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円滑な交通へ対策急ぐ

高速警察隊本隊 栗東IC移設
 滋賀県警は新名神開通に合わせ、高速道路交通警察隊の本隊を名神彦根インターチェンジ(IC)から栗東ICに移す。滋賀県は、名神高速道路が日本の東西を結び、北陸自動車道は北陸地方への玄関口となる交通の要衝だ。新名神開通で利便性はさらに増す。一方、事故や渋滞が起きれば、経済や生活に与える影響は大きく、高速隊は対策を進めている。
■渋滞や事故多発警戒
 高速隊の担当は名神、北陸道、京滋バイパスで延長は計約百二十七キロ。新名神を加えれば、約百七十六キロに拡大する。
 今年十月末現在、県内の高速道路での人身事故件数は百三十九件で、死者は三人、負傷者二百四十六人。今後、事故件数は上回ることが予想される。特に、新名神と名神が合流する大津市の草津田上ICでは、渋滞や事故の多発も警戒される。
 新名神開通に合わせ、県内ではここ数年、企業立地が活発で、特に通行路となる甲賀市に集中しており、大型トラックの通行増も見込まれる。
 大型トラックが絡む事故は大惨事に至る可能性が高いため、高速隊は、▽速度違反▽短い車間距離▽寝不足や過労運転▽積載超過−など悪質な違反や危険運転の取り締まりを強化し、全日本トラック協会などと連携して啓発にも力を入れる。
 隊員も七十七人から十二人増員し、高速走行での進路転換など運転技術向上や渋滞を防ぐための迅速な交通規制の訓練に取り組んでいる。
 さらに、新名神のカーブの見通しや高低差など危険個所のチェックも必要で、開通までに試運転を繰り返し、万全の体制を整える考えだ。
 川合明隊長は「新名神は日本の大動脈となり、相当数の交通量が見込まれる。安全と円滑な交通を確保する責任は重大で、隊員一丸となって任務に当たりたい」と話す。
【2007年12月2日掲載】