イラン産原油の輸入再開へ

 欧州連合(EU)によるイラン産原油輸送タンカーへの保険引き受け禁止措置を受け、今月1日から全面停止されていたイラン産原油の輸入が再開される見通しだ。再開されれば韓国の石油需給が安定し、対イラン輸出企業2900社の輸出も円滑に進むと期待される。

 韓国政府の高官は12日「輸入を停止した直後、イラン政府が自国籍のタンカーで韓国まで直接原油を輸送すると提案してきた。部処(省庁)間での協議を踏まえ、これを受け入れることを暫定的に決定した」と語った。

 イラン政府は、自国のタンカーに10億ドル(約800億円)規模の船舶保険をかける方針だという。これまで、船舶保険のほとんどはEU域内の保険会社が引き受けていた。船舶保険がなければタンカーは入港できない。

 韓国政府の関係者は「現在の国内法では、タンカー1隻当たり1億3000万ドル(約100億円)の保険に加入していれば入港に問題がない。イラン政府が(高額の)船舶保険まで提供することを決めたため、輸入を再開する方向で意見をまとめた」と説明している。1日280万バレルの原油を生産するイランは、核開発に対するEUの制裁措置で閉ざされた販路を開くため、こうした提案をしてきたとみられる。

 韓国政府は先ごろ関係者をイランに派遣し、同国の提案を確認したほか、米国に輸入再開方針を伝えたという。EUとは別に、米国もイラン産原油を輸入する国に米国との金融取引を禁じる制裁措置を実施しているためだ。だが、韓国は今年のイラン産原油輸入量を前年比10%以上減らすという条件で、先月11日に制裁の例外国と認められた。

崔源奎(チェ・ウォンギュ)記者
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