をクジで決めるんですか? 詳しく聞かせてください。私、そういう制度があるなんて知りませんでした。

猪子:  徳島県内の普通科を希望順に5から6校、書きます。家からの距離も出します。そうすると、どういう仕組みかわからないのですが、その情報をもとに行く高校が割り振られます。つまり、成績優秀な子が第一希望で人気の高校を志望しても、その子はどこか他の高校に回されて、あえて別の成績の子を合格させるんです、全体のレベルを平均化するために。

安藤: すごいですね、それは。

猪子: 昔は、例えば徒競走で順位をつけずにみんな一緒に手をつないでゴールする、みたいなの、ありませんでした? そういうこと、いっぱいあったと思います。

すでに異彩を放っていた徳島の高校生時代

安藤: 猪子さん、中学生のころは、よく勉強してたんですか?

猪子: 中学のときは・・・、普通です。塾にも行ってたし・・・。

安藤: ここでも「普通」と言われちゃいました(笑)。さっき言った同じ高校出身の某女子は、「すごく頭のいい人だった」って言っていましたよ。

猪子: 周りはヤンキーばっかりでしたからね、割り算とか出来ただけで「頭いい!」って言われますよ。

安藤: クジで決められるので、様々なレベルの人たちが一緒に学んでいたんですね。

猪子:いや、大学に進学する人は、全校生徒の半分ぐらいしかいなかったですからね。僕もそんなに成績が良くなくて、正確な数字は忘れましたが、卒業式のときに3年生の一年間の成績順位が出るんですけど、ぼく、たしか40番台でしたからね。

 たとえば、ぼくが46位だったとしたら、45位の子なんか、偏差値50を切る大学に行ってましたからね。少なくとも学校の成績は良くなかったんです。でも、頭よさそうには見えたんですよ。

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