2011-03-31 上小阿仁村後日談
ここの話は前にやったので、ごく簡単に経緯を書いておきます。
Date | 事柄 | 補足 |
2007年4月 | 現村長が24年ぶりの選挙の末に当選 | * |
2007年5月 | 前々任の医師が退職 | * |
2007年11月 | 前任の医師が就職 | 6ヶ月の無医村状態が解消 |
2008年3月 | 前任の医師が辞意を表明 | 前任医師が辞意表明まで4ヶ月 |
2008年5月 | 前任の医師が退職 | 前任医師は6ヶ月で辞職 |
2008年9月 | 現在の医師が応募 | * |
2009年1月 | 現在の医師が就職 | 8ヶ月の無医村状態が解消 |
2010年2月 | 現在の医師が辞意を表明 | 現在の医師が辞意表明まで13ヶ月 |
当時集めた情報では前任医師も現在の医師も、こういう地域医療に熱意も経験もある医師であった事は確認されています。現在の医師の方を簡単に紹介しておきますと、
内科と小児科が専門で、北海道利尻島の病院勤務や、タイでの医療支援に従事した経歴を持つ。
それと前々任医師の退職経過の一端を窺わせる情報がツイッターにありました。今日確認したら削除されていましたが、プリントアウトしていた分を昨日に一部だけ書き起こしたのを紹介しておきます。かなり怪しげな情報なので話半分以下で受け取って欲しいのですが、
- 上小阿仁診療所のヤブ医者がついに解雇らしいです。
年収2000万円超も貰っていたらしく、村長より高給取りだったらしいですよ
- わーを
ハッピーニュースをありがとう
今までの給料はドブに捨てた気分だけど、いなくなってせいせいするわっ
- やぶ医者め、家も建ててもらったり・・・最低だなぁ
- なんか新村長が減給と住民票を上小阿仁に移すように言ったところ、医者が辞めますと言ったらしいです
もともと現村長になったら辞めるって噂がチラホラあったって噂もありましたし
彦根とか金木の掲示板を想起させる内容です。情報の質も量も2級以下なんですが、評価するのは時期です。トピが立てられ書き込みが行われているのは2007年5月で、この頃には今と違い上小阿仁村の存在も、またそこにある国保診療所の医師にも、地元住民以外は全くと言って関心を払っていなかった時期です。つまりわざわざここに書き込みを行う人間は自然と限定されると言う事です。
今なら部外者の書き込みによる釣りもあるでしょうが、2007年5月時点では様相は根本的に異なると判断しても差し支えないと思います。もちろんそういう噂に値するような医師であったのか、そうでなかったのかも確認する術もまたありません。
現在の医師の2010年2月の辞意の時は、あれこれあった末に翻意されているのですが、続報が入りました。3/29付読売新聞より、
上小阿仁 再び無医村の危機 / 医師が退職願 中傷で心労か
上小阿仁村唯一の医療機関である村立上小阿仁国保診療所の有沢幸子医師(66)が退職願を出し、受理されたことが28日、分かった。有沢医師は昨年、一部住民の嫌がらせが原因で辞意を示したが、住民の熱意で、その後、撤回した。今回は、健康上の理由だというが、今でも嫌がらせが続いていることが背景にあると指摘する村関係者もいる。後任探しは難航が予想され、再び無医村の危機を迎えた。(糸井裕哉)
有沢医師は昨年9月、小林宏晨(ひろあき)村長に対し、「激務をこなせる体力がもうない」と退職願を提出した。小林村長は「土日を完全休診にする」「週2日は非常勤医に任せる」などの待遇改善策を提示して慰留に努めた。
しかし、有沢医師は昨年末の検査入院で「現状が続けば健康維持は難しい」と診断されたことを挙げ、申し出を断った。意志は固いと判断した小林村長は2月下旬、受理した。退職にあたり、有沢医師は「後任に引き継ぐまでは頑張る」と話していた。
有沢医師は当初、辞任の公表を望まなかったが、今月中旬に有沢医師から「いつ辞めるか分からないのに実情を知らせないのは村民に不誠実」との申し入れがあり、村は事実の公表と、ホームページ上での医師公募に踏み切った。また、退職願を受け、村は、有沢医師の負担を軽減するため、4月から秋田市立秋田総合病院長を週1回招いて、外科と泌尿器科の診療を実施する。
