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2012年7月16日22時44分

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《いじめられている君へ》森永卓郎さん

写真:森永卓郎さん拡大森永卓郎さん

■一度、抵抗してみれば

 私は小学校でずっといじめられていました。デブで勉強ができなかったからです。父が新聞記者で海外生活が長かったため、帰国してすぐは日本語もままならず、成績はクラスでビリから2、3番目でした。

 毎日たたかれ、蹴られ、泣いてばかりいました。一番嫌だったのは「おみそ」にされたことでした。鬼ごっこで捕まっても、鬼にならない。一人前として認めてもらえず、異物のように扱われていたんです。

 母がいじめっ子を叱ることもあったけど、後で「親を出した」と、さらにいじめられました。だから、親にも言えなくなった。

 ところが、3年生ぐらいのころ、ビー玉遊びをしていた私の手元が狂い、投げたビー玉がいじめっ子の額に当たり、大泣きさせちゃった。結果的に反撃したことになったんです。これで、いじめっ子たちの対応がガラッと変わった。「こいつ、抵抗するんだ」って。私も「戦えばいいんだ」って分かった。何でも従うのはやめにしました。

 またあるとき、サッカーの試合に補欠だった私が珍しく出場したら、たまたま足にボールが当たり、ゴールが決まった。おかげでみんなに認められ、仲間に入れてもらえた。おみそ扱いも終わりました。

 ビー玉やサッカーの「偶然」がなければ、いじめは続いていたでしょう。周りの子はよほど強くないと、いじめられっ子を助けてあげられない。本人が反撃し、もがくしかないと思います。返り討ちに遭うかもしれない。でも、抵抗しないままだと、いじめはどんどんエスカレートします。相手と目が合ったときに「ふんっ」って、やるくらいでもいいんですよ。(経済アナリスト)

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