2012年07月06日

二口山塊・磐司沢〜東北のサムライが二刀流で挑む谷〜

東北の二口渓谷は冬になると二刀流のサムライが跋扈する。だが、ここには夏の沢登りも二刀流でこなすサムライがいる。冬はアックスを2本持っての二刀流だが、夏はジャンピングを2セット持っての二刀流なのだ。冬はフリーで、うまい人はノーテンションで登れるのだろうが、しかし、夏の二刀流はかなりかっこわるい。スタイルとしてもかなり問題がある。どうしてかっていうと、ジャンピングにタイオフして、あぶみのかけかえで登っていくからだ。昨今のフリー化と全く対極を行く。最初から最後まで土木工事に終始し、1つ1つの滝にドラマを全く感じない。えらく奮闘的なのは認めるが。しかし、沢登り史上、こんな登り方をして前進して行ったバカもおるまい。しかし、本当にボロい滝では、むやみやたらに残置していくよりも、まだマシなのではないだろうか?
今回、東北のサムライを1人発見した。彼の名は矢吹仁人。東北大の大学院生だ。今回の登攀で、このサムライは、私同様、脳味噌が若干膿んでいるらしいことが分かったが、なかなかの度胸のあるサムライとお見受けした。しかし若いと言うのは素晴らしい事だ。色々な事を試す事ができるのだから……。

二口山塊・名取川磐司沢
2003年7月5日
木下徳彦(28、JAC青年部/チーム84)
矢吹仁人(24、東北大学山岳部OB)

土曜日の早朝に仙台南ICそばで矢吹と待ち合わせる。やってきた車はなかなかのポンコツで、晴れているのにワイパーは動きっぱなしだ。いよいよ磐司に行くと言う事で、僕の曇った心を磨いてくれるようだ。そういえば、彼とロープを組むのは実は初めてだった。また1人、極道の道に引きずり込む事になろうとは……。少しばかり良心の呵責を感じる。
磐司沢の出合に車を止めて、簡単な身支度をする。彼がウェットスーツといって持ってきたのは、どうみてもスキーのジャンプスーツだ。さすがにガックリ来た。磐司岩の上から勝利のロープバンジーでもするつもりなのか? ジャンプスーツならうまい着地も可能かもしれない。
6時40分発。最初から、巨岩の中をボルダー的ムーブで登ったり降りたりしながら進んでいく。この辺りは非常楽しい所だ。滝の多くはナメ滝で、それなりに難しいものもある。途中1ケ所だけ左の草付から巻き、1時間後、いよいよ西磐司・東磐司に挟まれたゴルジュに入っていく事になる。
ところで、ここの岩は非常にボロい岩で、おそらく八ヶ岳よりもボロいので、ハーケンが全く効かない。おまけにリスもないので、持ってきたハーケンはただの重荷になってしまう。そこで主につかうのがワードホッグだ。こいつを岩に叩き込みながら前進するのだが、プロテクションとしてはとても信用出来るものではなく、主に前進用ギアとしての使用である。たった1つしか手に入らなかった過去の記録を見れば、コンクリート釘の連打で登っている。はっきり言って病気だ。
ゴルジュに入るといきなり15mCS滝が出てきた。久しぶりにヤバい登攀をすることになりそうで、ドキドキしている。ここは矢吹リード。出だし体を支えながらの2ポイントのワードホッグの人工の後、水流右のスラブに入り、1ポイントだけバットフック、そして1本だけ工事用ボルトを埋める。ここからフリーで登り、トイ状の流れの部分をうまいことバックアンドフットし(かなりランナウト)、最後は右壁にワードホッグを打ち込み人工。最初から全くヒヤヒヤもんだ。IV+、A1といったところ。

