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2012年7月17日(火) 20:00 |
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岡山大、心筋再生治療7人で効果
改正臓器移植法が制定されて17日で2年です。 子どもの臓器移植は、なかなかドナーが現れない現状の中、岡山大が取り組んできたのは、臓器移植でしか助からない心疾患の患者への新たな治療法です。 去年から行われている小児の心筋細胞の再生治療で、目標としていた7人全員に効果が確認されました。
今月上旬、岡山市に住む1歳の男の子が、岡山大学病院に定期検診に訪れました。 男の子は生まれつき左の心室がほとんどなく、血液を送り出す機能が弱いため去年秋、岡山大学が臨床研究している治療を受けました。 岡山大学の研究は去年3月、世界に先駆けて始まりました。 治療には、先天的に心臓に疾患を持つ子どもに対して、心臓のバイパス手術をした時に切り取られた細胞を使います。 切り取られた細胞の中には、心臓の筋肉を作り出す「幹細胞」と呼ばれる細胞があります。 この幹細胞を培養して増やし、再び心臓に移植することで、心臓の筋肉を増やしポンプ機能を高めようというものです。 岡山大学は、この治療の臨床研究を目標としていた7例実施、心臓のポンプ機能はいずれも改善傾向が確認され、手術から一年後も効果が継続されていることが、2つの例で確認されています。 この日、検診に訪れた男の子も心臓機能が半年で16%向上、日に日に成長が見られるといいます。 この男の子の疾患は、これまでのバイパス手術だけの治療では、中学生になるまでの生存率が半分という厳しい状況です。 改正臓器移植法が制定されて2年たちますが、小児患者にはドナーがほとんど現れないという現状が続いています。 岡山大学は、この秋にも規模を拡大した再生治療の臨床研究を国に申請する予定です。 将来的には保険が適用され、多くの患者がこの治療を受けられる通常の医療を目指します。
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