優勝トロフィーを手に笑顔を見せる有村智恵=静岡・東名CCで
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◇スタンレーレディス<最終日>
▽15日、静岡県・東名CC(6520ヤード、パー72)▽曇り、気温31度、風速5メートル▽賞金総額9000万円、優勝1620万円(競技短縮のため75パーセントの6750万円、優勝1215万円に減額)▽75選手(うちアマ3人)▽観衆5353人
濃霧のため27ホール競技に短縮され、インコース9ホールのみの決勝ラウンドに。1打差2位につけていた有村智恵(24)=日本ヒューレット・パッカード=が1バーディー、1ボギーの36にまとめ、通算5アンダーで逆転Vを飾った。4月のサイバーエージェントレディス以来の今季2勝目、ツアー通算12勝目。自身初の同一大会連覇となった。前日首位の森田理香子(22)=リコー=は1打差2位に終わった。
有村にとってこの大会の出場は6度目。初出場時の2007年はプレーオフ進出(2位)、09年と昨年、そして今回と、計3勝。稼いだ賞金は5200万円以上になった。「私の実力じゃないんじゃないか、と思うくらい相性がいい。つくづく、このコースが好き、コースにも愛されてるのかなと思います」。念願だった同一大会連覇も、やはりここで決めた。
インコース9ホールのみの“短期決戦”も「3年前のここで経験ずみ」。序盤ホールをていねいにパーセーブし、「13、14番でバーディーを取って流れに乗れれば」というゲームプラン通りの展開。14番で5メートルのバーディーパットを沈め、17番こそボギーにしたものの、最後は1打差で逃げ切った。
前週の全米女子オープンテレビ観戦からのヒントもあった。「優勝したチェ・ナヨン(韓国)らが『イメージをしっかりと描いてからルーティンに入る』と言っていた。私もそれを心がけた」という。心の中がぼやけたままは打たない。メジャー勝者にならった勝利の方程式だった。
4月下旬の今季初V以降「メディアやファンからの厳しい意見があった。練習の仕方や、休みの過ごし方…。自分自身でも歯がゆかったところもある」と明かした。それだけに「勝ててよかった。厳しい言葉は応援してくれてる証し。これからもそういう意見をもらって、さらに上を目指していきたい」。9月の全英女子オープンについては未定だが、来季は海外メジャー挑戦も再開すると宣言した。 (月橋文美)
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