最終更新: 2012/07/17 18:54

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滋賀・いじめ自殺訴訟 同級生側「じゃれ合っていただけ」

滋賀・大津市のいじめ自殺問題で、17日、注目の2回目の口頭弁論が行われた。これまで、自殺といじめの因果関係は認められないとしてきた市の対応に、大きな変化があったが、加害者側は何の変化もなかった。
大津市市側弁護士は「学校、教育委員会の調査、および公表が不十分だったために、事件があった中学校の在校生およびその保護者の皆さん、そして何よりも、ご遺族さまや、絶望の淵にあって、死を選ばざるを得なかったご本人様に、大変ご迷惑をおかけしました。大津市長に代わって、深くおわび申し上げます」と話した。
「市長に代わって深くおわびします」と話し、深々と頭を下げたのは、訴えられている滋賀・大津市側の弁護士。
自殺した男子中学生の両親が、市や同級生らに損害賠償を求めている裁判で、17日、2回目の口頭弁論が行われた。
市が責任を認めるのか、注目の裁判ということもあって、大津地裁の前には、多くの報道陣が集まった。
さらに、36席という一般傍聴券を求めて、多くの人が列をつくった。
この裁判の争点は、男子生徒の自殺と、いじめとの因果関係。
これまで、大津市の教育委員会は、いじめがあった事実は認めながらも、「いじめが原因で自殺したとは判断できない」と、争う姿勢を見せていた。
しかし、大津市の越 直美市長は10日、「まずは、事実を明らかにするように最大限努力をしたうえで、それから和解をしたいと思っています」と、和解の方針を表明していた。
そして、17日の口頭弁論で、大津市側は「今後、いじめと自殺の因果関係を認める可能性が高い。和解協議をしたいという意思もあるが、第3者委員会と警察の調査結果が出るまで待ちたい」と、これまでの主張を変更した。
閉廷後、市役所で取材に応じた越市長は、あらためて、「裁判所で因果関係を立証するのは、原告側(遺族側)としては、非常に大変なことだと思っています。因果関係があったんだというような前提に立って、必要な調査を十分やっていければというふうに思っています」と話した。
こうした大津市側の主張の変更に、原告側(遺族側)は、会見で「教育委員会と市長との意見が食い違っている。そういう状況の中で、市長が『因果関係を認めた』、その点については、評価をしております」と述べた。
一方で、男子生徒の両親から、同じく損害賠償を求められている同級生側。
17日の口頭弁論で、大津市は、これまでの主張を一転させたが、同級生3人は「じゃれ合っていただけ」と、いじめそのものについて否定した。
こうした同級生側の主張について問われた越市長は、「文科省の定義に照らして、『いじめというのは、されている本人が苦痛を感じる』というようなことですので、それに対して、加害者とされる側が、どう思っていたとしても、大津市としては、それはいじめにあたるというふうに判断したということです」と述べた。
野田首相は16日、「FNNスーパーニュース」に出演し、「いじめられている子がいらっしゃるとするならば、ぜひお伝えしたいことがあります。あなたは1人ではありません。あなたを守ろうという人は必ずいます。それを信じて、お父さん、お母さん、先生、友達、誰でもいいから相談してください」と話した。
16日、「FNNスーパーニュース」に生出演した野田首相が送った「周りに相談してほしい」というメッセージ。
17日の法廷には、まさに、そのことを悔いる1人の男性がいた。
滋賀・守山市の小林 恵さん。
小林さんは「突然、きのうまで元気だった子どもが、急にいなくなるんですよね。その気持ちは、ほんま、死んだ子を持つ親でないと、わからないですよ」と話した。
小林さんは、3年前に自ら命を絶った娘・愛由(あゆ)さんの遺影を携えて、傍聴に訪れていた。
小林さんは「(中学2年生?)そうです。(男子生徒と)同じ13歳でした」と話した。
2009年、当時中学校2年生だった愛由さんは、部屋に遺書を残し、自宅近くのマンションから飛び降りた。
小林さんは「(遺書には何と?)お父さん、お母さん、お世話になりました。ありがとうと書いてあった。子どもが『ありがとう』と言って死んでいくんかなと。人間の命は、こんな軽いもんかなと思いましたね」と話した。
小林さんは、その後、愛由さんが自殺した原因を究明しようとしたが、ほかに手がかりはなく、真相には、たどり着けなかったという。
小林さんは「いまだに、(自殺の理由は)はっきりわからないんです。態度でも出てこないことがあるので、きょうは何かなかったかと、聞いてやることが、わたしはしたかったです...。まさか自分の子どもが自殺するなんて、誰も考えないので...」と話した。
そうした中で報道された大津市の事件。
小林さんは、わが子を自殺で亡くした親として、今回の男子生徒について、その理由が解明されるべきだと、強く願っている。
小林さんは「(法廷で男子生徒の父親の様子は?)つらそうな顔をしていました。前を見て、ずっと...。頑張るぞ、耐えるぞという感じですね。そうせな、しょうがないんじゃないですかね」と話した。
同じ痛みを持つ親の気持ち。
17日の口頭弁論を終え、男子生徒の父親は、弁護士を通じて、胸中を明らかにした。
原告側弁護士は「わたしたちは、息子が自殺しなければならなかったほどのいじめとは、どういうものであったのかということを問うために、今回の裁判を起こしました。1日も早く事実が解明され、1日も早くその原因が究明され、1日も早く真に有効な対策が講じられ、1人でも多くのいじめに悩む生徒さんを救えることを望みます」と、父親のコメントを発表した。

(07/17 17:17 関西テレビ)


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