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これを登っても、なんとまたえぐいCS滝8m。こいつもフリーで登る事は出来ず、水をドバドバかぶりながら、ショルダーの状態で穴を空けてもらい、ここを1ポイントのバットフック、さすがにノープロは危険なので、最上段に乗り込み、工事用ボルトを1本埋めて、後はフリー。
ここを上がると、なんとまた上にCS滝6mが!!こいつは右からフリーで登れたが、水流沿いだったら、さすがに悩んだ事だろう。
ここから谷は左に曲がり、さらに大きな滝をかけて、右に曲がっている。ここからは木下リード。最初の5m滝も中々手強く、ワードホッグを叩き込み、1ポイントの人工が入る。目の前には25mくらいの直瀑。普通の感覚では、これは登らないだろう。なんかやる気が出ないが、まだ時間は11時前。帰る理由にもならないのでとりあえず取り付いてみる。
最初は水流の真下をフリー。これが水がすごく多いので、なかなか苦戦する。ここで落ちたらグランドフォールだ−と思いながら10m近くノーピンで登り、工事用ボルトを1本埋める。ここから上部の傾斜が緩くなる所までずっと人工。手持ちのボルトが少なく、最上段に乗って、さらに工事用ボルトを差し込むだけで前進(打ってないので当然回収)。中間部からは、ボルト穴をあけようとしても、岩がボロボロ崩れる始末。ここで落ちたら致命的だと思いながら、ワードホッグを打って前進。決まっている感じもなく、「すげーこえーよー」と泣き言を言ってみるが、下の矢吹は気付いてくれない(知らないフリをしている?)。結果、こいつで6連発。たぶん1本外れたら、立て続けに最後に打ったボルトまで全部吹っ飛び、最大15m近くのフォールは間違いなかった。
最後は、これ以上確実なプロテクション取らないのはマズイと言う所に、工事用ボルトを1本だけ打ち(こいつはフォローが触れたらあっさり抜け落ちた)、残りはフリー。このピッチだけでフォローも入れて3時間かかった。すでにハンマーの振り過ぎで、左手首は痛いし、シャワーを浴び続けての人工で疲労困ぱいだ。しかし、これだけ早く登れたのも、矢吹が持ってきたヨセミテハンマーのおかげだろう。そういえばこの滝はV級、A2程度はあった。20m滝とは大ウソ。もっとでかい。
滝を登ってみたものは……なんと50m近くはあろうかという滝。おまけに下部はほとんど垂直に近い傾斜。フォローしてきた矢吹も、「なんですか?これは。こいつはオレ的には登らない滝ですねぇ。木下さん、いつもこんなヤバいとこ登っているの?」もちろん、そんなことはないのだが、ちょっとこれはヤバいというかヤバすぎ。
しかし、まだ13時30分。帰る理由もない。なんとか18時までには登れるかも。百名谷の記事の写真とは大違いの水量で真ん中が全部水の中。まったくやる気が起きない。ここまで3時間近いシャワークライミングでバテバテの木下に代わり、矢吹リード。水流の左からかなりきついシャワーを浴びながら取り付く。しかし、気合を入れなおした矢吹は、なかなかイイペースで登っていく。「これ、結構なんとかなりそうですねぇ」とか言いながら、最初の6mをバランスクライムし、スカイフックにあぶみをひっかけて、こいつの最上段に乗り込んだ状態で、まず1本目のボルト。で、ここから彼はすごいのだが、2本あったジャンピングを駆使し、1本打ち込んでは、こいつにスリングをタイオフし、アブミをかけて、ジワジワと最上段に乗り込み、次の穴をあけていく。手持ちのボルトも本当に少ないので、次のピンを打つまでに最低3回の架け替えはしなくてはならないのだ(こうしているのは岩がボロいのでバットフックでは外れる危険性がある為)。