有沢医師は2009年に赴任。年間約20日しか休診せず、夜間や早朝でも往診する献身的な診療で、住民から絶大な信頼を得た。その一方で、一部住民から、「平日に休むな」「患者を待たせすぎだろ」などの心無い中傷で心労が重なり、辞意を表明した。
1週間で慰留を求める約800人の署名を集めた村民の熱意で翻意した。だが、その後も無言電話があり、年始に休診した際には「正月だからって休むのか」と嫌がらせの電話があるなど、有沢医師に対する中傷は続いたという。
さらに、周辺自治体で医療機関が続々と縮小した影響などで、有沢医師のいる診療所では患者が急増。昨年は1日あたりで前年比約10人も増えた。
村の担当者は「有沢先生は後任が決まるまで続けると言ってくれているが、夏までに医師を見つけないと先生が倒れる」と、後任探しに奔走している。
だが、有沢医師のように村に移住し、急患や往診に即応できる医師の確保は困難だ。村では、常駐の医師が見つからない場合として、非常勤の医師を複数おいて、診療態勢を維持することも考えている。
月一度、診療所に通っている山田ツル子さん(75)は「一人暮らしで移動手段が限られる私には診療所と有沢先生だけが頼り。無医村になるのは避けたい」と不安な表情を浮かべた。
記事のよりますと現在の医師が辞意を表明したのは昨年の9月となっています。その前の辞意の騒動が2月ですから、半年ほどで辞意を再び表明せざるを得なくなったようです。2月の辞意の時の理由にも「中傷」はありました。これは広報かみこあに平成22年3月号を引用しておきますと、
医師住宅に最近屋外のセンサー照明装置がつけられましたが、ある住民から村の税金を無駄に使っていると話されたそうです。事実、この装置は先生自身がつけたもので、しかも、電気料金は先生自身が支払っています。事実確認もせずに、心無い攻撃をする人間はとても文明人とは申せず、野蛮人に類するものと断ぜざるを得ません。
その他、まったく「いじめ」と思われるような電話もあるそうですが、このような不心得者は、見つけ出して、再教育の必要があるようです。
村の圧倒的多数の人々は、先生に心から感謝しておる事実はありますが、まったく少数の村民の心無い態度が、先生の意欲を無くさせる事実には心が病みます。このような不心得者は、わずか5〜6人に過ぎないことを確認しておりますが、それでも、ご本人に与える影響が憂慮されます。
まあこんな感じであったそうです。他には当時の読売報道として、
村幹部らによると、有沢医師は昨秋、診療所向かいの自宅に「急患にすぐに対応できるように」と自費で照明を設置。だが、直後に「税金の無駄使いをしている」と言い掛かりを付けた村民がいたという。
また、昼食を食べに行く時間が無く、診療所内でパンを買った際、「患者を待たせといて買い物か」と冷たい言葉を浴びせられたり、自宅に嫌がらせのビラがまかれたこともあったという。
昨年、有沢医師の完全休診日はわずか18日。土日や祝日も村内を駆け回り、お盆期間も診療を続けた。しかし、盆明けの8月17日を休診にすると「平日なのに休むとは一体何を考えているんだ」と再び批判を受けたという。
読売記事を信じるならば同様の中傷は辞意翻意後も続いているだけでなくエスカレートしている部分もあるようで、2月の時にはお盆休みの代休に批判が寄せられたエピソードがありましたが、今度は、
-
年始に休診した際には「正月だからって休むのか」と嫌がらせの電話
これが今年の話とすると、1日は土曜日、2日は日曜日、3日は月曜日ですから、月曜に休診した事に批判が寄せられた事になります。もしこれが去年の話なら、1日が金曜日、2日は土曜日、3日は日曜日ですから、土曜日を休診にしたのに非難された事になります。元日は三ヶ日でも正規の休日になりますからね。もっとも三が日より少し伸ばして年始休みを取った可能性もありますが、
-
年間約20日しか休診せず
通常の感覚で休診と言うのは、普段あるべき診療日に休む事になります。しかし現在の医師の働きぶりからすると、日曜祝日が年間に70日ほどありますが、本来休むべき日曜祝日の2/3以上を働いていると解釈するのが妥当かと思われます。ですから推測ですが三ヶ日を休んだのを非難された可能性はあると考えます。
