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大阪駅改良工事を見学 ドーム型大屋根を間近で体感
日本建設業連合会関西支部鉄道委員会は3日、大阪駅改良他工事の見学会を開催した。大阪府立工業専門学校環境都市システムコース4年生42人と教諭らが参加し、普段、なかなか見ることが出来ない大阪駅のホーム上に架かるドーム型の大屋根を間近で見学し貴重な体験をした。
大阪駅では、駅整備とまちづくりの視点から、広場・通路の整備、駅改良、新北ビル開発、アクティ大阪増築を4つの柱として開発してきた。大阪駅新北ビル(仮称)新築工事では、地下3階地上28階建延約21万8000平方bの百貨店、専門店、映画館、オフィスなどが入居する大型複合施設NORTH GATE BUILDING(NGB)を建設した。大阪駅改良他工事では、大屋根新築、橋上駅新築、ホーム上・高架下改良を行った。2004年5月に駅改良工事に着手し、11年5月にグランドオープンした。
駅改良工事は、ホーム上に全長約180bの東西架構と全長約75bの南北架構を設置し、それらの上に東西長約180bの南北長約100bのドームを設置した。1日乗降者数85万人、列車運行本数1500本の大阪駅機能を損なうことなく、安全に施工するため、橋上駅の鉄骨架設の際には、送り出し工法を採用。NGB側から南へ5面のホームを跨ぐ形で総重量3600tの橋上駅舎を油圧ジャッキにて送り出して設置した。ドーム設置は、NGB屋上で先組みした鉄骨ユニットを橋上駅舎屋上で連結した上で線路上空へ東西方面に広げていくスライド工法を採用した。ドームでは支持するNGBと環状線ホーム上の架構に地震力が過度に伝達しないように免震措置と十字型の滑り支承を採用している。現在は、ホームの美装化工事など仕上げ作業を行っている。
見学会の冒頭、鉄道委員会委員の庄司尚矢大林組大阪本店土木事業部営業部副部長が「将来の日本を担う学生の皆さんに実際の建設現場を見て頂きたい。昨年5月にオープンしているが、本日は記録映像を見せて頂けるので現場の雰囲気を感じてほしい」とあいさつした。続いて、森田信弥JR西日本大阪工事事務所大阪駅改良工事所長が概要説明をし、記録映像を見た。NGBの12階バルコニーからホーム上に架かるドーム型の大屋根にある免震装置や時空の広場を見学した。