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わずか2~3分程であいてしまうボロさで、もちろんリスなんかもないので、ハーケンは全く使えない。こうした悪条件でかつシャワークライムだと、疲労も激しく、大体1時間に15m程度伸ばすのが精一杯だ。もちろん、残置なんか1本もないし。2時間が過ぎ、中間部に差し掛かった時、RCCボルトを1本見つけ、雄叫びをあげる。
ボルトの間隔も段々と遠くなり、6ピンくらいは平気で掛けかえる有様。全く彼のセルフコントロールの能力には頭が下がるばかりだ。
残り10m強となった時、ロープが水を吸いロープをあげるのが非常に苦しくなる。ジャンピングも1本落とし(上から降ってきた!)、疲労困ぱいの様子。ロープもあげるのもしんどく、ここで右手の小テラスにボルトを打ち、ピッチをきる。
この時点で午後5時半。よく1人で4時間近くもリードしたなぁ。しかし、日帰りの計画なので、上を回って帰ったら、楽に日付が変わってしまいそうだ。この辺りは携帯も入らず、それこそ遭難騒ぎをおこしかねない。あと10mちょっとなんだけどなー、と非常に悔しいがここから下降する事にした。
しかし、帰りの懸垂も大変。水を吸ったロープは引っ張っても抜けず、ユマールを噛ませて2人がかりで引っ張るありさま。これで抜けなかったら本当にヤバいとかいいながら。なんとか外せたが、本当にヒヤヒヤだった。
これ以後の滝はすべて回収に苦労し、ゴルジュ入口の15mCS滝だけは、ここでロープが抜けないと本当に大変なので、カラビナを残置して懸垂。
ここでほとんど真っ暗になり、あとはヘッドランプの灯りを頼りに、なんとか懸垂を交えて慎重に戻り、車に戻ったのは夜8時を回っていた。
フロにも入らず、ヨレヨレで仙台まで車で戻るが、東京に戻って、あとでギアの確認をすると、アブミやタイオフスリングなど、いろんなものを落としていたのだった。おまけにハンマーの振り過ぎで腱鞘炎にはなるし、シャワーの浴びすぎで、風邪ひいてしもうた。

こうして僕らの愚かな挑戦は終わった。でも、こんなこえーところたぶんもー行かねーぞ。
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穂高・下又白谷〜静かに眠る穂高の大ゴルジュ〜

 穂高に下又白谷という大ゴルジュが眠っている。「断想 下又白谷」、この記事を目にしたのは今から4年前の事だ。山岳巡礼倶楽部の赤沼正史氏の記事と共にカラーで掲載されたその写真は、非常に刺激的な写真だった。上に吹き上げる滝の真横をネイリングする姿やU字形の滝の横をユマーリングする姿は、それ以来僕の心にインプットされた。僕を下又白のとりこにするには十分すぎた。

上高地に降り立つと、もう秋真只中だった。ここで京都から来た野村さんと待ち合わせをする。とにかく寒い。

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狭いラントクルフトの間を抜ける

明神から対岸の林道をのんびりと歩き、下又白谷へ入る。しばらく涸沢を登って行くと、伏流していた水流が再び現れ、大きな壁が現れた。9月になっても膨大に残る雪渓はとても信じられない。最奥には万年雪の城塞に囲まれた鉄のF1が控えている。
雪渓のどん詰まりから、木の棒を埋めて、シュルントに懸垂。頭上に被いかぶさる雪渓を気にしながらラントクルフトをトラバース。下を見れば、真っ暗な闇が口を開いていた。鉄のF1はとても登れるものではなく、左岸から入るルンゼを4ピッチで登る。

続く銅のF2。ホールドがガタガタ動く非常に恐ろしいカンテを2ピッチ。両側の壁は城塞のように立ちはだかり、正面突破しかあり得ない。落石が襲い、僕らは右往左往する。銀のF3も大変だ。あの写真で見たU字型の流水溝から上に吹き上がるのも健在だ。2ピッチ分をネイリングすれば、もう夕方になっていた。
翌日早朝から、金のF4の左壁を登る。2ピッチ目、37年前の初登攀の時には生えていなかっただろう灌木を使って苦しいエイドをすれば、終わりももうすぐだ。ピトンが足りずにランナウト気味の最終ピッチは、傾斜が緩いながらもとってもすばらしいピッチだった。

振り返れば徳沢園が見える。最後のF5を簡単に越えてしまえば、1時間半ほどガレ場を右に右にと登り続けると茶臼のコルで、奥又白は目と鼻の先だった。秋色に染まった穂高の山々を眺めながらの下山となった。
想いとはうらはらに結構あっさり登れたが、得てしてそういうことはよくあることだ。しかし、内容自体はすばらしい。F3上の河原で明かした焚き火の夜は、辺りの山々を微かに照らし、決して写真では表現できない幻想的な光景を醸し出していた。

穂高・下又白谷
2002年9月21日〜22日 
木下徳彦、野村勝美(無所属)、西田重人(山岳同人「黒部童子」)
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後立山・白岳東面第2稜

