「(米国が韓国の弾道ミサイル射程距離を制限し続けようとしているのは)プロメテウスが火の特許権を主張するのと同じだ」
1999年から2001年まで、国防部(省に相当)軍備統制官(局長クラス)として韓米ミサイル指針改正交渉の中核メンバーを務めたキム・グクホン予備役陸軍少将(62、陸軍士官学校第28期生)=写真=は15日、本紙とのインタビューで、ミサイル指針改正に対する米国側の態度をこのように批判した。
プロメテウスはギリシャ神話で、全能の神ゼウスに火を取り上げられた人類にあらためて火を与えたとされる神で、米国の主張は、神話に登場する神が特許権を主張するのと同じくらい無理なことだという例えだ。キム・グクホン氏は「韓国は当初、初の国産弾道ミサイル『白熊』(射程距離180キロメートル)の開発で米国の支援を一部受けたが、決定的かつ重要な技術支援はなかった。米国は日本に対しては大陸間弾道ミサイル(ICBM)に転用できる固体ロケット開発を早い段階で許しており、韓国を差別している」と述べた。
その上で「戦略面から、(北朝鮮と対峙〈たいじ〉している)前方地域ではなく、韓半島(朝鮮半島)の南側から北朝鮮全域を射程圏に入れられる弾道ミサイルが必要だ。弾道ミサイルの射程距離延長は550キロメートル程度では駄目だ。800-1000キロメートルはなければならない」と強調した。
「韓国の弾道ミサイル射程距離延長は中国や日本など周辺国を刺激するのでは」という一部の懸念についても、同氏は「中国はすでにICBMを保有しており、日本もICBM製造能力を持っている。こうした現実があるのに、韓国が射程距離1000キロメートルのミサイルを持つからといって中国・日本を刺激するというのは話にならない」と語った。
同氏は「弾頭重量を500キログラム以下に制限したのも、技術が発展するにつれ意味がなくなってきたため、解決しなければならない」と指摘「500キログラムはかつて米ソが判断した核弾頭の最小重量。韓国の弾道ミサイルの弾頭重量が500キログラム以上でも可能になるよう、ミサイル指針を改正すべき」と主張した。