原発意見聴取会に電力会社社員7月16日 22時29分
原発に依存する割合を将来どうするかについて、政府が市民の意見を聞く聴取会が、16日、名古屋市で開かれ、意見を発表した人の中に、15日の仙台市の会場に続いて、電力会社の社員が含まれていたことから、会場からは反発の声が上がりました。
聴取会は、15日の仙台市に続いて3回目で、希望者の中から、政府が示した3つの選択肢ごとに抽選で選ばれた3人ずつ、合わせて9人が意見を発表する形式で進められました。
このなかでは、原発ゼロを目指すとする人や、原発の比率を15%程度に減らすとする人、それに、今後も原発を新設して20%から25%程度に維持するとする人から意見が述べられました。
このなかで、20%から25%程度の案を支持した3人のうち、1人の男性が発表に先立ち、「中部電力の社員です。個人として意見を述べます」と話し始めました。
そのうえで「原子力のリスクが過大に評価されている」とか「去年の福島の事故で、放射能の直接的な影響で亡くなった人はいない。5年、10年たっても変わらないと考えている」などと述べると、会場の一部からは「うそをつくな」などと反発の声が上がりました。
聴取会の事務局によりますと、今月13日、この男性から電話で、「中部電力の社員だが、意見を発表しても問題ないか」と聞かれ、「無作為に抽せんしているので、問題ない」と答えたということです。
この男性は、終了後、「こういう機会に自分の意見を言いたかった。上司に参加は伝えたが、発言の内容について会社のチェックは受けていない」と話していました。
この男性のほか、20%から25%程度の案を支持した別の男性は、聴取会の終了後、NHKなどの取材に対し、日本原子力研究開発機構の職員であることを明らかにし、「個人として関心があったので参加した」と述べました。
15日に続いて、電力会社の社員が意見を述べたことについて、聴取会の事務局は「無作為に選んでいるので、電力会社の社員だと分かっても外すことは難しい」と話しています。
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