五竜の山並の向こうに太陽が沈んでいく。遠見尾根が橙色に染まっている。山頂はあまりに遠かった。
G7の帰りに受けたあの衝撃だけは絶対に忘れることはできなかった。荒沢尾根を髣髴とさせる巨大なキノコ群、そして所々に見え隠れするいかにも悪そうなミックス壁。その絶望的な姿に「恋」をしてしまった。そして連続の五竜通い。しかし、1ヶ月に3度も五竜に通うほど恋焦がれているやつはいないようだ。なかなかパートナーが捕まらず、とっかえひっかえになる。特に第2尾根は連休直前ということもあり、メンバーを集めることに相当の困難を伴った。

4月23日
強風のためテレキャビンが運休。平川谷の林道終点から登ることを考えていなかったこともあり、昼までフテ寝してしまう。あとで気がついたがアホだった。さっさと見切りをつけて平川谷から取り付くべきだった。結局、昼ごろになっての平川谷経由での入山となる。
最初は快適だった林道歩きも、渡渉、そして堰堤を越えてから先は、金曜日に降った雪に苦しめられ、第2尾根の取付に辿り付いた時には3時間が経過していた。おまけに天気も悪く、風も非常に強い。この状態でツェルトビバークはかなりつらいだろう。そう考えて、取付でビバークし、翌日のアタックに備えて、トレースをつける作戦に変更。
この日はさらに1時間半ラッセルを頑張り、1900m地点までトレースをつける。例の如く、シュルントを利用したテントサイトは快適である。

4月24日
寝る前に出ていた満点の星空は消えていた。しかし、風はなく、それなりに快適な登攀日和となりそうだ。しかし、快適と感じたのはトレースをつけたところまでで、そこからロープを出す水平リッジの終了点まで標高差わずか100mに2時間半もかかる。核心部を登り始めたのは、敗退が頭の中をちらつき始めた7時半を過ぎていた。眼前に広がるきのこの1つ1つはいつになく巨大に見える。

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バックの山々に朝日が当たりはじめた

1ピッチ目、正面のきのこには正面突破を挑まず、左のルンゼを40m伸ばし、きのこの付け根でビレイ。
2ピッチ目、きのこのつなぎ目から登り、2つ目のきのこには、スリングアブミまで使って強引に突破。上がってみれば、巨大きのこがこの先、どこまでも続いている。とても全部越えられそうにない。稜線が極めて細くなったところでビレイする。
3ピッチ目、正面のきのこ崩しを嫌がり、きのこの左側を回り込む作戦に変更する。ロープいっぱい伸ばすと、左下から上がってくる広いルンゼに入った。
4ピッチ目、広いルンゼを登る選択肢もあるが、きのこ崩しをしに来ているので、ブッシュを腕力登攀の後、苦しいきのこ登り。稜線に出るとナイフリッジだった。リッジを慎重に登って、2段キノコの下へ。
5ピッチ目、でだしをスコップで切り崩して一段上がると、巨大きのこの下には快適なバンドが広がっていた。左に回りこむと、広いルンゼに合流する。ここからきのこの上に出るのも可能だが、ルンゼの先には簡単に稜線に上がれるところもありそうだ。結局、ルンゼをつめて、稜線直下まで。
6ピッチ目、右に回りこみ、きのこの上に乗り込んで岩稜まで。所々に開いているヒドンクレバスのような隙間が恐ろしい。おまけに下がえらくえぐれた水平キノコリッジで精神的にしびれる。だが、50m歩いても、ビレイ点に出来そうな場所がない。こいつは困った。先は岩稜にナイフリッジと、状況は悪くなる一方だ。しかし、神は見捨ててはいなかった…。神頼みっぽく岩稜の付け根を掘り起こすと、なんとブッシュ発見。ろくなプロテクションがないまま、目の前のナイフリッジをコンテで行くのは恐ろしいと思っていたので、すかさずビレイを取る。
7ピッチ、出だしのナイフリッジは実はスカスカ。踏みつけると、ただでさえ細いリッジに亀裂が入り、一部が音もなく、空中に消えていく。なんとか耐え、スコップを使って水平リッジにあがり、最も安定したところでビレイ。
次の8ピッチ目を見るが、正面の2段巨大キノコの存在が憂鬱だ。とても登れるように見えない。水平リッジを歩き、巨大キノコの付け根までロープを伸ばす。きのこ崩しを嫌がり、一旦左の谷筋に降りたら、登りかえすのに非常に労力を使うことになった。
狙うは巨大キノコの右下をすり抜け、次の巨大キノコに強引にあがるか? それとも、右に一度懸垂し、雪崩れそうなルンゼを登り、右から合流する支稜に上がるか? 前者は神がかり的な登路が残されているが、2つ目はどうにも越えられそうに見えない。一方、ルンゼも安易かもしれないが、いかにも雪崩れそうな上に、先の保証は全くされていない。結局、後者を選んだ僕らは15mの懸垂をして、苦しいルンゼのラッセル60mで支稜に上がる。