一般的な感覚なら、それだけ働けば感謝されると思いたいところですが、そこまで休み無しに働くと、今度は日曜祝日どころか正月三ヶ日でも休むのは許せなくなるようです。世の中、そういう面は確かにありますが、1人コンビニ状態はなかなか辛そうな感じはします。ひょっとすると上小阿仁村では尾鷲の産科医の年休2日が基準になっているのかもしれません。年休2日が基準なら10倍ほど休んでいる事になるからです。
現在の医師は66歳とありますから、気力はあっても体力がついていかなくなっているかと思います。しかし66歳と言っても、上小阿仁村の高齢化率は44.3%(2009年時点)ですから、上小阿仁村基準では「若手」と見なされる可能性はあるのかもしれません。
ここで平成20年9月広報かみこあににある前任医師の言葉を引用しておきます。
一度は書かなければならないと思っていたことを書いてみます。
「診療所を守るために」としたのは、この診療所の存続があやうい状況になっているからです。その原因の第一は、医者がいなくなるということ。第二は診療所の赤字が続くということです。
第一点は、この村の執行部の人々の、医者に対する見方、接し方、処遇の仕方の中に医者の頑張る意欲を無くさせるものがあったということです。
報じられたように、この私はすでに辞表を出し受理されています。「次の医者」を見つけることは相当に困難でしょうし、かりに見つかってもその人も同じような挫折をすることになりかねないものがあります。
医者のご機嫌取りなど無用、ただ根本的に医者を大切に思わない限りこの村に医者が根を下ろすことはないでしょう。村の人も「患者は客だ」などとマスコミの言う風潮に乗っていてはいけません。そういう道の果ては無医村なのです。
最近も近在病院の院長・医者が辞めていきました。病院自体がもう危機的状況に陥っています。その医者たちは、私に言っていました、こんな田舎でも働きがいがあります、それは、皆の「ありがとう」と言う言葉と、にじむ「感謝の気持ち」です、と。
そういう人たちを辞めるまで追い詰めたものは何か、人ごとでなくこの村の問題でもあるんだと考えてみて下さい。
このコラムでは前任医師の辞意の原因を村役場にしているようにしてはいますが、上小阿仁村住民の医師への態度は現在の医師に通じそうなニュアンスが窺えます。つまり、そういう気風はそう簡単には変わる見込みが少なそうであるとも思われます。そうなると後任者の条件として挙げられるのは、
- 村人から中傷が出ない様に、診療所の赤字を解消し、患者を待たせず、24時間365日の診療に喜んで耐えられる鉄人医師
- 村人からの中傷を物ともせず、我が道を行くで診療を行える鉄の心を持つ医師
ここも「鉄の心」医師では一部の村人の中傷レベルで終らず、村議会の問題レベル、つまり村の総意として追い出される可能性は残ります。そうなると鉄人医師しか選択はなくなりますが、実はもう一つ選択枝があります。純粋の上小阿仁村出身の医師に赴任してもらうことです。私の故郷も田舎ですが、これが一番スムーズに「なあなあ」状態になりやすいと思っています。なんと言っても身内ですから。
田舎の感覚として身内とそうでないものの扱いの落差は物凄いですから、そうされるのが一番良さそうな気がします。それと身内なら新聞で取り上げられて全国に周知されるような失態は起こらないと言うより、そもそも起こさせないでしょう。田舎に行くほど身内への人情の篤さは実にきめ細やかですからねぇ。
猛勉強して医学部に進学し国試に受かり、4年の研修期間を終えて
故郷に赴任するのが1番いいって事ですね。
医学部6年間+前後期研修4年間で10年すれば故郷出身の医師が
出来上がりますね。
...それなら、特に誰にも迷惑かからないですし。
しかし着任して辞意を表明するのが随分早いですねえ。赴任早々嫌な思いをしたんでしょう。というより この医師の勤務態度を見て非難したのではなく最初から医師はそうあるべきだという先入観があったんでしょうね。
村内出身の医師といっても勤務医じゃ、単なる雇われ医者、雇われ院長って見下されるんです。やはり田舎であればあるほど開業して初めて名士になれるのです。自分の田舎だって東京にいる雇われ医者、開業する甲斐性がないってオイラを軽く見下す奴がたくさんいますよ。
