頑固親爺の徒然手記(難問解決への道標)

現役を引退した頑固親爺が、法治国家において法で解決できない問題が山積している現代社会に本音で迫り、問題解決策を模索していくブログ。難問を抱え込まないで相談にも応じます。

過熱するマスコミフィーバー

 日毎、最も恐れていたことが現実となってきた。
 いじめ問題でマスコミがフィーバーすることである。
 熊本・大分を中心とした豪雨による災害記事よりも、大きな文字での記事やテレビ画面が横行している。
 中学生や保護者への取材合戦など、完全にモラルを失っていることを自覚しないのだろうか?
 遅ればせながら教育関係者が対策チームを編成して対策を協議し、警察も異例の強制捜査に着手したのだから、静観するのが常識だろう。
 毎日、重箱の隅をつつくような記事を掲載しないで、大局的な立場でいじめ問題に取り組むのが、マスコミの使命であると考える。
 新聞、テレビの取材人が、夏の夜の誘蛾灯に集う害虫の姿と重なる。
 ところで、筑波大学といえば、旧名は東京教育大学、その前は東京師範学校であって、多くの教育者を配してきた名門大学である。
 この大学の名誉教授で、国際医療福祉大学教授の小田晋先生の著書に、「大人社会のいじめ心理を分析しよう」と題した本がある。
 興味ある人は、本を購入して読んで欲しいが、インターネット上にこの本を要約した内容が公開されている。
 無料でアクセスできるから、この要約文を読んで勉強されることをお勧めするが、自身が注目するポイントを紹介しておこう。
 先生は、いじめを社会(自身の第29篇のブログに綴ったように、いじめは学校だけのことでなく社会にも蔓延していることの意)の病理現象として、危機感を抱いておられ、いじめに悩んでいる大人、自分をダメ人間と思っている大人に必読してほしいと考え出版されたようである。
 注目するポイントは、人間に限らず脊椎動物が基本的にもっている3つの欲求は食欲、性欲、攻撃欲で、いじめは、この攻撃欲の発現であって、生命の存続に不可欠なものとされている。
 自身のような無能力者の考えを、小田教授の考えと同列視しすることは奥がましいが、教授も、攻撃欲がある限りいじめはなくならないとの考えである。
 そこで、いじめはなくならないから放置し自然の成り行きに任せると大変な国になるから、いじめを抑止するための方策に関して次の3点挙げておられる。
 その1は、本能的な欲望を抑制する機能は大脳皮質がつかさどっているから、躾や教育等による大脳皮質へ働きかけが重要であること。
 その2は、いじめには必ず罰を与えること。
 その3は、幼児期のスキンシップが大切であること。
 この3点目を詳しく説明すると、人の心の痛みを理解する能力は、幼児期の母親の影響が大きいから、母親が子供に対して密接な働きかけをして子供の情緒的な心を成長させることが重要であると唱えておられる。
 核家族が蔓延して、いわゆる、おじいちゃん、おっばちゃんと同居しないし、夫婦共稼ぎで、幼少期から保育園や幼稚園にこどもを預け、スキンシップの機会が少ない母子関係が現代社会の実情である。
 共働きしないと生活できない家庭もあるが、贅沢をしたいから共稼ぎをする家庭もすくなくない。
 目前の収入(お金)を儲ける(得る)一方で、大事なものを失くすこと(こどもの情緒的な心を成長させることが疎かになる。)となり、その数年先(子供が小・中学生になった頃)に取り返しのつかないことになってしまうかもしれない。
 そして、その情緒的な心は大人になっても成長しないから、犯罪者等へと転落していくのである。
 熱烈な恋愛で結婚し、子供を儲けておきながら、親のエゴで離婚し、その大半は女性(母親)が子供を引き取るケースが多くみられ、母親は働かないと生活できないから、やむを得ず子供を保育園などに預ける。
 子供の躾や教育は保育園任せとなってしまうようでは、将来、我が子がいじめの当事者になる危険性がある。
 ましてや、離婚後に別の男と一緒(再婚、同棲)し、男からみると子供が邪魔になってきて折檻する、放置するなど痛ましい事件が多発している。
 また、シングルマザーになっても、若い母親はまだまだ遊びたいから、子供をあずけたままにして遊び耽る・・・・・・・
 愛する子供とスキンシップができるわけがない。
 近隣に住む女性からもこんな悩みを聞いた。
 この女性の娘さんは良家に嫁いでおられ、最近子供にも恵まれ何一つ不平不満はないとおもわれがちであるが、大きな悩みがあるとのこと。
 共稼ぎの必要もなく、何時も子供と一緒であるが、母親が携帯電話やスマートフォンに夢中で、子供とのスキンシップをしないということであった。
 こんな若い母親が多くなると、将来において、いじめは増加するように思える。
 マスコミ報道に惑わされることなく、また、今話題となっている某中学校を批判することに終始することなく、これを他山の石として、大局的な視点でいじめについて真剣に考えてほしいものである。
 今回、自身のブログに寄せられたコメントには、脊椎動物の本能の一つである攻撃欲が如実に表れたものが多くあるが、よくよく考えると、これも「いじめ」行為そのもである。
 しかし、自身がこうしたブログを寄せた者からみて、肉体的、精神的、立場的に弱い立場にあるわけでなく、稚拙、低俗な内容によって苦しんでいることもないので、いじめに当たらないが、相手がかわれば立派な「いじめ」そのもの、そして、いじめは犯罪行為である。
 マスコミフィーバーには、本当に困ったもので、他社よりも話題になる記事を取材しようとしている姿は、飛んで火に入る夏の虫のように思える。
 マスコミには、いい加減にしてほしい。報道の精神、使命の原点は・・・・・
 
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甲賀の"ういたかひょうたん狸"
  • Author: 甲賀の"ういたかひょうたん狸"
  • 1948年1月生れ
    長年、公務員として奉職し定年退職
    コンサルタント会社オフィース”K”代表
    地方公共団体、道路管理、警備業等の顧問、セキュリティーアドバイザー、相談役経験
    社員教育、公判対策、各種問題解決、対外交渉、リスク管理、コンプライアンス等幅広く担当
    「生涯現役」が信条
    法的な解決だけでなく、日常生じる「難問」を抱える企業等の要望に対応、奮闘中

     

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1948年1月生れ
長年、公務員として奉職し定年退職
コンサルタント会社オフィース”K”代表
地方公共団体、道路管理、警備業等の顧問、セキュリティーアドバイザー、相談役経験
社員教育、公判対策、各種問題解決、対外交渉、リスク管理、コンプライアンス等幅広く担当
「生涯現役」が信条
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