過去の墜落事故調査にあたった空軍元幹部、オスプレイの弱点指摘
沖縄へ配備される予定のアメリカ軍の垂直離着陸輸送機「オスプレイ」は、日本時間16日夜、経由地のグアムを出発した。こうした中、過去の墜落事故調査にあたった空軍の元幹部が、FNNのインタビューに応じ、「エンジンが砂や土ぼこりに弱い」と、オスプレイの弱点を指摘した。
元墜落事故調査委のドナルド・ハーベル氏は「オスプレイは、離着陸の際に、砂や土ぼこりでエンジンが傷むケースがあるのが弱点だ」と話した。
2010年4月に、オスプレイがアフガニスタンで不時着して、4人が死亡した事故の軍の調査委員長を務めたハーベル氏は、オスプレイの機体の弱点を指摘するとともに、ヘリコプターやほかの輸送機に比べて操縦が難しく、パイロットは十分な訓練が必要だと指摘した。
その一方で、機体は何度も改良を重ねられ、安全性は向上しているとの認識を示した。
また、当時の調査の過程で、エンジンの故障が原因の1つだと報告したところ、当時の司令官から反発を受け、内容を変更するよう求められたとしている。
ドナルド・ハーベル氏は「今でも、(2010年の)事故原因は論争になっている。(エンジン故障と報告すると)司令官から多くの圧力を受けた。軍は不都合があったのだろう」と話した。
これに対して、ハーベル氏が所属していた空軍特殊作戦司令部は、「事故調査委員会のメンバーに、必要以上の影響力を行使することは規則で禁じられている」として、圧力があったとのハーベル氏の主張を真っ向から否定している。