この村にも他所出身の教師や交番の警官はいるでしょう。村人は必要なのを認識してるから声を出しません。医師に対して文句を言うのは 医療が不要な連中がいるからです。そんなものに金を使うから思えばこそ声が荒くなるのです。だから赴任する理由はまったくありませんよ。それでも来て欲しいのならば村の大ボス小ボスがよく話し合ってからです。
日本全国田舎って方言や風習がちがうといっても どこか似通ってますよね。公立病院で黒字になれば よそ者が地元から金を吸い上げたと言われ、赤字ならよそ者が地元の財政に迷惑をかけてと どうやっても悪く言われるのが地域医療なんです。
http://www.city.kitaakita.akita.jp/takaa/index.html
絶対的に医師が必要な地域なのでしょうか
http://www.vill.kamikoani.akita.jp/forms/info/info.aspx?info_id=12915
http://www.vill.kamikoani.akita.jp/forms/info/info.aspx?info_id=20645
県庁に問い合わせれば良いのになと思いますけどね。
>年収2000万円超も貰っていたらしく、村長より高給取りだったらしいですよ
話半分としても要領悪すぎですよ。オイラの知ってる僻地じゃ 一見給与は普通の公務員なみですが、町長や市長が自分の経費を回してますよ。交通費や会議費として処理して生活しています。所得税の節税になるし。
無論議会も認めたうえでです。それで何とか途切れずに医師が来ています。
都会の人間は田舎者を甘く見ています。都会にやってきたときのような純朴な人間達というのは都会の人間がそう望むだけの虚構です。田舎なんて最初から興味ないし、都会との違いをわかろうともしない。僻地医療はオイラみたいな田舎出身者しかわからないだろうなと感じることが多いです。その実田舎の嫌らしさが分かっているからこそ 嫌悪感は都会の医師よりも却って強い部分もあるのですがね。
>話半分としても要領悪すぎですよ。オイラの知ってる僻地じゃ 一見給与は普通の公務員なみですが、町長や市長が自分の経費を回してますよ。
村立診療所の地方公務員医師ですから、本棒は条例で定めた給与表の医療職医師、諸手当も(建前としては)条例に定められた諸手当でしょう。給与表が馬鹿高いとも思えませんから、おそらく赴任手当が高いんでしょうね。
http://www.vill.kamikoani.akita.jp/forms/info/info.aspx?info_id=19869
上小阿仁村は空気も水も新鮮で、自然に恵まれ、未だに相互扶助の精神が生き続け、気分的に暮らしやすい村です。家族の絆を大切にし、家族介護をする人には介護支援金または在宅家族介護サービス費の支給、子育てする人には子宝祝金や入学祝金支給、認定こども園等の支援事業を実施しています。
当村においで頂く企業には、そこで働く従業員の家族をトータルに面倒を見ようとする企業であることの前提で、村はこれを効果的に支援いたします。
ご連絡をお待ちしております。
企業も誘致しようとしているようですが、企業誘致へのメッセージとしてこれでいいのかって内容ですね。
http://www.vill.kamikoani.akita.jp/div/kikaku/pdf/kyuuyokouhyouH21-1.pdf
これは基本給と考えていますが、村長で月額64万9000円、ボーナスが3.25ヶ月となっていますから989万7250円になるようです。諸手当については職員の平均基本給32万9725円に対し平均月収額が48万1310円となっていますから、約1.46倍になっています。これを村長にあてはめると、1350万円ぐらいになります。
一方で医師の給与ですが、元法学部生様が御指摘の通り、
http://www.vill.kamikoani.akita.jp/forms/info/info.aspx?info_id=20645
>給与等については村規程による(年収2,000万円)
>赴任手当を規定により支給いたします。
