柔軟なカスタマイズが可能な「ExPrime」シリーズ
「ExPrime」シリーズはフルカスタム型システムの統合ブランド。個別仕様のサーバ、ワークステーション、エンベデッドPCなどを開発する
カスタム開発するコンピュータが最適なパフォーマンスを発揮するには、実に様々な点に配慮が必要となる。「例えば、膨大なトランザクション処理が求められた場合、それに対応できるかどうかは、表面的なスペックだけでは推し量れません。まずはお客様の業務内容の把握から始め、お客様のご要望と導入目的の本質のズレを検証してから開発に当たります」と田所氏は話す。
また、性能評価やストレステストなども重要となる。特にストレステストについては、顧客の利用条件を再現した本番に近い運用環境で長時間にわたって耐久性を調べている。「BTOメーカーとして培った高い技術力とノウハウを生かし、幅の広いカスタム要求に対応できます。また数台程度の小規模開発ニーズにも柔軟に対応できるのも当社の強みです」と田所氏は語る。
開発プロセスでは、マイクロソフトのパートナープログラムも大いに役立っている。同社が開発・出荷するPrimeシリーズおよびExPrimeシリーズの約半数はWindows搭載モデルで占められているからだ。「最新バージョンがリリースされる場合は事前に評価版を提供してもらうほか、パートナー向けのテスト環境なども活用し、システム検証などに役立てています。マイクロソフトが主催する勉強会にも積極的に参加し、最新技術の習得に努めています」(松田氏)。
PCやサーバ製品のコモディティ化が進むなか、汎用的な仕様では満たせない要件を実現するため、カスタム製品には一定のニーズがある。「汎用品は安く、カスタム製品は高い、という先入観もあるかと思いますが、用途に応じた性能の最適化をはかり、同時に不要な機能をそぎ落とすことで、コストカットにつながる場合もあります」と松田氏は説明する。
今後は、PCやサーバだけでなく、急速に普及が進むタブレット端末についてもカスタムニーズが高まることが予想される。これらのハードを統合的かつシームレスに連携して利用するケースも増えてくるだろう。その点、マイクロソフトはWindowsシステムの幅広いラインアップを持ち、PC、サーバ、タブレットなど多様なハードを共通的なプラットフォームで利用できる。データの相互連携など利便性の高いシステム構築の可能性も高まる。「個別ニーズに対応した最適なソリューションを開発・提供するうえで、Windowsには大きなアドバンテージがあります。今後もさらなるラインアップの拡充を期待しています。それがカスタム開発の幅をさらに広げることにつながります」と田所氏は述べ、今後の展望に期待を込めた。