猪子寿之×安藤美冬 【第1回】 ランドセルで高校に通った伝説を持つ「異色の天才」猪子寿之はどうやってつくられたのか

2012年07月15日(日) 安藤 美冬
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安藤: 確率論的にね(笑)。背負ってそうですよね(笑)。まぁ、それはさておき、こうした学生時代の知られざるエピソードも含めて色々とお伺いしていきたいと思います。まずは、猪子さんがどういう学校教育を受けてきたのかを聞かせてください。

猪子: 普通です。

安藤: 大学では数学を専攻されていたんですよね?

猪子: はい、計数(工学)ですね。

安藤: 確か、以前に昔から数学がすごく得意だったと話していましたよね。東大の入試でも、英語はサッパリできなかったのに数学だけは全問正解。そのおかげで国内最難関の大学をストレートで合格できたわけで。そういう極端さというか、デコボコした部分に猪子さんらしい才能の片鱗を感じます。

猪子: よくそんな話を・・・。記憶力いいですね。

安藤: 覚えてますよ(笑)。今、猪子さんが手がけている最先端の芸術表現、アートの分野において、ご自身が得意とする計数(数学)は密接な関係がある気がしています。一見、右脳的なものと左脳的なものとして相反するように思えますけれど。その辺のお話も、今のお仕事と絡めて伺ってみたいと思っています。

そもそも猪子さんは、学生時代、親から「勉強しろ」って言われてたんですか? どんな親御さんだったのか、どんな家庭教育を受けたのかをぜひ聞かせてください。

猪子: いや、本当に普通だったんです。

安藤: 猪子さんの「普通」は世間一般で言われる「普通」とは違うんじゃないかと思いますが・・・(笑)。では、通っていた高校はどんな学校だったんですか?

猪子: 県立高校です。県立城東高校という、徳島駅前にある学校に通ってました。

 そうそう、徳島の学校には、入試も総合選抜制度(注:学校間格差の解消を目的として、居住地や学力などによって合格者を学区内の各校に平均的に振り分ける制度)で、クジで行く高校が決まる、という制度がありました。全国でも少ないですよね。いまはさすがにちょっと変わったと思いますけど、僕の時代はまだ・・・。 

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