身分は地方公務員としているようですから、赴任手当がかなり大きい様に思われます。
どんなものでしょうか、村の規模からして「一番の高給取り」になっている可能性は十分ありそうです。村一番の高給取りが余所者という因子は様々な影響を及ぼすのはご承知の通りです。こりゃ後任者の条件(他所者の場合)に給与条件も加えたほうが適当かもしれません。
村の求人情報だけ見ると、悪くない条件に見えるんですけどね。
(光ファイバーも引かれるみたいですし)
http://www.vill.kamikoani.akita.jp/forms/info/info.aspx?info_id=20645
【医師求人情報】
診療科名 内科 常勤医1名
採用条件 75歳以下
待 遇 所長職(身分は地方公務員になります)
給与等については村規程による(年収2,000万円)
赴任手当を規定により支給いたします。
委細面談
勤務時間 8時30分から17時15分まで
休 日 土曜日、日曜日、祝日、年末年始12月29日〜1月3日
医師住宅 月額5,000円ただし電気、水道、電話料等は自己負担です。
住宅概要 車庫付一戸建て住宅(平成15年2月建築)
1階:居間1室、和室1室、台所、洗面所、ユニットバス、トイレ
129.18?(39.0坪)
2階:寝室1室、和室1室、洗面所、トイレ、納戸
91.09?(27.5坪)
※全室冷暖房完備(1階居間台所床暖房)
診療所まで徒歩1分(診療所の裏手に医師住宅があります)
2000万と聞けば 都市部のごく一部のエリートサラリーマンを除いては 田舎ですとそれだけで目をむく金額で耳目を集めてしまいます。田舎は話題が乏しいので それだけで一年くらいは話題に上ることが多いのですが、どうせ誇張されていきます。
結局そうなると自分の村の金 少々手荒くあつかっても罰は当たらんだろうとはなってしまいます。ましてや一部とはいえ医療の必要のない自称健康人間にとっては医師のみが高給を得ることは不公平なことこの上ないと映ってしまいます。自営開業ならともかく 公務員ですからね。理屈よりも感情の問題は解決しようがありません。
>休日 土曜日、日曜日、祝日、年末年始12月29日〜1月3日
その他住宅も一見条件が良さそうにもみえます。
しかし契約よりも情がまかりとおる田舎で最初の契約だからといっても誰にも通じません。
都会の複数の医師が働く病院なら 誰か一人の医師が時間外を診療しても噂は広がりません。ところが田舎でいったん時間外を診ると家族も親戚にも わっとばかり噂が広がり次回から断れなくなるんですよ。
最初は診療が長引いて5時過ぎ そのうち5時までに電話して患者が2時間遅刻 いつのまにやら予告なしに夜間に平然と現れます。
オイラも親切心から引き受けたら 本当に深夜に医師住宅をノックされるようになりました。年寄りをおんぶして来られ、外来まで守衛室を通って連れて行ったことがあります。そしたら次は別の家庭の子供の夜泣きを宿舎まで連れてこられました。
ですから医師住宅と聞いただけで 今でもぞっとします。友人も本人よりも家族が参ったようです。
また、実質そう期待されていても、募集要項に、さすがに、年中無休です、とは書けないでしょう。
また、そういう勤務形態を強要したら、続く人など、いないでしょう。(さらに、意に染まぬ行動を、いちいち批判されるおまけ付き。ストレスで倒れない方がおかしい...。)
要は、今回追い出しの嫌がらせをした人が、定期的に医師の診察が必須な持病持ちにでもならない限り、嫌がらせの実行を反省せず、結局、定期的に医師が変わるのは変更されないように思うのですけど。
Yosan先生発見の資料の7ページ目に国保診療所の人件費が公開されてますね。
さすがに田舎への赴任手当とすることは出来なかったようで、研究調査手当 月837,000円以内 というのが、本棒に上乗せされた部分でしょう。
そのほかも、職員6名の1人当たり時間外手当年額12万7千円ってのもほのぼのする数値ですね。
企業誘致もしてるみたいだし、なんか鼻クソでも丸める工場を誘致して、工場内に企業立診療所を設置して貰って、企業のご厚意で週3回昼間だけ診療をして貰えますって形にすればいいんじゃ無いでしょうか。
