後進国型の疾病とされる結核の患者が、保健当局のずさんな管理で再び急増したことから、韓国政府が疑い患者を含む結核患者全員に治療を勧告する文書を送付する。政府が特定の疾病患者、疑い患者全員に診断・治療を促すのは異例のことだ。
保健福祉部(省に相当)と疾病管理本部は15日、今年1-6月に行われた国民健康保険公団の健康診断で、結核患者(8000人)または結核の疑いがあると診断された患者(9000人)合わせて1万7000人余りの名簿と住所を入手し、全国の市・郡・区の保健所に16日に通知すると発表した。診断・治療勧告を受けた人は、来週から病院やクリニックでX線などの結核検査を無料で受けられ、治療費はがん患者と同様に健康保険適用分の5%のみ負担する。
疾病管理本部は今後、健康保険公団から結核と診断された患者と結核疑い患者のリストを毎月受け取り、該当者に診断と治療を促す方針だ。同部の関係者は「公団側から患者のリストを入手することについて、個人情報保護法に抵触するとの指摘もあるが、先ごろ行政安全部と弁護士から、国の事業に関係する場合は問題ないとの有権解釈(国の機関による拘束力のある法解釈)を得た」と説明している。
結核患者が発生した場合、病院側は保健当局にこれを申告する義務があるが、申告率は72%にとどまっており、管理が不十分だと指摘されてきた。
韓国の結核発症者数は10万人当たり97人と、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均(13.4人)の約7倍に達する。現在、政府が把握している結核患者の規模は12万人ほどで、毎年およそ2300人が命を落としており、結核の発生・死亡状況はOECD加盟国のうち最悪と評される。専門家らはこうした実態について、1970年代に人口の5%に達していた結核患者数が急減するや、政府は2000年に全国的な患者の実態把握を中止し、病院の申告制に切り替えるなど、管理体制を緩めたことが原因だと指摘している。結核の発生がなくなると見込んで気を緩めたため、患者が増加したというわけだ。
欧州連合(EU)諸国では、結核発症者数が10万人当たり40人を超える国の国民が長期滞在ビザを申請した場合、結核に関する健康診断書の提出を義務付けている。ところで韓国政府は、結核患者が一度に約10錠の治療薬を半年以上服用し続けなければならない煩わしさを軽減するため、一度に4錠の服用で済む結核複合治療薬を来年中に開発する計画だ。