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ものすごくでかいキノコ。さすがにこれは越えられない。

10ピッチ目、正面の巨大きのこを右から回り込んで、斜面を登って行く。しかし、快適とはほど遠く、胸まで埋まる軟雪でもがいているというのが正しい表現か? はっきり言って、この状況で雪崩れないのが不思議だ。おまけに、この状況でロープをつけるのは意味がないので外してしまう。途中、杉本さんとトップを変わり、岩稜の始まりまで、ひたすら塹壕堀り。ロープスケールで2ピッチ伸ばすのに2時間近くかかる。最後はかなり傾斜も強い。
そして11ピッチ目、岩稜の取り付きの細いブッシュにビレイを取り、杉本さんが雪に埋まった岩を掘り返しながら、急な岩稜を登って行く。10m登ってからリッジを右にまたぐと、草付が広がっており、ダブルアックス交じりでさらに15m。草付の終わり辺りが一番傾斜がきつく怖い。ここが終わると、ひたすら頂上に向けて雪壁登り。雪は幾分締まってきたように感じる。ロープが足りず、最後はコンテ。
核心は越えたようだ。12〜14ピッチ目の3ピッチで、所々に亀裂が隠れた急な雪壁から美しいスノーリッジ、そして頂上稜線の平坦地へ。緩いリッジを登ってほどなくすると、遠見尾根に合流した。
 五竜の山並の向こうに太陽が沈んでいく。遠見尾根が橙色に染まっている。遠見尾根にはトレースは全くない。こんな状況を誰が予想しただろうか? 幸いにしてラッセルは厳しくなく、30分ほどで大遠見へ。大遠見から支稜を降り、そのまま沢筋を下降。日も暮れはじめた6時過ぎデポ地点にたどり着いた。
行きにも通った堰堤で真っ暗になり、この先、ヘッデンをつけて林道を歩く。杉本さんはほっとしたのかバテ気味だ。これまでこういう山をやってこなかったわけだから、無理もないだろう。東側から満月が現れた。月に照らされながら、考え事をして歩いていると、程なくして林道途中の車に辿りついた。20時半。さすがに疲れた。やはり後立は甘くない。
 
[山行DATA]
2005年4月23日〜24日
木下徳彦、杉本陽子 (チーム84)

04/23[晴のち曇] 
平川谷林道終点(1200)→第2尾根取付(1520-50)→1900m往復後TS(1730)

04/24[晴] 
TS(0410)→稜線(1620)→大遠見(1700)→TS(1815-30)→平川谷林道終点(2040)
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2012年06月18日

阿波〜室戸

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2012/05/04
徳島県 日和佐・大浜海岸、
高知県 室戸・室戸港
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淡路の海(4枚組)

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2012/05/04
淡路島〜鳴門
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高野山(2枚組)

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2012/05/04
大阪府 高野山
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2012年06月12日

池原の夏

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おいおい、これで90mでっか?もっとあるだろう…

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1ピッチ目は相川リード。壁がヌメヌメします。今考えてみると、ここが一番

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2ピッチ目をフォローする宮城。すでにかなりの高度感。
リード怖かった…。

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勝負の3ピッチ目をトライする宮城。私は、この10mほど上で空をぶっ飛びました。


大峰・古川滝谷カクレ滝(第2登)
2012年6月11日
宮城公博、相川創、木下徳彦
posted by gorge13 at 23:58| Comment(1) | TrackBack(0) | Footmark in the mountain | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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