少々不便のために高給を払うのはバカらしいので、ありもしない高い理想へのお代わり体質が染み込んでいるように思えます。もっともマスコミが書き立てなければ、勘違いした医師を使いつぶしながら、ボチボチやっていたのかもしれません。まあ、これで次がいたら、自業自得で誰も同情しないかもしれません。
無くても困らないけど、無いと安く見られるから欲しいだけ。
がまずポイントと考えますが、村独自の家庭医を望むのはこの時代無理では。
医療のみこの地域の病院群の一部に合併して3〜4ヶ月おきに医師を回すのが合理的な対応と思います。 ただ、まずこの地域に上小阿仁診療所が必要かどうかをまず議論するべきです。
個人経営の先生たちは私有財産ということもあり、現地に踏みとどまって再起しようと懸命の努力をされることでしょう。ところが今回のような事例は僻地の病院では 普通に見かける風景なのです。そういった勤務医の皆さんがもう一度元の施設に戻ろうとされるでしょうか。
こういう時期だからこそ 金銭面では購えない今までの待遇がものを言ってくるのじゃないでしょうか。
今回の医師が勤務を開始したのは 2009年1月とあります。すでに医師不足や医療崩壊は声高に叫ばれて都市部の病院でも医師を呼び寄せるために随分努力を始めて数年以上経っていたころです。にもかかわらず、それまで通り医師を放逐するような事を一部とはいえ住民がやっているのは やはりその地域住民の責任でしょう。
東北地方の再建に医療も当然含まれていますが 今まで通り薄く広く医療資源を振りまくのか重点化拠点を定めて集約するか、個人的には大変興味を持っています。ライフラインの確立が最優先ですから医療機関の充実は後回しかもしれません。言い換えれば時間はかなりありそうです。じっくり取り組んでいただきたいと思います。
東北地方に第2自治医大を となるのかなと少し思いました。
もし、どうしても現在の80医科大学(防衛医大を含む)の数を増やしたいのなら
第2自治医大
東北関東大地震復興医科大学がいいのではと思います。
13ヶ月ってむしろ遅くないすか?しかも一旦は撤回してるワケで。
>まあ、これで次がいたら、自業自得で誰も同情しないかもしれません。
辞意を撤回した時点で以下ry
毎度です(笑)
>辞意を撤回した時点で以下ry
2009年1月っていう日付に オイラは着目しています。散々医師不足 医局崩壊って世間で騒がれた しばらく後の着任じゃないですか。医局派遣でも僻地はいやじゃ〜〜と公然と口に出来る時期のもっと後です。応募したのは2008年9月だそうです。オイラが田舎を転々とさせられてた1980年代じゃないですよ。医局長から嫌なら辞めろ はあそうですかって言えたつい最近です。
それでさらには66歳女性医師、
>内科と小児科が専門で、北海道利尻島の病院勤務や、タイでの医療支援に従事した経歴を持つ。
65歳を超えると普通の公立病院では定年ですよねえ。いえいいえ これ以上の憶測はしません。
申し訳はないのですが ちょっとずれてるよなあ。いや誹謗ではございませんよ。月並みな勤務医のしょうもない感想です。だけどなあ。
若いうちの僻地医療は将来役に立つとは オイラの口癖ですが、今回の事例は全くあさっての内容です。前任者が医局の先輩だったので内実はうかがい知れた自分らとは違う志向の方なんでしょうねえ。
ただ、市場経済的な見方をするなら、普通に休暇とって業務継続してくれる医師なら、変な電話をして撤退に追い込むのは、診療を受けている人には損ですし、ここは豪雪地帯なので、遠隔地に病院がある、というのも対策としてはどうかと。
あと、近隣の病院も医師の撤退がちらほら、ですので、この医師を失うのは、そういう意味もあって得策ではない。
そういう客観的な視点からすると、医療崩壊的な視点で、医師の補充が見込めないと思われるのに、多分、嫌がらせをした人は医療の必要性を痛感していないから、そういう事を考察せずに嫌がらせに及んだんじゃないかなあ、と思った訳です。
勿論、わたしのも推測にすぎません。
という意味では、公的経費として考えると、まあ維持費用としては妥当だと考えますけどね。村長の給与だって、それくらい出ている訳ですし。
(別に他職が給与返上している訳でもなく、照明なども本人給与から建設しているところを見ると、他施設も本人給与から建設している可能性すら、あるので。)
ちなみに、事業経費的な簡易換算である 1/3 換算(通常の企業請求を一般給与に間に換算するときの概算。大体こんな感じになる、という時の一般給与と企業側の請求額の換算を考えるときの式。私の換算率は古いかも知れないが。)とすると、個人給与換算では、年間報酬600万ほどになります。
まあ、個人給与としては普通な感じですね。
詳しい情報集めてらっしゃいますね。
今回の読売新聞の報道、記事本文では女医さんの肉体的な限界を理由として書きながら、どうして「中傷で心労か」などというコピーを冒頭に持ってくるのか疑問ですが、そういう見解を見かけなかったので書き込みます。
この記事は、女医さんが「いつ辞めるか分からないのに実情を知らせないのは村民に不誠実」と指摘する程度の誠実さの村当局が、女医さん退職の原因を村人におっかぶせて保身を図っているのではないか、診療所や村役場の職員とお医者さんの間に何か溝があるのではないか、とも考えさせられる記事です。
前任医師が6ヶ月で辞職した際に広報に寄せた記事も、村役場や職員への苦言が主内容ととれ、この方が村役場や村職員ブチキレて辞職したのでは、とも思わせる内容ですし。
いずれにせよ、女医さんは居なくなるわけで、事態が改善する道は険しそうです。
その後2010年(平成22年)に、離島やタイで医療に従事した経歴を持つ医師が新たに着任したが、
同医師も翌2010年3月に辞意を表明、「後任が見つかるように」との理由から2011年
(平成23年)3月をもって離職すると発表した。この辞意表明の直後、数多くの村民からの
慰留、村当局による改善策の申し入れにより、辞意は撤回された[7]。同医師は現在も
上小阿仁村国保診療所に勤務しているが、2010年(平成22年)9月再び退職願を提出し、
2011年(平成23年)2月下旬受理された[8]。 - wikipdeia [上小阿仁村]より引用
僻地医療してる人にすら2回も退職届出されるとかもう自滅したいとしか
どこかに無事後任が見つかったと書いてありましたが、はっきりとは確認できていません。
この村は秋田県内にしては小さく、現代においても昔の豪農社会が続いているものと
思われます。確か村長選、村議会選も無投票が多かったと記憶しています。当然職員
もほぼ全員縁故採用でしょう。そうした中で医師が就任すれば「村長が連れて来た」
と評価されます。一方で医師は村職員ですので村民からは村長の子分と思われていま
すから村長より給料が高ければ「子分の癖に」という反発が出てきます。
さらにこのような診療所ではレントゲンと血液検査程度しかできませんから、紹介状
を乱発すればたちまちヤブ医者のレッテルが貼られてしまいます。
現在の村長は久々の選挙で選ばれたようで、高レベル放射性廃棄物処分場誘致を掲げ
てみたり、いろいろと物議をかもしだしている人物です。
ところで、上小阿仁村は医療僻地かといいますとそうではありません。秋田市に隣接
しており、秋田市は名医の開業医が多数おり、消防本部の救命率が日本一で、秋田大学
付属病院、赤十字病院のほかにも大病院が多数あり、特に県立成人病・脳血管研究セン
ター病院は首都圏では施術待ちが長期間に及ぶような高度な医療(カテーテルによる
血栓破砕、放射線治療など)がさほど待たずに受けられる(せいぜい1週間待ち)と
いった高いレベルの医療サービスが提供されています。
こうした環境にありますから、「紹介状を乱発するヤブ診療所」といわれても仕方無い
面もあり、診療所を廃止して浮いた予算で村営バスの拡充を求めるといった声が出ても
仕方無いと思います。秋田県は過疎化、高齢化問題が深刻とはいっても北海道・四国・
九州・沖縄の田舎と比べると腐っても「内地」と思えるほどインフラ整備が進んでいま
す。
薬価や診療報酬の削減、健康保険料の値上げ程度しか行なわれておらず、受診の抑制
を呼びかけることはほとんど行なわれておりません。今こそ、適正な受診方法を患者
に啓蒙する時期ではないのでしょうか。
3年間で3人の医師が辞める、、異常ですね